“寺尾”という地名が鶴見区と神奈川区にまたがっている理由は?
ココがキニナル!
鶴見区の東寺尾と神奈川区の西寺尾はどうして東と西に分かれ、別々の区になってしまっているのでしょうか?(リーフさん)/南寺尾が無い?どおして?又、起点は何処?(エル2さん)
はまれぽ調査結果!
お寺を起点に寺領を元にした町だった! 区政施行よりもはるか昔からある地名で、名前よりも旧村域を元に区界が引かれたため、2つの区をまたいでいる
ライター:田中 大輔
東○○と西○○。○○に同じ町名が入っていれば、たいていは隣り合った町で当然同じ区に属している場合がほとんど。
はまれぽでも紹介した花咲町はひとつの町が中区と西区にまたがる不思議な状態になっているが、その背景には戦争の真っただ中での分区という例外的な事情があった。
そういったよほど特別なケースでもなければ、東○○と西○○は同じ区にあるのが自然なのだ。
ところが、今回のテーマである“寺尾”はちょっと違う。
東寺尾、西寺尾、北寺尾と3つの町が存在し、西寺尾だけが神奈川区、東寺尾と北寺尾が鶴見区に属している。
確かに、西寺尾だけが神奈川区になっている
また、3つの寺尾はどこを中心に東西北に分かれているのか、なぜ南寺尾は存在しないのか。
今回は不思議な疑問を抱える3つの寺尾について調べてみた。
3つの寺尾はこんな町
まずは「寺尾三兄弟」の位置関係を把握しておこう。
3つの寺尾の位置関係はこんな感じになる
東寺尾と西寺尾が隣接していて、北寺尾は東寺尾と境を接している。
西寺尾と北寺尾の間には馬場という町があって、直接はつながっていない。
いずれの町も住宅街の趣が強い町だ。
また、どの町も起伏のある地形になっているのが特徴。もちろん低地もあるが、ちょっとした丘のような場所が多く、歩いて回るとけっこう疲れる場所だ。
西寺尾の丘公園。地形を生かした公園で、上まで登るとけっこう疲れる
こちらは北寺尾の住宅街の一角。いたるところに坂道がある
大きな道路から離れると自然も少なくなく、緑道や畑なども目にすることができる。
東寺尾の入江川せせらぎ緑道。マンションのすぐ横だが、魚やザリガニの姿も
北寺尾の住宅街にあった畑。東・西寺尾でもこういった風景が見られた
起伏に富んだ地形というところを除けば、なんの変哲もないいたって普通の町である3つの寺尾。
その町が秘めるちょっと不思議な謎にここから本格的に迫ってみよう。