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三浦市の風情ある水族館「油壺マリンパーク」に突撃!

ココがキニナル!

油壺マリンパークのかわうそとの握手には何度も癒されました。久しぶりにHPを見たら500 円で体験できた握手会が1000 円に。水族館の維持とコツメカワウソを育てるのは難しいの?(0330riさん)

はまれぽ調査結果!

準絶滅危惧種のコツメカワウソの飼育環境は以前より大幅に改善! 2014年にカワウソに還元するために値上がりした。

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ライター:すがた もえ子

三浦市にある水族館「油壺マリンパーク」でカワウソと握手ができるというキニナルを発見。

カワウソとの握手、これはキニナル。

 

カワウソ(フリー画像より)
 

しかも、準絶滅危惧種とは将来的に絶滅する危険性があると判断された種。そのコツメカワウソを育てていくのは難しいのか、コツメカワウソとはどんな動物なのかさっそく調査してみることに。さらには、水族館の内部も見てみよう。

 

油壺マリンパークへは京急三崎口駅1番乗り場よりバスで15分ほど
 

取材に伺ったのは12月初旬。寒すぎず、青空が広がる絶好のお天気だ。

 

バスの本数は限られているので事前にチェックしよう
 

終点の油壺で下車
 

駐車場を出て左へ直線300メートル進むと、油壺マリンパークが見えてくる
 

現在の京急油壺マリンパーク(以下、油壺マリンパーク)は、1968(昭和43)年4月27日に京浜急行電鉄株式会社創立70周年記念事業として戦前の海軍潜水学校、戦後の神奈川県立三崎水産高校の跡地に建設された。
この近辺は、豊かな自然環境でもあり、神奈川県から「油壺自然環境保全地域」に指定されている。

 

ペット同伴誓約書を記入すれば、ペットと一緒に入園できる!
 

ペット同伴OKのため、園内には多くのワンちゃん連れの来園者の姿があった。園内にはドッグランも設けられていて、愛犬と1日中楽しむことができる。

 

こちらが入園料金表の一覧
 

神奈川県内在住の65歳以上の方は、住まいと年齢が確認できるものを提示すれば20%割引で入園することができる。
チケットカウンターにはお土産物売り場が併設されているので思わず最初に見たくなってしまうところだが、園内では時間ごとにアトラクションが開催されているので、効率よくすべてを見たい人は要チェックだ。

 

見たいアトラクションをチェックしてから動こう(油壺マリンパークHPより)
 



人気者・コツメカワウソはどんな動物?

 

油壺マリンパークのアイドル的存在だ
 

マリンパークの顔ともいえるのが握手ができることで話題になったコツメカワウソで、環境省などの学術団体が作るレッドリストにおいて、絶滅の危険が増大している「絶滅危惧Ⅱ類」に分類される希少動物だ。野生の生息数は完全には把握されていない。
野生での生息地域は主に中国、東南アジア、インドネシア、台湾など。マングローブの森や湿地帯に住んでいる。

今回は油壺マリンパーク総務部の中井洋美(なかい・ひろみ)主任と細根裕也(ほそね・ゆうや)さん、カワウソとアシカを担当している飼育部主任の横山みゆき(よこやま・みゆき)さんにお話を伺った。

 

中井さん(左)と細根さん。お忙しいところありがとうございます
 

コツメカワウソを展示するきっかけとなったのは、絶滅危惧種を展示したいという思いから。

 

「かわうその森 緑のトンネルゲート」
 

コツメカワウソのほかにもパーク内には多くの絶滅危惧種が展示されていて、かわうその森の敷地内には小川が流れ、里山を再現した環境が作られ、カメやカエルなど多くの小動物も生息している。

 

かわうその森には準絶滅危惧種フクロウや
 

準絶滅危惧種ユビナガコウモリ(油壺マリンパークHPより)
 

準絶滅危惧種ニホンモモンガも(油壺マリンパークHPより)
 

油壺マリンパークには現在オス5頭、メス4頭、合計9頭のコツメカワウソが飼育されている。

コテツ(オス)と大麦(メス)のカップルは繁殖に成功。嵐(あらし)、ネスタ、あられ、あずきの4頭の子どもを産んだ。
 


子どもたちのうち3頭は隣の厩舎で飼育されている
 

ネスタ(オス)、あられ(メス)、あずき(メス)は止まることなく走り回り、泳ぎ、はしゃぎまわっていた。

 

嵐(オス)のみ人工飼育で育てられたため、別の厩舎で飼育されている
 

なぜ嵐だけ別に育てられているのかお伺いしてみると、4頭の中で嵐が一番体が大きく、お母さんの大麦のおっぱいを独占してしまい、ほかの兄弟たちに栄養が行き渡らなくなってしまうという心配が出てきてしまったため。
嵐は人間の手で育てられたので、ほかのカワウソたちの中に返せないのだという。

 

ダンデ(オス)とフク(メス)
 

こちらも繁殖目的でペアリングされており、カワウソとの握手(指タッチ)で活躍している2頭になる。将来は可愛い赤ちゃんを見られるかもしれない。

 

ごま(オス)
 

こちらは単体展示されている。だいたい寝ていた。

油壺マリンパークではコツメカワウソの飼育を始めてから2015(平成27)年で6年目になり、繁殖にも成功した。
コツメカワウソの野生での寿命はよく分かっていないが、飼育環境だと10〜15年ほどといわれている。

 

毎日午後2時ころからカワウソのお食事タイムがある
 

コツメカワウソは何でも食べるが、ワカサギやアジなどの小魚とペレット(キャットフードのようなカワウソ用のドライフード)を与えている。
季節によって食べる量は変化し、1日に食べる量はよく食べるカワウソで、冬は魚700グラム+ペレット、夏は魚400グラム+ペレットを食べている。

名前に関して、なぜ“コツメ”カワウソというのか伺ったところ「名前の通り爪が小さいからです」という答えが返ってきた。
コツメカワウソは指先が器用で、水掻きはあるが人間のように物を片手で掴んで持ち上げたり、魚を両手で掴んで食べたりできるという。

 

コツメカワウソの手
 

「イタズラ好きで指先が器用なんで、以前厩舎にパッキンを使っていた所、全部はがしてしまったことがあるんです」と飼育担当の横山さん。そのため現在の厩舎はパッキンを利用しないものになっている。

コツメカワウソは爪が小さいところが名前の由来だが、カワウソの中には爪が無い種類もいて、ツメナシカワウソという名前が付けられている。

好奇心旺盛なコツメカワウソは、ちょっとした隙間に手や指を入れるのが大好き。少しでも隙間があると手を入れたり、ゴミを詰め込んだりして遊ぶという。何にでも興味をしめし、非常に好奇心が強い性格が特徴だ。

油壺マリンパークの名物となっているカワウソとの握手は、こういったカワウソの習性を利用して実現した。