教員免許偽造!?疑惑の副校長、その真偽とは?
ココがキニナル!
横浜サイエンスフロンティア高校で起きた、教員免許偽造事件の詳細を教えてください。
はまれぽ調査結果!
副校長が学歴を詐称し、教員免許を偽造していました。動機は不明の為、真相を解明すべく今後とも追っていきます。
ライター:河野 哲弥
2007年6月に成立した改正教育職員免許法により、教員免許は一昨年の2009年から10年ごとの更新が必要となった。文部科学省のサイトでは、この制度は「不適格教員の排除を目的としたものではありません」と明言しているが、計らずとも不適格教員を排除する事件が起こったようだ。
横浜市の教育委員会は2011年7月29日、数学の教員免許状授与証明書や東京大学の卒業証明書など計5通の証書を偽造したとして、市立横浜サイエンスフロンティア高等学校の川井幸男副校長を停職6か月の懲戒処分にした。
川井氏が実際に卒業したのは横浜市立大学。
英語の教員免許しか持っていなかったにも拘らず、実際は数学を教えていたそうである。
早速、市立横浜サイエンスフロンティア高等学校へ取材を申し込んだが、佐藤春夫校長は不在とのこと。
そこで、川井幸男氏が以前在籍していたという県立柏陽(はくよう)高等学校へ、その人となりや授業の様子などを聞いてみることにした。
佐藤春夫校長と川井氏は、実は旧知の仲だったことが判明
両名が在籍していた、県立柏陽高等学校の正門前
対応頂いたのは、上遠野(かとうの)校長。
問題の川井氏は、確かに2005年から2010年まで在籍し、うち2006年からの3年間は数学の授業を受け持っていたとのこと。このことは読売新聞の発表にも出ていて、その前年の2005年、単位と関係のない数学の補習授業を受け持ったことをきっかけに、その翌年度から正式に数学の授業を受け持ったと報じている。
では、実際どのような人物だったのだろうか。
上遠野校長によれば、川井氏は有能な先生として生徒からの評判もよく、学校の役員などで行われる授業観察でも「素晴らしい」との評価だったそうだ。こうした数学面での進学に対する貢献から、川井氏は2009年に同校の教頭に就任している。
それにしても、数学の授業を正式にはじめる際、学校側は免許の保有を確認しなかったのだろうか。
上遠野校長に尋ねてみると、2007年に着任したときには、川井氏の数学教師としての評判は既に不動のものとなっていたそうだ。まさか無免許とは考えもしなかったらしい。
そこで、念のため前校長の名前を聞いてみると、驚くことに、例の横浜サイエンスフロンティア高校の佐藤春夫校長が前任だというのである。どうやら、問題の発端である2005年から2006年にかけて、どのような確認作業がなされていたのかが事件のカギとなりそうである。
取材を拒否する、横浜サイエンスフロンティア高校
事件が起きた同校の様子
ちょうどその時、横浜サイエンスフロンティア高校佐藤校長から記者のもとに電話がかかってきた。しかし、「マスコミは自分で作ったストーリーに沿って記事を書くので、取材には応じられない」とのこと。
疑問に思った川井氏との旧知の仲について質問すると、これは横浜市の教職員人事部が行った「交流人事」によるもので、一般企業のようないわゆる「引き抜き」を行った覚えはないと言う。
「交流人事」とは何なのか。また、2006年当時、川井氏の数学教員免許を確認したのかについて聞いてみると、「これ以上のことは、横浜市の教職員人事部へ聞くように」とのことで、電話での応答はそこまでとなった。少し不審に感じたところがあったので、同校へ向かい、外で張り込みを行ってみた。
夏休みの補習に来たという、同校の生徒
サイエンスフロンティア高校のマーク