三浦に一足早い春、「河津桜祭り」をレポート!
ココがキニナル!
三浦の河津桜祭りが気になります。東京から近いので、本気でPRすれば本家の伊豆を超えられるんじゃないかと。現地はどのくらい盛り上がっているのでしょうか(ときさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
期間中30万人以上の人が訪れる三浦海岸桜祭り。2016年は開花が早い。お花見は早めがお薦めだ
ライター:やまだ ひさえ
三浦海岸に一足早い春が来た。
すでに満開 (2月21日撮影)
2016年で14回目を迎える「三浦海岸桜祭り」が、2月13日から3月13日までの予定で始まった。期間中は、毎年約30万人が一足早い満開の桜を楽しみに、三浦海岸へ足を運ぶ。
桜祭りパンフレット
期間中は駅の看板も桜仕様に
初日には三浦海岸地域キャラクター、河津桜の妖精「みうらん」も登場
例年なら桜祭り開始時は1分咲き程度なのだが・・・
開始1週間で満開に
「三浦海岸の花咲か爺さん」
三浦海岸の桜は、駅から小松ヶ池(こまつがいけ)公園までの1kmほどの間に、約1000本の桜が植えられている。
なぜ三浦海岸に桜を植えようと思ったのか「三浦海岸まちなみ事業協議会」の創設期からの一員であり、「三浦海岸の花咲か爺さん」と呼ばれている長島滿雄(ながしま・みつお)さんに聞いた。
「三浦海岸の花咲か爺さん」長島さん
同協議会は、三浦海岸一帯の活性化を目的に1997(平成9)年に発足。夜になると薄暗くなる駅を明るくするために、同年のクリスマスにイルミネーションを計画。山から桜の木を切ってきて点灯を始めた。
桜があった場所。今は撤去されている
点灯用のために根がなく花の咲かない桜だったが、それを知らない市民から「花が咲くのが楽しみ」という声が聞かれるようになった。
その声に応えようという動きが起こったときに、長島さんが提案したのが早咲きで花持ちも良く、三浦海岸の気候とよく似た静岡・伊豆の「河津桜(かわづざくら)」だった。
河津桜でまちおこしを!
同協議会のメンバーが河津市を訪問したが、「河津桜は門外不出」と一度は断られた。しかし、「河津桜でまちおこしを」という熱意に打たれ生産農家を紹介してもらえた。
1999(平成11)年1月、350本の苗木が届けられ、植栽が始まった。
植栽は自分たちで行った (提供:長島さん)
その後、「桜でまちおこし」のことを知った元新聞記者の小池吉清(こいけ・よしきよ)さんや京急などから苗木が寄付され、5ヶ年計画で1000本の桜を植える予定を4年で達成。
2002(平成14)年、念願だった桜祭りの開催にこぎつけた。
寄付された大寒(おおかん)桜は公園内に植えられた
大寒桜は、河津桜に次ぐ早咲きの桜。桜でまちおこしをという長島さんたちの願いを叶えた贈り物だ。
三浦海岸の桜といえば、桜のピンクと菜の花の黄色のコントラストの美しさで知られている。
ピンクと黄色の並木
毎年、桜の開花に合わせて一人で菜の花の種を植えているのが長島さんだ。
毎年、きれいな花を咲かせる
立派に桜の木が成長した今でも、長島さんは、毎日、桜並木に足を運び、手入れを欠かさない。
「長島さんに用があるなら桜の所に行け」とご近所さんが言うほど、情熱を傾けるその姿は有名。「三浦海岸の花咲か爺さん」と親しみを込めて呼ばれている所以だ。
花咲か爺さんが丹精込めた桜が、今年も美しい花を咲かせている。