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幻の東急東横線「本横浜駅」、たった3年で廃駅になった理由とは?

ココがキニナル!

昭和の初め、東急東横線「本横浜駅」があったそうです。3年も経たず廃止となったのは何故でしょうか、そして本横浜の「本」とは何のことでしょうか?(ねこぼくさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

二代目横浜駅の隣にあったことから、本来のという意味で「本横浜駅」だったが、廃駅ではなく、三代目横浜駅の誕生後、「高島町駅」に改称された

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ライター:河野 哲弥

幻の「本横浜駅」とは



つい先日、今回の投稿と似たような幻の駅「新太田町駅」について、大倉精神文化研究所の平井誠二先生を訪ねたことがあった。そこで再び平井先生に相談してみたところ、「調べてみましょう」との回答。いつもお世話になります。
 


港北区にある、同研究所の外観


問題の「本横浜駅」だが、『回想の東京急行Ⅰ』によると、「本横浜駅」は1928(昭和3)年8月から1931(昭和6)年1月までの2年5ヶ月、確かに存在していたようだ。そして特徴的なのは、その前後が別の駅名になっていることである。
 


『回想の東京急行Ⅰ』(萩原次郎、宮田道一、関田克孝著/大正出版)より


ではいったい、この背景にはどのような事情があったのだろう。「本横浜駅」の「本」の謎と合わせて、平井先生に話を伺ってみた。



駅名改称には、横浜駅の移転が関わっていた



「高島駅」が開業した1928(昭和3)年と聞くと、鉄道に詳しい方ならピンとくるかもしれないが、同年10月に現在の横浜駅(三代目)が営業を開始したのだ。

当時、新しい横浜駅への乗り入れを予定していた東京横浜電鉄線(現在・東急東横線)は、二代目横浜駅跡(現在の高島町交差点付近)のすぐ隣まで路線を延伸し、新駅を設けて全通を待ち構えた。これが1928(昭和3)年5月に開設された「高島駅」である。
 


国道1号線と16号線が合流する高島町交差点


それから3ヶ月後の8月、三代目横浜駅の営業が間近になると、「本横浜駅」に改称。この点について平井先生は、「二代目横浜駅があった場所なので、『本来の』という意味を込めて、『本横浜駅』としたのでは」と話す。

似たような例を調べてみたら、東京都町田市の「本町田」という地名も、旧町田村から原町田村を分村した際に、旧町田村が改称したというケースもあるようだ。
 


1930(昭和5)年発行の『東京横濱電鉄 目黒蒲田電鉄沿線案内』
(画像提供:大倉精神文化研究所)