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川崎で名を馳せた幻の「アホーメン」とは?

ココがキニナル!

川崎の市役所通りにあった萬楽が閉店してしばらく経ちました。アホー麺が懐かしく、また食べたいです。再開の予定はないのでしょう??(たぬ吉さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

現状、萬楽の再開予定はなさそう。アホーメンのインスパイア系ラーメンが食べられる「新世本店」と「宝来軒 三代目」のニンニクラーメンを実食した。

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ライター:カメイアコ

川崎区宮前町にあった萬楽(ばんらく)という中華料理店で提供していたアホーメン。アホーってなに? と、きっと聞き飽きるくらいの数の質問が飛んだことだろう。

 

アホー(ajo)とはスペイン語で“ニンニク”
 

その名の通り大きなニンニクがゴロゴロと、1杯のラーメンに1株分入っていたそうだ。みそ味のタンメンで、強烈なインパクトのある味だったと言われている。

 

2011(平成23)年、萬楽は閉店(現在は駐車場に)
 

商標登録をしていたアホーメンは日本からその姿を消すこととなり、残念がるファンも多い。

そしてはまれぽ編集部にも・・・

 

にんに君(編集部・小島)
 

「亀井さん、アホーメンを探しましょう!」

こうなったにんに君を止められる者は誰もいない。



萬楽のルーツをたどる



まずアホーメンが川崎市民にとってどのような存在だったかJR川崎駅前で25人に聞き込みを開始した。結果、10~20代と川崎出身者ではない方は知らないようだった。そこで30代以降、川崎出身の方に絞ってお話を伺うことに。

 

代表的な意見はこちら
 

お店の名前は憶えてなくても、アホーメンと聞くと「あぁ」と反応してくれる人も多かった。ただ、5年前に閉店していることもあり、なかなか知っている人に出会えない中・・・

 

「それなら、たちばな通りで聞いたらいいと思いますよ」
 

と50代男性の情報をもとに、場所を移動して聞き込み続行。

 

「シューズショップ タナカ」のご店主にインタビュー
 

「以前はこの商店街でご主人が1号店を営んでいました。商店街の組合にも入っていたので交流があり、まじめで優しい方でしたよ」とご店主。

「市役所も近いので、お昼時にはよく行列ができていました。私たちも出前を頼んだこともあります。ただ、ニンニクたっぷりですから仕事が終わった後や翌日休みの時に食べていました」とのこと。

 

続いて、同通り沿いの「丸豊商店」へ
 

「ご主人が体調を崩されたり、事情があって辞められたようですね」

奥さんと息子さんでお店を切り盛りしていたそうだ。店を手伝っていた人もいたようだが、年齢を考えるとほかに店を構えている可能性は低いことが予想された。

 

懐かしいものですね、と丸豊商店の店主
 

「アホーメンと餃子(1個のサイズが大きいのが特徴)、みんなこの組み合わせを頼んでいました」

さまざまな人に話を伺っていく中で、復活の可能性は極めて低いように感じた。ここで調査終了か・・・に思えたが、商店街の組合に加盟していたこともあり、中華料理系の組合にも積極的に参加されていたのではないかと考え、あるお店のドアを叩くことにした。




ようやく食べられるのか、ニンニクのラーメン

 

大師線産業道路駅から徒歩5分。川崎区にあるラーメン中華食堂「新世(しんせい)本店」
 

三神祐司(みかみ・ゆうじ)代表取締役
 

三神さんは「かわさき餃子舗(ぎょうざほ)の会」副会長も務める
 

新世は、1987(昭和62)年創業の中華食堂。川崎、横浜に4店舗を展開していて、2016年5月には川崎市宮前区に5店舗目がオープン予定だ。ボリュームいっぱいでリーズナブルな価格がサラリーマンやファミリー層のハートをわしづかみにしている。

「萬楽のご主人とは中華料理組合の大先輩でした。私自身も中学生のころからアホーメンを食べに行ったものです」

 

広い店内は40席ある
 

萬楽のご主人と交流があり、アホーメンに慣れ親しんだ方にようやく出会えた。アホーメンの第一印象は、素直に「おいしい」というものだったそうだ。

「サラリーマン時代に週末、飲みながらアホーメンを食べたり、転職後もたまに無性に食べたくなって通ったりしましたね」

 

「ちなみに私の店にも、ニンニクを使用したラーメンがあります」
 

2012(平成24)年にニンニクを使用したガッツリ系の「にんにくラーメン」を商品化したという。もしかして、アホーメンを再現している・・・?

「にんにくラーメンを開発中に萬楽さんが閉店され、アホーメンが食べられなくなったと寂しくなりました。使用している具材はアホーメンを意識したものを使用。リスペクトしつつも、自分たちの味を表現しています」

「にんにくラーメン」という新しいジャンルを切り開いているということだった。

 

「ニンニク・・・ニンニク!!」と急かすにんに君
 

「にんにくラーメン(667円)」
 

鶏から丁寧にアブラをとり、しょうゆベースのタレと合わせる。麺は製麺所で作られたオリジナルの中太麺。少しピリッとするコショウも食欲をそそる。

 

目を離したすきにもう食べてた
 

中太麺が、野菜とスープをしっかり持ちあげる
 

粒のニンニクを半株使用。味は意外にもあっさり系だが、鼻にニンニクの香りがすっと抜けて、麺をすする手が止まらないにんに君。

 

ニンニク指数は初心者から中級者向け
 

しんなりするまで炒められたタマネギの甘みがスープに溶け、焦げ目がついた香ばしいニンニクが絶妙なアクセントを与える。深めの器を使っているので最後までアツアツなのもうれしい。

 

「ニンニクを敬遠している人ほど食べてもらいたいっすね」
 

自信作という「にんにくチャーハン(667円)」もいただく
 

A5ランクの牛の脂を丁寧にこすことで、普通の油では出せない甘みと香り、コク深さがでるとのこと。スライス、おろし、フライドと3種類のガーリックを使用するこだわりっぷりだ。

 

普通盛りで500グラムという破壊力
 

思わず白目になっちゃう
 

あっという間に完食
 

ご紹介いただいた餃子マップの中で、ニンニクを使用したラーメンを提供しているお店を目ざとく発見するにんに君。次の目的地、新川崎へ。