菊名池公園の「菊名池」は超巨大だった? 幻の巨大池の謎を調査!
ココがキニナル!
昔はバス通りの向こう側の「市営菊名池プール」まで菊名池だったそうで、貸ボートも浮かんでいたとか。また田んぼが多く、菊名池の水を引いていたと聞きました。詳しく知りたいです。(ねこぼくさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
菊名池は全長1km以上ある農業用水のための貯水池であった。しかし昭和49年に水道と下水道の整備のために菊名池が水道道により二分された
ライター:小方 サダオ
幻の巨大池、菊名池の歴史を追う
まずは「菊名池」の歴史を調べるため、投稿にあった現在の「市営菊名池公園プール」の位置をGoogleマップで調べてみる。
すると横浜市営バスのバス停がある市道、85号鶴見駅三ツ沢線の水道道(すいどうみち)が、プールのある菊名池公園と池のある菊名池公園を二分していることがわかった。
菊名池周辺(GoogleMapより)
菊名池公園を管理している港北区土木事務所に問い合わせると、担当者の森さんは、「昔の菊名池は、菊名池公園と菊名池公園プールを合わせたものとほぼ同じ大きさでした。どちらも菊名池公園の名称ですが、菊名池公園プールにはプール施設しかなく、現在の菊名池は菊名池公園内に縮小されて残っているだけです」と言う。
続いて現地で詳しい話を知っているかたを探しに東急東横線・妙蓮寺駅より徒歩2分ほどにある菊名池公園へ向う。
東急東横線の妙蓮寺駅
水道道。菊名池公園を二分している
妙蓮寺駅を降り、激しく車の行き交う水道道を横断すると、そこに木々に囲まれた「菊名池公園」はあった。入口を奥へと進むと、ようやく散策路に囲まれた池を発見。投稿には菊名池は巨大な池だったとあるが、目の前に広がる池は巨大池とは言い難い・・・。
菊名池公園の池の水は水質がきれいで「生き物の宝庫」と聞いたことがある
さらに「菊名池公園プール」の様子を確認してみることに。
菊名池公園プールの入り口
プールの周辺をブラリと歩いてみる。冬場(取材時は2月)のせいか、公園の事務所も閉まり閑散としている。
菊名池公園プール
菊名池公園プールを訪れる野鳥の解説版
プールは毎年7月より営業する
菊名池公園プールのとなりに鎮座する、菊名池弁財天
菊名池弁財天の社殿
冬期は地元民の散策路として開放されているようだ。プールに張られた水面には野鳥がのんびりと泳いでいる。
するとプール内に設置されたベンチに座り愛犬と戯れる男性を発見。地元の方だと思い声をかけてみる。予測通り菊名池の昔の様子をご存じのようで、「1970(昭和45)年ぐらいより前、現在水道道で二分されている菊名池公園は全長1km以上の一つの池でした。その後、池の上にかかっていた水道管を暗渠(あんきょ)化し、地面に埋め水道道としたため、大きな池は二つに分かれました」と答えてくれた。
それを聞き、本来の菊名池の名残を求め、再度水道道を渡り、菊名池の様子を確認してみる。現在は貸しボートが浮かんでおらず、静かな様子だった。のんびりと池の周りを散策する人だけが目につく。
菊名池公園は地下で菊名池公園プールとつながっている
菊名池の生き物に関する掲示板
野鳥が泳ぐ菊名池
菊名池公園の水門
ここで、公園の案内板に大きな池だったころの菊名池の図説をあたらめて見てみる。
1928(昭和3)年の菊名池の姿
現在の地図と1928(昭和3)年のころの地図を比較してみると・・・
右は1928年の菊名池。今の菊名池公園の大きさと昔の池の輪郭はほぼ同じ大きさ
続いて菊名池が二つに分けられた詳しい理由と時期について調べるために、港北区役所の区民活動支援センターに向かうことに。
区民活動支援センターのある港北区役所