外人墓地の近くに、「庭に滝がある呉服屋さん」がある!?
ココがキニナル!
外人墓地の近くに、「庭に滝がある呉服屋さん」があるという噂を聞きました。本当にあるんですか?(秀ちゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
庭に滝があるのは、『丁子屋』という呉服屋さん。外人墓地のある山手本通りから、本牧方面に少し降りたところにあります。
ライター:吉澤 由美子
外国船の評判になった山手の水
外人墓地がある山手はもともと良質な湧水が豊富だった場所。
庭に滝がある呉服屋さんがあっても不思議じゃない。さて、どこから探してみようかな。
まずは、元町公園の水屋敷、『ウォーターガーデン』から回っていけばきっとわかるはず。
外人墓地とベーリックホールの間にある元町公園。この場所は元町よりの入口近く
1859年、6月2日に横浜が開港。その時から横浜の水は、おいしいだけでなく赤道を越えても腐らないとして、外国船から絶大な人気を得ることになる。
明治の初めにはフランス人実業家アルフレッド・ジェラールが、山手に湧く豊富な水量の清水を利用して船舶向けの給水業をはじめた。その給水施設跡地が、元町公園プール前のウォーターガーデンだ。
元町公園内にあるプールの入口。井戸水を使ったプールなので真夏でも水温が低め
プール入口前の地下には、今でもレンガで組まれた上部貯水槽が静かに眠っている。こちらは見ることができないけれど、実は公園を出て元町方面に降りて行った先に中を観察できる『ジェラール水屋敷地下貯水槽』という遺構がある。
貯水槽の天井にあたる地面の部分がなく、上部に遊歩橋が架けてあり、当時のままのレンガを間近に見ることができるのだ。住宅街を少し歩いた場所にあるせいか、ここはあまり知られていない隠れ観光スポット。
今では水が少し濁っているが、ひとなつこい鯉が多数のんびりと泳いでいる。
住宅街の中にひっそりとあるジェラール水屋敷地下貯水槽の遺構
当時のレンガにはシダやコケが生え、それがまた歴史を感じさせる
しばらく歩きまわってみたけれど、元町側には呉服屋さんがなさそうだ。そこで、山手の丘の向こう、本牧側に行ってみる。
こちら側にも良質な湧水を使っていた日本のビール発祥の地、キリン園があるから水は湧いているはず。
代官坂下トンネルを抜けた先、小学校を過ぎて道がカーブしたところに、藍に白抜きで、大きな「呉服」「染物」、小さく「丁子屋(ちょうじや)」と染め抜いた暖簾を発見!いかにも老舗という佇まいの呉服屋さんだ。
もしかして、と思って表から奥を覗き込むと、障子の間に一幅の日本画のような風景が見えた。本当に滝がある!!
店先から奥を覗き込むと本当に滝があった