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市営バスに隠れボタン? 低すぎる謎の位置にあるボタンの正体は?

市営バスに隠れボタン? 低すぎる謎の位置にあるボタンの正体は?

ココがキニナル!

市営バスのこの停車ボタンは誰が押すために設置したのか?低すぎて今まで気づきませんでしたが、キニナル?(はまっこ045さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

座席下に設置された降車ボタンは車イス利用者専用だった。2015年版の新“ノンステップバス”を大解剖!

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ライター:カメイアコ

キニナルに投稿された1枚の写真から始まった今回の調査。

 

座席の下にボタン・・・だと?
 

しかしよく見つけたなぁ~とひとしきり感心。で、どうやって押すわけ? と疑問が湧いてくる。もしかして合成なんじゃなかろうか、なんて疑念もぬぐえないので、早速、横浜市交通局へ突撃だ!

 

お話を伺ったのは
 

横浜市交通局自動車本部運輸課の須藤勝(すどう・まさる)車両係長(写真右)、同課車両係の荒木大伸(あらき・ひろのぶ)さん。

キニナルに投稿された写真をご覧いただき、「こんな場所にボタンなんてないですよね~」と言うと、「ありますよ。よく見つけましたね! これは車イスを利用しているお客様のための降車ボタンです」との回答が。

 

車イス利用者専用の降車ボタンだったと判明!
 

実際に見せてもらうことなんて・・・できないですよねぇ? と一応伺ってみると、「いいですよ! 浅間町営業所に行ってみましょう!」とご快諾いただく。言ってみるものだな。

 

バス、ずらり
 

2015年度に購入したという新モデルのバス!
 

「横浜市営バスの9割は“ノンステップバス”を使用しています。国土交通省の定めたバリアフリーの基準を満たしたバス(標準仕様ノンステップバス認定車)で、2015(平成27)年度に改訂された基準に対応した新しいバスも走っています」

 

ハイブリッド車のノンステップバス
 

前モデルの2005年版(05〈ぜろごー〉版)から10年経ち、昨年度15(いちごー)版が登場。新しいモデルの“ノンステップバス”として、現在20台の新型バスが横浜市内を走っている。

バスの寿命は約15年だそうなので、05版も現役引退まで走り続けるという。バスは1台2000万円前後(税抜)ほど。毎日、乗務員さんが運行前点検を行って使用している。

 

15版のステッカーはピンク
 

05版はグリーン
 

認定車を示すステッカーは車体の前後、左側面の3ヶ所にステッカーが貼られているので、今度利用するときに注意して見てみよう!



ついに、ボタンの秘密が明らかに!



「では早速、ボタン見てみましょうか!」と須藤車両係長。

 

「こちらです」
 

投稿にあった通り、座席の下に降車ボタンがついていた!
 

スロープ付きのバスが出始めた1995(平成7)年~1996(平成8)年くらいのバスから、車イス用専用のボタンを設置。現在ではほとんどの市営バスについているという。押しやすいようにメーカーに相談して、現在はボタン部分が突き出たタイプのものを採用しているそうだ。

当時は、バリアフリー対応をするために、車イス利用者が乗車できるよう跳ね上げ座席が開発されたという。それに伴い、座席下にボタンが設置されたとのこと。

現在はこのボタンを利用するバス会社もほかにあるかもしれないが、横浜市営バスがメーカーにお願いし開発したそう。

 

車イス利用者が乗れるように、座席を上げると
 

下方にあった降車ボタンが上方へ
 

ボタンが出っ張っている理由については「車イスに乗っている方が押しやすいようにするためです。通常のボタンは押す部分が引っ込んでいますが、車イス利用者に手の不自由な方もいるので、ひじや手の甲でも推せるように、押す部分の出っ張ったボタンを使用しています」とお話いただく。

 

ボタンの押す部分が出っ張っている。かなり押しやすく感じる
 

「ちなみに1995年~1996年ごろに出たバスには、座席を上げた時、ほかのボタンと同様にボタンがイスの側面に横向きになるようついていたのですが、現在はより押しやすいように上向きに設置されるようになりました」と須藤車両係長。

 

ひじでも、手の甲でも
 

弱い力でしっかり押せる
 

車イス用の降車ボタンが押されると、運転席にある車イス専用降車ランプで知らされるので、乗務員さんの降車の手伝いがスムーズになる。

 

ボタンが押されると運転席でサインが点灯
 

「座席下にボタンがあると分かると、興味本位で押してしまう人もいるのでは」と問うと、「イタズラ防止のため、座席を上げなければ電源が通らない仕組みになっています」とのことだった。