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昭和26年創業当時のまま!クラシカルな魅力満載、日ノ出町にある「山城屋旅館」に突撃!

ココがキニナル!

黄金町周辺には、山城屋旅館や旅荘筑波など、歴史のありそうな旅館がいくつかあります。中はどんなふうになっているのか、どういう人が利用するのかなど、気になります。(miyukidさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

山城屋旅館は昭和26年創業。当時のままのクラシカルな室内は全室デザインが異なり、見るだけで楽しかった! 旅荘筑波は残念ながら取材NG。

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ライター:松宮 史佳

自分の家より落ち着く“他人の家と旅館”が大好きな松宮。最近、旅館の取材が続き、ますます旅館好きは加速中。が、しかし!

「高齢だから(旅館は)もうやっていない」と取材NGの旅館が続出。横浜市内の旅館はどんどん数が減っているのだ! 歴史ある旅館をなんとか記事にしたい!

投稿にあった「旅荘筑波」も直接行き、交渉したが、残念ながら取材不可。

もう一方の「山城屋(やましろや)旅館」は取材できるのか!? 一縷(いちる)の望みをかけ、電話で取材交渉を行う。すると、「取材OK」との返事が! 「よかった・・・」とホッとひと安心。

早速、「山城屋旅館」の最寄駅である京急日ノ出町駅へ!
 


昭和26年創業「山城屋旅館」に突撃!


 


改札を出て、高架下をくぐる
 

平戸桜木道路をまっすぐ進む


しかし、旅館らしき建物は見当たらない。「どこにあるんだろう・・・」ふと左を見ると、向かい側にあった!
 


駅から徒歩5分ほどで「山城屋旅館」に到着!


横断歩道を渡り、旅館前へ。・・・目の前で見ると、“由緒正しい日本旅館”という感じ。中は一体どうなっているんだろう? ドアを開け、中に入る。
 


オーナーを直撃!



・・・玄関は赤い絨毯と暖炉が印象的な、上品な佇まい。  


昔の洋館のような雰囲気を漂わせており、ステキ!


「すいませーん!」と言うと、上品なかわいらしい女性の方が登場。女性はオーナーの坪内トミ子さん(残念ながら顔出しはNG)。

 


食堂のこたつに入り、トミ子さんにお話を伺う(左は飼い猫のタマ)


「山城屋旅館」は、トミ子さんのご主人・総司郎さんのお父さん・廣司さんが1951(昭和26)年に創業したそうだ。
 


旅館組合の組合長だった廣司さんは「第一回中小企業団体総連合大会」で表彰された


ご主人の総司郎さんは元競輪選手。引退後、家業である旅館を継いだ。しかし、残念ながら15年前に他界。現在はトミ子さんと娘さんが「山城屋旅館」を継いでいる。
 


競輪選手だった総司郎さんの勇姿(一番奥)
 

総司郎さんは2010年に閉園した競輪場「花月園」の第一期生だった
(神奈川新聞:2010年3月28日号)より
 

花月園で汗を流した戦士たちとして総司郎さんのお名前が掲載されている
(左から2列目の下から8番目)

 


意外な縁の著名人



トミ子さんが坪内家に嫁いだ1967(昭和42)年当時、日ノ出町は問屋街だったそうだ。当時は近くに製薬会社や保険会社があった。なので、遠方から問屋に来る人や製薬・保険会社に関連した人などが利用していたという。

また、大船撮影所があった時は「映画監督もひいきにしていた(名前は失念)」とか。その関係で女優の吉永小百合さんや今は亡き俳優の田宮二郎さんなどの著名人に(ロケ先まで)朝食を届けていたことも!

ほかには野球やサッカーの試合で横浜に来る学生なども多い。なんと! 中学生時代のイチロー選手も泊まっていたそうだ! 20名~25名以上宿泊する場合は貸切にしてしまうとのこと。ほかのお客さんを気にせず「おーいって呼べるでしょ(笑)」とトミ子さんが答えてくれる。
 


旅館周辺には「酒屋さんやおもちゃ屋さん、雑貨屋さんなどがあった」という


現在もビジネスで利用する人が多い。男女比はほぼ男性。職種は工事関連の人や宮大工さんなど、さまざま。仕事の関係で長期滞在する人も多いとか。

チェックインは16時。チェックアウトは10時。素泊まりは一泊5250円。朝食付きは6300円。2食付きは7875円(食事付きは連泊2名以上のみ)。

ここで「山城屋旅館」の屋号の由来について尋ねる。創業者・廣司さんの奉公先である。「山城屋」という漬物屋さんから取ったと判明!

ここで、キニナル館内を案内していただくことに!
 


全室デザインが違う! クラシカルな魅力満載の部屋



水場などのリフォームは行っているが、旅館の建物は“昭和26年当時のまま!”
だからクラシックで品格漂う雰囲気なのかと納得。創業時より全室トイレ付き。「当時としては、かなり珍しかったのでは」とトミ子さん。

創業者の廣司さんはとにかく徹底的にやる人だった。部屋は和室あり・洋室あり。1階は2室、2階は10室ある。

1つ1つの部屋のデザインはすべて違うらしい。一体どんな感じになっているんだろう!?

まずは松宮が宿泊する部屋へ。
 


お屋敷にあるような階段を上り、2階へ


「!!!!」

昭和20年代の映画の中にタイムスリップしたかのような、趣ある空間が目に飛び込んでくる。
 


柱やドア、1つ1つが味わい深い
 

松宮が宿泊する10号室へ


・・・かわいい! ここは洋室なんだ!
 


オレンジ色の1人用ソファーがかわいらしい
 

暖炉もある!
 

レトロな黒電話を発見!!!


黒電話は(外部には掛けられないが)“現役”。調理場とつながっている。ものすごい爆音が鳴るため、朝起きれない人が「モーニングコール」で使用しているそうだ。
 


歴史を感じさせる金魚鉢の置物&悩ましい表情の人形
 

今ではほとんど目にすることがないデザインに興味津々
 

長い窓とグリーンのカーテンが趣ある空間をつくり出している


室内は“クラシカルなホテルの一室”のような雰囲気。だが、そんな中に超薄型のTVがある。そのコントラストがおもしろい。
 


ドアのすぐ隣にある洗面所


暖炉上には浴衣、洗面所の上には歯ブラシ・バスタオル・かみそりが置かれている。
 


トイレは新しくて清潔
 

煎餅とお茶でひと息


ほかの部屋もみてみたい! が、本日は団体のお客さんが宿泊中のため、空いている部屋を見せていただく。

せっかくなので、浴衣に着替えて旅気分を出すことに。階段を下りて1階へ。