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横浜に野生のハクビシンが急増しているって本当?

ココがキニナル!

保土ケ谷の実家でハクビシンを見かけると聞いてます。ハクビシンは、横浜に増えているのでしょうか。(Snoopyloverさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市内におけるハクビシン駆除件数は、ほぼ横ばい状態。目撃情報や捕獲地域は市内全域に渡っている。

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ライター:細野 誠治

野毛山動物園に聞いてみよう



このキニナル、筆者の地元(港北区)でも同様のことが言われています。
この間なんか実家に帰ったとき、オフクロが「夜、細長いタヌキみたいなのが電線渡ってた!」って言ってまして。

オフクロ、シンナーでも吸ってるのかな~? なんて思っていたら度々目撃情報が上がるようになり、近所の物知りが「あれはハクビシンだ」と(シンナーじゃなかった!)
 


こちらがハクビシン


・・・というワケでこのキニナル、非常に興味があります。今回の調査結果、実家のオフクロに知らせてやろうと思います。

まずハクビシンとはどんな動物なのか? を探るべく野毛山動物園へ。
 


大好き! 野毛山動物園


ハクビシン飼育担当の二見(ふたみ)美鈴さんにお話を伺ってみる。
 


担当の二見さん(年齢はナイショ)
 

ハクビシンは順路から6番目、左端の檻に
 

チュウ(♀)、チビ(♀)、ダイ(♂)の3頭が飼育されている


ハクビシンはネコ目ジャコウネコ科に属しており(猫の仲間ではなくジャコウネコの仲間)、本来は日本にはいなかったであろうと思われる外来種の動物。
恐らくは毛皮を採取するため明治期に流入したと考えられている(確定できる資料が現存しておらず分からないそうだ)。

体長は50~70cmほど。夜行性で木登りが得意、木や地面に空いた洞穴などを巣としている。
 


額から鼻にかけて白い筋が通る。だから白鼻芯(ハクビシン)
 

雑食で特に果物を好む。野毛山ではリンゴ、サツマイモ、馬肉を餌としている


二見さんによると、ハクビシンの交配期は年に1度で2~3頭の子どもを産むという。
・・・それって、すぐに増えちゃう気がするんですけど。

「年に3~4件、動物園に『ハクビシンが家に巣を作って困ってるんですが・・・』という問い合わせがありますね」と二見さん。
「市役所の環境創造局動物園課にご相談くださいと申し上げています」

なるほど、動物園課か。次の取材先が見えた。
「ここにいるこの子たちも、実は(横浜の)西区で捕獲されたんです」
 


驚いた。野毛山動物園のハクビシン、ハマっ子だった!


二見さんにお礼をし、管理事務所へ。
 


普及・広報担当の櫻堂さんの櫻堂さんにもご挨拶を・・・すると・・・


「ハクビシンはよく見かけますよ。すぐ近く、夜とか野毛山公園でも目撃しますし」と櫻堂さん。
これは、思っていた以上にたくさんいるのかも。
 


ラクダのツガルさんにご挨拶して野毛山を後に。また来ます!


というわけで自分の目でハクビシンを見ようと思い、目撃証言のあった野毛山公園に出かけてみた。
 


怪しい探検隊、深夜の野毛山公園へ
 

雨のなかハクビシンを探してみる


いない・・・。すると公園内で犬を散歩させているご婦人に遭遇。
近所にお住まいのAさん(仮名)に「ハクビシンを探している」と告げると、「年に数回、この辺りで見かける」とのこと。両手を広げて(70cmくらい?)「結構、大きいのよ」と。

やっぱり横浜市内、結構、棲みついているんだな。
 


暗闇から犬がスッ飛んできて心臓止まりそうになる・・・
 

この夜、ハクビシンを見つけることはできなかった




横浜市環境創造局動物園課に聞いてみよう



今度は行政の側から市内のハクビシンの現状について聞いてみよう。
 


向かったのは市庁舎正面の関内中央ビル


こちらの7階に横浜市内の動物に関するセクションが。
 


環境創造局・動物園課がある


お忙しいなか、担当係長の恩田英治氏(40歳)と堀哲(さとる)氏(43歳)のお2人にお話を伺った。
 


残念ながら、お2人とも写真はNG


こちら動物園課、かなり多忙な様子。ほかの職員の皆さんが電話応対に追われていた。貴重なお時間を割いていただいている・・・。単刀直入に聞いてみよう。

横浜市内でハクビシンは増えているんでしょうか?
「よく、市内で、増えているのか? というお問い合わせをいただくのですが、私どもでは正確な数字を把握しているわけではないんです。数をカウントしてはいませんでので」と恩田氏。

なるほど。では年間の駆除件数はいかがでしょうか?
そう水を向けると、ここ4年間の「ハクビシン駆除件数」を見せてくださった。
すると・・・。
 

平成23年度 263頭
平成24年度 321頭
平成25年度 213頭
平成26年度 157頭


平成26年度は今年の3月末まで。あと2ヶ月を残しているものの平成24年度をピークにして減少傾向にある。
 


あれ? 減ってる・・・?


ただ、動物園課の見解としては捕獲数に微増・微減はあるものの「ほぼ横ばい」だそう。想定の範囲内ということか。では「保土ケ谷の実家でよく見かける」と投稿があったように相談や捕獲などが多い地区というのは、どこになるんでしょう?

「ハクビシンに関して多い地区、少ない地区というのはまったくありません。市内全域、まんべんなく被害相談や駆除件数があります」
 


市内全域、まんべんなく。野毛山動物園の3頭も西区だったしな・・・


「相談件数は年間で約1000件です。最初はどんな動物なのか分かりません。現場に行ってみたらネズミやアライグマだったり、ハクビシンだったりと。駆除業者が行ってみて、の総数が約1000件です」

そんなに件数があるんですか!?
「相談がない日は、ありませんね」
どうりでデスクの電話がよく鳴るわけだ・・・。

では最後に、相談から駆除の流れを教えてください。
「まずはお電話をいただきまして、現状の聞き取りをお伺いします。どのような被害に遭われているのか? 屋根裏に住み着かれた(物音や糞害、臭いなど)とか、庭の果樹を食い荒らされたなどです」

ハクビシンは鳥獣保護法の範疇(はんちゅう)に含まれる動物のため、明確な被害が無い限りは捕獲や処分ができないそうだ。
 


動物園課でいただいた被害対策の手引書


また、木酢液(もくさくえき)の刺激臭を嫌い、被害の出ている箇所に撒くといなくなる、ということがあるとか。それでも効果がない・・・ということになると市が委託をしている駆除業者に連絡をし、捕獲・駆除をしてもらえる。料金は市が負担をしてくれるため無料だ。
 


捕獲用の檻(罠)。全長約1メートル、重さ2kgほど


檻(罠)を設置しハクビシンがかかるのを待つ。期間は2週間。この期間内に捕まらなかった場合は動物園課が被害者に対して「捕獲許可」を出す(申請から5~7日で許可が得られる)。
捕獲用の檻(罠)は被害者が購入負担をするか、動物園課が貸し出しをしてくれる。

なるほどな~(「料金は無料」っていいよね、横浜市)。

野毛山、市役所とハクビシンを追ってきて何となく親近感。「飼ってみたいな」なんて言葉を口にすると・・・。
「ハクビシンは飼えません!」と恩田氏。
 


堀氏にハクビシンについてマニュアルをいただく


前述した通りハクビシンは鳥獣保護法の対象動物。日本にいる野生の鳥獣は許可無しに捕獲することができない。許可の降りる条件は「研究目的」など一部のケースを除き、駆除目的でのみ許可が得られる。
駆除目的での捕獲である以上、捕まえたら処分をしなければならない。だから飼育することは不可能なのだ。

外来種、ではないんですか?
「国(環境省)としてはハクビシンが外来種だとは明言をしていません。研究者の間でも在来種だという説もあれば、明治期に毛皮需要のために輸入されたのだと意見が分かれています。市としてあくまで国の指針に則っています」
 


外来種? それとも在来種?


つくづく不思議な動物だよな、ハクビシン。
「気づいたら、近くにいた」なんて、少女漫画じゃあるまいし・・・。