惜しまれつつ1月25日に閉館した新高島の商業施設「GENTO YOKOHAMA」、当日の様子をレポート!
ココがキニナル!
109シネマズMM横浜が1月25日に閉館する事が決定しました。跡地は何になる?(thaiさん)/施設ができるまでの経緯や、閉館時の様子もレポートお願いします。(KUMIさん)
はまれぽ調査結果!
閉館当日は閉館を惜しむ来場者もいれば、閉館することを知らない人も。敷地は更地にして横浜市に返却される。今後の利用方法は未定。
ライター:すがた もえ子
みなとみらい線新高島駅から地上に上がったところにある商業施設「GENTO YOKOHAMA(ゲントヨコハマ)」が、2015(平成27)年1月25日(日)にその歴史に幕を降ろした。オープンしてから10年、想い出がある人も多いと思う。
今回はたくさんの人々に愛されたGENTO YOKOHAMAの最終日の様子をうかがってみることに。
閉館当日のGENTO YOKOHAMA
GENTO YOKOHAMAって、どんな施設?
GENTO YOKOHAMAは「みなとみらい21地区53街区、総合エンターテインメント施設」として2004(平成16)年11月25日にグランドオープン。東急不動産株式会社、三菱地所株式会社が共同でシネマコンプレックス・アミューズメント棟を建設・運営を行ってきた。棟内にはシネマコンプレックス「109シネマズ MM 横浜」、横浜発祥の「もののはじめ」がテーマのアミューズメント施設「横濱はじめて物語」のほか、レストランやショップなどが入居。
敷地内には株式会社テイクアンドギヴ・ニーズがハウスウェディング「ベイサイド迎賓館・ベイサイドガーデンクラブ」を、株式会社東京放送がライブハウス「横浜BLITZ」2013〈平成25〉年10月14日に閉館)を開設・運営し、開業当初は3つの棟で構成されていた。
竣工当時のGENTO YOKOHAMA
施設名の「GENTO」(ゲント)は、“GENKI”(元気)な“ENTERTAINMENT”(エンターテインメント)の“OASIS”(オアシス)を意味する造語で、来訪者の方々に実際に体験し、楽しんでいただくことによって、ますます「元気な笑顔」になってほしいという思いが込められており「GENTO」を並べ替えれば「GO!ENT(ENTERTAINMENT)」となり「エンターテインメントに行こう」のメッセージも隠されていたのだそうだ。
このGENTO YOKOHAMAは恒久施設ではなく、横浜市から貸し出された土地を利用した暫定施設。当初、土地の借用期間は開業より10年間の予定だったが、利用者から好評たっだため、借用期間を1年間延長することに。そして2015年1月25日(日)に幕を閉じることになったのだ。
GENTO YOKOHAMAへ到着!
最終日ということもあり、この日は多くお客さんでにぎわっていた
施設のあちこちに「ありがとう」のポスターが貼られていた
このロゴマークのデザインは、人々が喜び楽しんでいる表情がモチーフで、赤が「元気」を、青が「横浜の海」を表現している。
GENTOの最終日は2015年1月25日だが、運営に関しては各テナントに一任していたといい、すでに撤退が完了しているテナントもあった。
キニナル投稿でもいただいたコチラのお店
雑貨屋さんの「HUMPTY DUMPTY」さんは2015年1月12日で閉店していた。
サンクスもすでに閉店
閉館について、担当の方からお話をうかがった。
今回ご対応いただいたのは、 GENTO YOKOHAMAの管理・運営を担当する東急不動産SCマネジメントの佐藤玲智さん。
よろしくお願いいたします
「2014(平成26)年の11月1日に閉館を告知してからファイナルセールを開始したんですが、かなり早目の段階で昨年を超える売り上げを達成するほどの反響をいただきました。109シネマズさんでは過去の名作映画を500円で上映したりして、とても好評だったようです」と佐藤さん。
「年間60本、10年間の通算で600本の映画を観ていたというお客さんから、今後どこで映画を観ればいいだろうという声もいただきました」というのだから、愛されっぷりがうかがえる。
みなとみらい地区の商店会にも参加していたそうで、昨年行われたハロウィーンの仮装パレードの際は「はじめて物語」で仮装コンテストを開催し、盛況だったという。ただの複合商業施設ではなく、地域の方々に愛された施設だったようだ。
昨年の「仮装コンテスト」の様子
「お子さんのためのパレードだったんですけどね。なんだか親御さんの方が盛り上がったりして。我々運営側も仮装したりしましたよ」と佐藤さん。
GENTOが無くなってしまうので、今年からはパレードのコースも変わってしまうのだろう
最終日のGENTOの様子は?
カウントダウンが「0」に
最終日を盛り上げるべく、2011(平成23)年からGENTOのクリスマスイベントなどに出演していたという「パンランドスチールオーケストラ」によるライブが開催されていた。
GENTOでのラストライブ
「メンバーも映画を観に来たりしていた想い出の場所なんです」とのことで、力の入った演奏を披露。観客も多く集まり盛り上がっていた。
取材当日、カメラを手にし名残惜しそうに撮影している人々の姿も多く見られた。そんなお客さんにお話を伺ってみた。
109シネマズの看板をバックに記念撮影をされていたお二人
「2ヶ月に1度はここに映画を観にきていました。閉館すると聞いて、昨日も来ました。これからどこで映画を観ようかな」と語ってくれた可愛らしいお嬢さん2人組。
跡地については「ドッグランになったら嬉しいですね」
「閉館するということを今日知りました。驚いています」というのは、可愛らしい柴犬のアサガオちゃんをお散歩中の宗前(そうぜん)さんご夫婦。「近くに住んでいるんですが、一番近い映画館だったのでなくなっちゃうと不便になりますね」と残念そうなご様子。
「109シネマズの席の座り心地が好きで良く利用していました」というのは、あーちゃんさんとKJさんのお二人。
最近では「ベイマックス」を見に来たとのこと
ペアシートや、座席の高さなどがとても気に入っていたそうで、これからどこで映画を観ようかと現在開拓中だという。映画を観た後も、GENTO内で食事や買い物を楽しんでいたという。
「なくなっちゃうの、寂しいです」とあーちゃんさん。
皆さんそろって「これからどこで映画を観ればいいのか」とおっしゃるほど、109シネマズを中心とした GENTOは、利用者の生活に溶け込んでいた存在だったようだ。
ジョナサン ゲント横浜店
マネージャーの浅井友香さんにGENTOについて伺うと・・・
「ブリッツのお客さんにもよく利用していただきましたね。あとは、109シネマズで人気作品が上映されている間はお客さんに沢山来店していただけました。『アナと雪の女王』や『妖怪ウォッチ』の時はすごかったです。私はこの店のオープニングにも関わったので、なくなっちゃうのは寂しいですね」と話してくれた。
また、「横濱はじめて物語」さんには直接の取材はできなかったものの、コメントをいただくことができた。
店内は開港当時の横濱がコンセプト
「『横濱はじめて物語』はオープン以来、とても多くのお客様にお越しいただきました。開港当時の横浜をコンセプトに内装や制服などこだわるほか、『リアル脱出ゲーム』をはじめとしたさまざまな取り組みを行うなど、弊社内でも特別な店舗でした。
特別なのは見た目や取り組みだけではなく、特に“おもてなしの心”が強いお店でもありました。季節のイベントではお子様を対象にした料理イベントや、施設の皆さまと協力したハロウィンパレード、ほかにも数々のイベントを行い、事務所内にはお客様の笑顔の写真が、たくさん飾られています。
常連のお客様にも愛していただき、いつも暖かい笑顔に満ちていたのではと思います。今回の閉店については、再開発のため大変残念なことですが、これまでお越しいただいたお客様方に対し感謝の気持ちでいっぱいです。思い出の一幕となれれば幸いです。これまで本当に、ありがとうございました」
この雰囲気はほかのゲームセンターでは味わえない