戦争遺跡である京急線の「旧平沼駅」は復活するのか?
ココがキニナル!
京浜急行の戸部~横浜間にある廃駅が最近とてもキレイに整備されました。レポートしてください(升野兄さん、u1さん)/京急旧平沼駅の上り線ホームがきれいになってる!まさかとは思うけど?(黒霧島さん)
はまれぽ調査結果!
今回の工事は作業ヤード・資材置き場として使われている旧ホームの床や壁の補修工事。前回と同様、今後のことは未定
ライター:田中 大輔
2011(平成23)年10月に「京急線の『旧平沼駅』って今後はどうなるの?」でも紹介した京急線・旧平沼駅。横浜駅から700mほど戸部駅方向に進んだ場所にある、1931(昭和6)年に開業した駅だ。
相鉄線の平沼橋駅からほど近い場所にある(Googleマップより)
戦争時の空襲による爪跡が残る建造物としても知られ、はまれぽにも複数のキニナルが投稿されるなど注目を寄せる人も少なくない。
2011(平成23)年の記事では、今後について未定という京急電鉄の回答を紹介したが、今年に入り旧平沼駅で工事が行われていたとのこと。
なにか新しいことが決まったのだろうか。
営業期間、わずか11年半の駅
平沼駅ができたのは、先述の通り1931(昭和6)年12月のこと。
隣の戸部駅などと同様、高架駅になっていて、線路を挟んで2つのホームを持つ相対式ホームの駅だった。
旧平沼駅のホーム。線路は現役なので、当然電車が走っている
当時、高輪~横浜駅間で開通していた京浜電気鉄道と、黄金町~浦賀駅間で運転していた湘南電気鉄道。この2つの路線を接続すべく作られた駅なんだそうだ。
しかし、開業から11年半ほどの1943(昭和18)年6月に、その営業を休止する。
そして、翌年の11月には駅の廃止という運びになっている。
かなり短命な駅だったことになるが、廃止となった正確な経緯については京急電鉄でも把握をしていないとのこと。ただ、戦時政策による理由ではないかと考えられているそうだ。
1958(昭和33)年の旧平沼駅。もちろんこのときはすでに廃止になっていた
(画像提供:京急電鉄)
旧平沼駅をめぐる最近の動きとしては、1999(平成11)年にホームに架けられた鉄骨が撤去されたことが挙げられる。
これはかつての屋根の名残で、安全対策の理由からの作業だったそうだ。
1978(昭和53)年当時の様子。まだむき出しの鉄骨が架けられている
(画像提供:京急電鉄)
では、開業から80年以上を経た今年、どんな理由で工事が行われていたのだろうか。