市が発行する市債、『ハマ債5(ファイブ)』とは?
ココがキニナル!
横浜市が発行している市債『ハマ債5(ファイブ)』とは、どういったものですか?
はまれぽ調査結果!
個人で購入できる横浜市の債券で、公共施設などに使われる目的で年に4回発行されている。国債や定期預金より少し利率がいいのが特長。
ライター:吉田 忍
横浜市では、個人が購入できる5年満期の市債「ハマ債5(ファイブ)」を2002(平成14)年9月から発行している。
額面10万円で、購入単位も10万円。今回の発行条件は、表面金利が0.40%(税引き後0.32%)。総発行額は50億円。
現在発行されているのは、毎年度中に4回行われるハマ債5の2回目にあたり、9月9日(金)まで購入可能。
今年度分は、12月と来年3月にも発行される予定。
取り扱うのは銀行各社や証券会社の窓口。
購入対象者に「横浜市在住者のみ」といった条件はなく、限度の制限も設けられていない。
ハマ債5を実際に購入しているのは、個人やマンションの管理組合などの任意団体。
定期預金をするのと同じような感覚で購入していると思われる。
ちなみに、取扱い金融機関がすべてのハマ債5を引き受けるので、売れ残りはない。
最近、アメリカ国債の格付けが下がったニュースが話題になっているが、そもそも国債や市債っていったいなんだろう。
そこで、横浜市の市債発行にかかわる部署、横浜市財政局財政部財源課市債係にうかがった。
応対してくださったのは、河合利充さんと中村俊行さん。
河合係長の横には、ハマ債5のポスター
市の財政にかかわる部署の方だけあって、ひとつひとつの言葉の意味合いにも留意しながら誠実かつ丁寧に市債について説明してくれた。
資料を探し、細かい数字の確認に奔走いただいた中村さん
市債とか国債というのはそもそもどんなもの
国債とは、財政上必要な国家の債務を「おぎなうために」国が発行する債券のこと。つまり、税収などでは足りない分を、国債という有価証券を売って穴埋めし、利息をつけて購入者に返すといういわば国の借金である。
では、横浜市債「ハマ債5」とはどういったものなのか。
ハマ債5のリーフレット。この図柄は債券のイメージだが、券面は発行されない
横浜市では今年、総額1274億円の債券を当初予算に計上しているが、その中で唯一ハマ債5だけが個人で購入可能な債券である。債券は必要な資金を集めるために発行する有価証券で、横浜市ではハマ債5のほか、機関投資家だけが購入できる市債がいくつかある。
ハマ債5は、50億円が年4回なので、200億円分ということになる。
横浜市債ページではハマ債5を、「市民利用施設・公園・道路など、身近な公共施設の整備資金の一部を借り入れるために発行する債券」と説明。今後、長期間使われる公共施設の整備費などを、現在の市民と将来の市民がわけあって負担し、世代間の負担を公平にするために、長期にわたって返済していくという目的で発行されている。
このため、ハマ債5の使い道は厳しく制限があり、基本的には新規にできる公共施設の建設にのみ使われる。
たとえば、この象の鼻パークにもハマ債5が使われている。ほかには、ズーラシアなども
公共施設整備費の一部を5年満期の市債でまかなうのは、今年整備したものの予算の一部を5年後に支払うと思えばわかりやすい。国や横浜市といえども、見方を変えると会社や一般家庭の経済と同様なのだ。
たとえば、一般家庭で住宅を購入する場合には、ローンという借金をすることが普通だ。
ハマ債5は、公共施設の建築にのみ使われるものなので、住宅ローンと同じようなものと考えてもいい。