コレなんて読む?市内の難読地名をご紹介!第3弾
ココがキニナル!
横浜市は難読地名が非常に多い地域。大豆戸と北&東山田以外にも山ほどあります。ぜひシリーズであちこちの難読地名の由来を調べて!(スさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
難読地名シリーズ第3弾は、これまでにコメントでもらった地名を含む、野庭町、汲沢町、笹下の3ヵ所を調査!
ライター:田中 大輔
横浜市内の知らないと読めない地名や、読めそうで読めない地名を紹介するこの企画。
第1弾、第2弾と好評をいただき、今回の第3弾を迎えた。
(コレなんて読む?市内の難読地名をご紹介!)
(コレなんて読む?市内の難読地名をご紹介!第2弾)
3回目となる今回は、これまでの記事のコメント欄で推薦(?)してもらった難読地名を含む3ヵ所を取材してきた。さてさて、皆さん読めるだろうか。その読み方を、当地の歴史とともに紹介しよう。
上永谷駅そばのアソコはなんて読む?
今回のトップバッターは、港南区にあるココ。
こちらはコメントでいただいた、意外と読めない系の地名
ブルーラインの上永谷駅からすぐのところにある町で、読み方は“のばちょう”だ。
“のにわちょう”はもちろん、厳密には“のばまち”も間違いということなので、注意。
町内は住宅街という趣が強い町で、一戸建てにアパート、団地が建ち並んでいる。
町内の様子。これと言って変わったところのない町
また、交通局の上永谷車両基地があるのも、この野庭町だ。
基地には市営地下鉄の車両がいくつも停められていた
駅から離れると高台になっていて、大規模な市営団地や2つの小学校と1つの中学校がある。
さて、キニナルその名の由来だが、少なくとも明治時代からあるという野庭神明社で聞いてみた。
神明社の社殿。小さな神社だが、地元に愛されているそうだ
この神明社、以前は別の場所にあったが、昭和50年代の野庭団地造成の際に現在の場所に移されたんだそうだ。
神社より少し駅側にある市営団地。かつては神明社もここにあったようだ
神主さんは不在だったため、社務所で働く女性に話を聞いてみた。
ところが「うーん。(由来は)聞いたことないですねぇ」と残念な答え。
ほかの地元の人へのヒアリングでもコレといった成果が得られなかったので、港南図書館へ行って資料を当たってみた。
『角川日本地名大辞典』(角川書店刊)によると、野庭の地名は鎌倉期からあったものらしい。
しかし、その初出では“野馬”(口伝法務奥書)として登場している。さらに、1549(天文18)年の文献には“野場”と記されている。さらに、『小田原衆所領役帳』には“野葉”として出ているから訳が分からない。
実はこの港南図書館も野庭町内にある
現在と同じ“野庭”という表記が出てくるのは江戸時代になってからだそうで、由来については今回の取材では見つけることができなかった。
それにしても、野馬、野場、野葉、野庭と4種類もあって、よりにもよって一番読みにくそうな漢字が現在まで伝わっているのだから、不思議なものである。