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横浜市は体格差がある小学校給食の量をどう調整している?アレルギー対策は?

ココがキニナル!

横浜の中学校で給食を行わない理由は、体格や食べる量など個人差が大きいなどあるようですが、小学生の方が体格差はあるのでは。どう調整しているの/小学校給食の食物アレルギー対策は?(ヤングさん、にゃんさん)

はまれぽ調査結果!

量は学校給食法の学校給食摂取基準が目安で、足りない分はおかわりなどで調整。アレルギー対策は国に先駆けて作成した対応マニュアルに準拠

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ライター:はまれぽ編集部

給食の「量」はどうやって決まる?



横浜市内の中学校で給食が実施されない理由については、はまれぽでも以前お伝えした。横浜市は、これまで市民の意見を広聴した結果、給食を実施しない理由については投稿と同様、体格の個人差を考慮していることを理由の一つに挙げてきた。

しかし「体格」という面では、これも投稿にある通り、個人差が関係してくるのではないだろうか。

以下の表は、2012(平成24)年度に文部科学省が発表した全国の小中学校を対象に行った「学校保健統計調査」の身長と体重をまとめたものだ。

まずは小学校から比較してみる。
 


学校保健統計調査より
 

表によると、1年生と6年生では、男子で身長28.5cm・体重16.9kg、女子で身長31.1cm・体重18.0kgの差がある。

続いて中学生はどうだろう。
 


学校保健統計調査より
 

この表では、中学1年生と3年生では、男子で身長12.7cm・体重10.2kg、女子身長4.6cm・体重6.2kgの差となる。
程度や成長の差こそあれ、数字を見る限りでは、確かに中学生よりは小学生の方が「体格の差がある」といっても差し支えないだろう。

そして、これだけ差があるのであれば、給食の量の調整についてもキニナルところ。詳細を伺うべく、横浜市教育委員会(=以下、市教委)事務局へ向かった。
 


市教委が入居するビル
 

対応してくれたのは、同局指導部健康教育課の梶原豊・担当課長と菊池弘幸・主任指導主事(写真はNG)。
梶原担当課長によると、1回の給食で1人の児童・生徒に提供する給食の量は、学校給食法で熱量(=カロリー)や栄養素をもとに算出した「摂取基準」が目安となっている。
 


学校給食の「摂取基準」(文部科学省ホームページより)〈クリックして拡大〉
 

例えば、低学年(1・2年生)は560kcal、中学年(3・4年生)は660kcal、高学年(5・6年生)は770kcalといった具合になるように定められている。

横浜市内には342の小学校があり、児童はそれぞれの学校に設置した給食室で調理した給食を食べる。給食室では、献立ごとに摂取基準に基づいて計算した量を「サンプル」として設置することが決められている。
 


調理職員が1日ごとにサンプルを作る(写真提供:横浜市教育委員会)
 

市教委では、児童と担任教諭に対して、でき上がった給食を教室に運ぶときに給食室でサンプルを確認するように指導している。サンプルは中学年の量を基準にしており、教室に持ち帰った後は給食当番の児童がそれぞれ、サンプルの量を参考にして配膳する。

この際、児童だけでなく、担任も一緒に確認するのは、量が大きく偏らないようにするためだという。こうすることで、国の定める基準量に限りなく近づけることができるという。
クラスごとに若干分量に余裕をもって調理しているため、量が足りないという児童については、おかわりをすることでバランスを取っている。

市教委も「現場の教諭は長年、児童と一緒に食事をしているので、特に低学年には分量について指導することはあると聞いている。足りない場合は、おかわりするように声をかけているそうだ」と話している。

また、サンプルは和食の「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」を基本に主菜・副菜・汁物などを配置しているため、これをまねることで、配膳の基本などを学ばせる「食育」としての狙いもあるそうだ。