「愛妻家」で「本屋さん」!? 本業が分かりづらい変な名前の不動産屋さんに突撃!
ココがキニナル!
六角橋商店街の「愛妻家」という不動産屋は、店主が愛妻家なの?(ときさん)、福富町の「末廣文庫」という不動産屋の壁に「泥棒さんへ!お金はありません 伊勢佐木警察署」とあります。(ryoryoさん)
はまれぽ調査結果!
風変わりな名前の不動産屋、「愛妻家」は不動産の鬱屈したイメージをやわらげることが発端。「末廣文庫」は高利貸しの金融王の会社名をオマージュ
ライター:クドー・シュンサク
なにをもって、の、名前なのか。
松田優作演じる「探偵物語」の工藤俊作に小さなころから憧れていたクドー・シュンサクがそれぞれの不動産業の会社に尋ねてみます。
「コーヒー飲んでいくから・・・あぁ」
六角橋の愛妻家
まずは東急東横線の白楽駅、駅前からのびる六角橋商店街にある「愛妻家」へ。
少女時代のユナの愛妻家と呼ばれるにはどうすりゃいいもんか、考えながら歩く。
看板も
濡れる
街角に
見事な淡さとやわらかい書体。独特な視覚感触を放つ有限会社。
愛妻家さんにおじゃまします
1997(平成9)年創業の有限会社「愛妻家」。不動産業を営む。名付け親の社長とその奥様、そして娘さんの家族3人で神奈川区と港北区の物件を中心、各種不動産物件を取り扱う。
もろもろのお話は娘さんの金子久美子さんがご担当
さっそくお聞きしたいところなので、愛妻家の由来を伺う。金子さんが言うには「父が考案した名前で、不動産業のカタくて仰々(ぎょうぎょう)しいイメージをやわらかくするのが目的だったようです」とのこと。
それにしても愛妻家。お父様ご自身が愛妻家というベタなオチではないと思いますが、メガネくん(編集部・宮城)はなぜか勇猛に「お父様が愛妻家ということですかね!」と尋ねた。金子さんは真顔。真顔。隣で作業中のお母さまがスッと言葉をはさむ。
「ぜーんぜんちがう」
全然、違う。違うなら仕方ない。付け加えてこれ以上聞くのもどうかなという室内のエアー感。外出中のお父さまが帰ってくるのを待つ。
そんな中電話が鳴る
お母さま、電話に出る。
「はぁい愛妻家でーす」
ネットで見つけた駅から近くの築浅1DK、川沿いのいい物件があったので電話を手にとり、記載の番号にコールをかけると電話先の人が「愛妻家でーす」とでる。
コントの導入のやりとりとしては最高。それが実際にある、有限会社愛妻家。
名前にまつわるエピソードをひとつ
「契約者と契約書を交わして保証人に書類を送ってもらったけど一向に返ってこなくてね、あんまりにもこないから確認いれたら保証人さんは戸惑ってたみたいで」
さてなぜでしょう。
「飲み屋かスナックの請求かなんかと思ったみたい」
愛妻家名付け親のお父さまが帰ってきました。再度名前の由来をお伺いすると「不動産のイヤなイメージ、カタいのとか嫌でね。人を踏みにじるような商売をするのが多いから、一種の線引きでもあるし、そういう商売はしないという決め事が私の中にあって名前から一般的な不動産と違う名前にしたかったのだよ」とのこと。
今一度、なぜ「愛妻家」にしたのか尋ねてみる。
「パッと出たもんですよ」(お父さま写真はNG)
ダーティーは嫌い。お金にならなくてもまともな商売がしたい。結果、パッとでた愛妻家と名付けた。そして若いころなら写真はいいけど、今は妖怪みたいだから駄目だとのことでした。
ちなみに、その名のインパクトに影響を受けたのか、「愛菜家」という会社も登場しているそうです。