夏の風物詩、戸塚区柏尾川の「灯篭流し」がなくなった理由とは?
ココがキニナル!
昨年あたりから、毎年柏尾川でやっていた灯篭流しと戸塚小学校の盆踊りがなくなりました。なぜ?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
スタッフの高齢化により、「柏尾川灯篭流し」が2015年から中止されたことと小学校の改修工事に伴い、盆踊りも中止。今後は「とつか夏祭り」に注力
ライター:はまれぽ編集部
「戸塚の灯」が消えた?
横浜市戸塚区の柏尾川で毎年8月16日に行われていた「柏尾川灯篭流し(かしおがわとうろうながし)」と、戸塚小学校のグラウンドで行われていた盆踊りを合わせた「とつか納涼大会」が2015(平成27)年から開催されていないという。
お盆らしい風景(戸塚区ホームページより)
「灯篭流し」は、死者の魂を弔(とむら)い、火を入れた灯篭を川に流すお盆の送り火の一種。横浜市内では柏尾川で唯一行われていた伝統行事に何があったのか。
幻想的な灯りが死者の魂を見送っているかのような光景(提供:戸塚区)
「灯篭流しについては、スタッフの高齢化と資金確保が困難になったことが開催をやめた理由と聞いています」と話すのは戸塚区総務部地域振興課地域活動係の細川一人(ほそかわ・かずと)さん。
写真はNGということで
細川さんによると、灯篭流しが始まった詳細な時期は不明だが、宗教団体「立正佼成会」が母体となって実施していた。しかし、前述の説明のように実施が困難な状態となったため、同会から中止の申し出があったという。
一方、灯篭流しと同じ8月16日に開催さえていた戸塚小学校の盆踊りは、同校の裏を流れる灯篭流しとともに1980(昭和55)年から「とつか納涼大会」として実施されてきた。
小学校の裏が柏尾川
当時を知る人の話によると、最盛期には踊り手だけでも300人以上参加し、人だかりが5重にも6重にもなっていたという。
明るいうちから大勢の踊り手が集う(戸塚区ホームページより)
灯篭流し中止の申し出によって納涼祭実行委員会では「盆踊りのみで納涼大会を戸塚の一大イベントとするのは困難」と判断。
2014(平成26)年の「第34回とつか納涼大会」(提供:戸塚区)
さらに灯篭流し中止初年となった2015(平成27)年に戸塚小学校のグラウンド改修工事が行われたことで、盆踊りのスペース確保ができなかったこともあり、柏尾川灯篭流しも戸塚小学校の盆踊りも中止に至ったのだという。
結果的に2014年が最後の納涼大会となった
細川さんは「灯篭流しについては政教分離の観点から、行政が継続をお願いすることはできない。盆踊りと納涼大会については、実行委員会の判断に準じた」と経緯を説明した。