川崎市が2016年度中に中学校の完全給食を実施! その概要は?
ココがキニナル!
川崎市が2016年度から中学校の完全給食を実施するそう。実施方法など含めて、いろいろキニナル!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2016年度までに給食センターを3ヶ所新設。自校で調理する方式を採用した2校と小中合築の2校と合わせ約3万3000食を調理。給食費や総工費などは未定
ライター:はまれぽ編集部
2016年度中に全校で実施
川崎市は2014(平成26)年8月、中学校完全給食実施方針の素案を発表した。
今後は市民意見なども反映し、2016年度中に市内全52校の約3万3000食を確保するため、市内3ヶ所に給食センターを新設するなどの動きを進める。
中学校の完全給食を打ち出した川崎市
川崎市は家庭からの弁当を基本としつつ、1963(昭和38)年度から牛乳を配布する「ミルク給食」を実施。2004(平成16)年度からは弁当を持ってこられない時に、学校で文部科学省の摂取基準に合致した栄養を補完する弁当を注文する「中学校ランチサービス事業」で給食の対応をしてきた。
現在の川崎市の小学校給食(提供:川崎市教育委員会、〈C〉寺田健太)
しかし、市議会の決議や市民から給食を実施するよう要望が高まったことから、教育委員会で議論を重ね、2013(平成25)年11月に「小学校と同様、中学校も完全給食を実施することが望ましい」とする「川崎市立中学校給食の基本方針」を決定。
2014(平成26)年8月に「川崎市立中学校完全給食実施方針(素案)」を公表した。
中学校給食はどのような方式を採用するのか、給食費はいくらぐらいになるのかなど、具体的な話を川崎市教育委員会中学校給食推進室の森有作(ゆうさく)担当課長と北村恵子担当課長に聞いた。
森担当課長(左)と北村担当課長
センター方式と自校方式を併せて採用
実施方針の素案では、新たに「学校給食センター」を3ヶ所新設。大部分の中学校で、センターから給食を配送する「センター方式」を採用することを明記している。
川崎市立中学校完全給食実施方針(素案)より
用地は全て市有地で、同市麻生区のかわさきマイコンシティ事業用地に「北部学校給食センター」、中原区の平間配水所上平間管理公舎用地に「中部学校給食センター」、幸区の南部市場北側の用地に「南部学校給食センター」(名称はいずれも仮称)の設置を予定。
南部市場周辺
1日当たりの給食の数としては、北部センターで約6000食、中部センターで約1万食、南部センターで約1万5000食を調理。自校方式を採用した宮前区の犬蔵(いぬくら)中学校は約600食、多摩区の中野島中学校は約900食、小学校と合築(がっちく)の、はるひ野中学校(麻生区)・東橘中学校(高津区)は中学生の分だけでそれぞれ約500食と約1000食を想定している。
宮前区の犬蔵中学校と多摩区の中野島中学校が校内に給食室を設置する「自校方式」を採用した理由について、森担当課長は「センターが調理できる給食の数と、配送エリアの問題」と説明する。
森担当課長によると、給食を調理するには、一般的に平均して1食当たり1平方メートル必要だと言われているという。
人数分を調理するスペースなどが問題(フリー画像より)
センター予定地の敷地は北部約2700平方メートル、中部約7200平方メートル、南部約8700平方メートルで、いずれも2階建てにするなどして対応するが、限界はある。
また、給食は「調理後、2時間以内に食べなければならない」という基準があるため、配送エリアも限られる。
そこで、市が調査した結果、2校については学校に調理室を建設できるだけのスペースがあったため、自校で調理室を作って対応することにしたのだという。
小学校と合築の、はるひ野中学校(麻生区)と東橘中学校(高津区)は、もともと設置・計画してある合築校舎内の給食室を使って調理する。