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「キングの塔」神奈川県庁で結婚式ができる! 挙式の様子も一挙レポート!

ココがキニナル!

神奈川県庁で結婚式を挙げられると聞きましたどのようにしてできるのかもしくは実際に挙げられる方をレポートして下さい!!(黒霧島さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

県庁職員を含むカップルにより神奈川県庁で試行された。リーズナブルな人前式で個性的な挙式も可能

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ライター:小方 サダオ

神奈川県庁本庁舎は、キングの塔、とも呼ばれ親しまれており、1928(昭和3)年に創建された歴史ある建造物。そして県知事室があり、県の行政事務を行う建物だ。そんな少し「お堅い」イメージの場所で結婚式・・・? 

 

春の日差しに浮かび上がる神奈川県庁舎
 



なぜ県庁で結婚式?



まず神奈川県庁の総務局総務室の松本博行副主幹に「県庁での結婚式」をはじめたきっかけを伺った。

この事業は2012(平成24)年、県民との距離を縮め県庁のイメージアップを図るために発足した若手職員による「庁舎活性化プロジェクトチーム」が発案。チーム発足後、県庁舎における庁舎公開を伴ったイベントなどを行ってきた。その目玉として出されたのが、「歴史的建造物である県庁舎を県民に結婚式場として貸し出す」という案。会場は神奈川県庁本庁舎内の大会議場だ。

 

シャンデリアが豪華さを演出する大会議場
 

2014(平成26)3月22日から試行。まずは県職員の中から実際に挙式を挙げたいというカップルを募る。その後、提起されてくるであろう問題点をフィードバックし、正式に県内在住者・在勤者を中心に一般公募する予定なのだそう。

以下の点が挙式についての決定事項、とのこと。

1.形式・格式にこだわらない人前式で行う。
2.式会場は、赤いカーペットが敷かれ、天井に大きなシャンデリアが輝く大会議場を中心とする。2階席では、一般者参席可。

 

劇場のような雰囲気を感じさせる2階席が・・・
 

一般者の閲覧席に
 

3.かかる挙式費用は、40万円前後(一般の式場と比べてもリーズナブル)。
4.記念撮影の場所として、屋上も貸し出す (人気の観光地・横浜の風景がすべて見渡せるともいえる場所!) 。
5.会議場での飲食は禁止なので披露宴はなし (近隣にあるレストラン利用を想定) 。

松本副主幹に県庁舎での挙式プランのウリについて伺うと、「まず、会場となる建築物が和洋混合の様式を用いた『帝冠様式』で、国の登録有形文化財に指定されているということ。また“庁舎”なので、建物自体がなくなることはそうそうないでしょう。自分たちの挙式を挙げた場所がなくならない、というのは“人生に一度の信頼性のある約束であるべき結婚”を誓う場として合っているのでは」とのこと。

つぎに、記念撮影もできるという庁舎内の屋上へ案内してもらうことに。その風景は「プロジェクトを提案した若手職員もこれを見たからなのか」と思わせるものだった。

 

屋上よりベイブリッジや豪華客船も入出港する大さん橋国際客船ターミナルを望む
 

庁舎のシンボル、四角すい型の屋根の塔を前にして右には、横浜の人気スポットである赤レンガ倉庫・ベイブリッジ・山下公園と見渡すとつぎに歴史的建築物として知られる横浜税関本関庁舎の「クイーンの塔」が見えてきた。

 

県庁舎のシンボル・キングの塔(手前)とクイーンの塔(横浜税関/左奥)
 

そのとき思い出したのが、「横浜三塔物語」という都市伝説。キングの塔(神奈川県庁本庁舎)・クイーンの塔(横浜税関)・ジャックの塔(横浜市開港記念会館)の三塔を同時に見られる場所を回ると願いが叶う、というものだ。
キングの塔を意識しながら、今度は左側を見渡すと、ジャックの塔、おまけにみなとみらいの顔といえる塔・ランドマークタワーまで目に入ってきた・・・。

 

ジャックの塔(横浜市開港記念会館)とランドマークタワー(右奥)も
 

都市伝説では三塔同時の目視スポット、である。しかし遠くから三塔を望むより、目の前にそびえるキングの塔を軸として、クイーンの塔とジャックの塔、それぞれを眺める光景は壮観、「横浜三塔物語」の新たなバージョンの誕生を予感させた。その県庁で挙式を挙げられる・・・。都市伝説内で「叶えられる願い」とは、「キングの塔で挙式を挙げたカップルは固く結ばれる」となることだろう。



結婚式会場に姿を変えた県庁舎の大会議場



では、実際にどんな挙式が行われたのだろうか。

3月22日、「港・横浜」に似合う晴れ渡った青空のもと、内部の県職員による初の挙式の様子を伺うことに。

式の形式は宗教的儀式の介在しない、二人の関係者の前で結婚の誓いを立てる「人前婚」。当日は3組入れ替えで計1時間弱の式を行う形となった。

新郎新婦の関係者は会場の左右に分かれ、参列者のために約100名分の席が用意された。また今回は特別に黒岩県知事も参列。

 

大会議場内の参列席の様子
 

歌手とハープ奏者
 

式の舞台は、黒岩知事も知事就任時に挨拶をしたという、「壇上」。壇上には歌手をはじめ、ハープや弦楽器の演奏者がそろい、挙式の音楽を担当。さらに神奈川県が開発した刷毛(はけ)目模様のスイートピーが県庁より提供され、色を添えた。

 

壇上に飾られたスイートピー
 

結婚式は3組とも「基本的に」次のような流れで行われる。

1 .新郎新婦入場
2 .2人による誓いの言葉の拝読
3. 指輪交換
4. 立会人を加えての結婚誓約書への署名
5. 結婚誓約書を参列者に見せての結婚成立の宣言
6 .司会者の言葉
7 .黒岩知事によるお祝いの言葉
8 .新郎新婦退場
9 .会議場での全員の記念撮影