川崎区の小田公園にあった「巨大な山」が姿を消した経緯とは?
ココがキニナル!
川崎市川崎区にある「小田公園」に以前は「山」がありました。50年くらい前に造成された人工の山ですが無くなってしまった経緯などがキニナル!(QZさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
1964年に小田公園に設置された「山」が撤去されたのは2011年。その場所は「じゃぶじゃぶ池」に変わった現在も子どもたちでにぎわっている。
ライター:福原 麻実
公園に人工の山があったという小田公園。その山の正体もキニナルが、それがなくなってしまったのだという。遊具の撤去は老朽化などでよくあることだと思うが、山の撤去。いったいなぜ? 公園の現在と過去の姿は?
現在の小田公園の姿は?
小田公園は川崎市川崎区小田4丁目にある公園。南武線川崎新町駅から歩いて11分。JR川崎駅から臨港バスで行くこともできる。
最寄駅は川崎新町駅のようだ
こちらが小田公園バス停。すぐ左側は小田公園のグラウンド
公園の「山」はどこにあったのだろう? そしてそこには今、何があるのだろうか? 公園内を歩いてみることにした。
グラウンドの隣は広場のような場所が
ここでは自転車の練習をしているらしき小さい子や、小型犬を散歩させている女性の姿があった。女性に話を伺うと「お天気のいい日は、午前中とかにね、もっといっぱい子どもさんがいるんですよ」とにこやかに教えてくださった。
「山」についても尋ねたが「いつからあるか分からないけど、私が越してきた30年くらい前にはありましたよ。今はなくなって、水場になってますけどね。きれいになってますけど、ああいう大きな山はほかではなかったから、もったいない気もしますね」とのことだった。
かつては山だった水場。どんなものなのだろう。遊具のあるスペースに、さらに歩いた。
いろいろ遊具が見える
青いところが、女性のおっしゃった水場だろうか。そして右側に山のようなものが見えるが、これは件の山とは別物なのだろうか。
お子さん連れの女性にお話を伺うと、写真右側の山は「スライダー」と呼ばれるもので、件の山は今「じゃぶじゃぶ池」という池になったのだという。
以前の山についてもご存じだったが「かなり古かったですよね。愛着がある人もいるでしょうけれど、リニューアルで遊びやすくなって良かったです」とのことだった。
この図の青い「じゃぶじゃぶ池」のところに、かつての「山」があった
冬場は水を張っていないようだ
池に下りてみると、見た目はコンクリートに色を塗ったものに見えるのに、ふわふわとした、靴が沈むような感触がした。
池の底に立つというのは、なんだか不思議な感じ
川崎区へ
最初にお話を伺った犬の散歩中だった女性は「山」を「小山」と呼び、次に話しかけた女性は「滑り台」と呼んでいた。ほかにも何人かに尋ねたが、決まった呼称はないようで「石の滑り台」「築山」といろいろな呼び方で呼ばれているようだった。
以前あったという、その「山」はどんな姿をしていたのだろう? それを知るべく、川崎区役所道路公園センターへ向かった。
川崎区役所道路公園センターの住所は大島一丁目なので、何も考えずに川崎鶴見臨港バスの「大島一丁目」バス停で降りた筆者は・・・
20分ほど道に迷ってから
到着した(「大島四丁目」バス停からたった1分で着く・・・)
お話を聞かせてくださったのは、整備課の秋元由行(あきもと・よしゆき)さん、渡辺淳一(わたなべ・じゅんいち)さん、齋藤仁成(さいとう・よしあき)さん(写真はNG)。
小田公園の広さは2万3477平方メートル(横浜スタジアムが2万6200平方メートル)。古い公園で、1949(昭和24)年に整備されたのだという。「戦災復興計画の一環」と秋元さんは話してくださった。
戦時中の爆撃による被害が甚大であった川崎市は、1946(昭和21)年に国から指定された「戦災都市」に含まれている。