崎陽軒が横浜市消防局とコラボした非常食用のレトルトカレーってなに?
ココがキニナル!
崎陽軒は横浜消防局と共同で非常食としてのレトルトのカレーを出しました。経緯を含めレポートお願いします。(もまさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
防災意識向上などを目的に横浜市消防局、崎陽軒、横浜ウォーカーのコラボで、非常食として活用できる「消防車型ローリングストックBOX」を発売
ライター:大和田 敏子
非常食用のシウマイカレー?
横浜市消防局と崎陽軒が共同で出した非常食用のカレー?
一体どんなものなのだろう。しかも、崎陽軒なのにカレーとは、なぜなのだろうか? さまざまな疑問が浮かんでくるなか、まずは、崎陽軒店頭で実際の商品を確認してみる。
横浜駅東口ジャスト1号館ティーラウンジ店。その商品はどこに?
これだ! 消防車型の箱が目を惹く
崎陽軒本社で、同社広報・マーケティング部課長代理の西村浩明(にしむら・ひろあき)さんに話を伺った。
西村さん。崎陽軒について面白いエピソードもいろいろ教えてくれた
今回発売した商品は「横浜市消防局×崎陽軒×横浜ウォーカーコラボ 横濱かりぃローリングストックBOX3個入(1250円:税込)」というもので、消防車型の箱の中には崎陽軒の「横濱かりぃ」が3個入っている。
これが実物! ところで、聞きなれない「ローリングストック(RS)法」って何?
RS法とは、普段から食べ慣れた食品を多めに買っておき、食べた分だけ補充しながら備蓄していく方法。食べ慣れた味は災害時のストレスを軽減すると言われ、そうした意味でも、非常食の一つのスタイルとして注目されているという。
確かに、災害時の備蓄食糧はカンパンなど、味気ないものになりがちだが、そうしたなかで食べ慣れたものを食べることができたら、少しは気持ちが落ち着くような気がする。
商品パッケージでも、RS法について説明
3者のコラボで誕生
こちらのコラボレーション商品が誕生した経緯については、2016(平成28)年10月ごろ、横浜市消防局から崎陽軒に「市民の防災意識啓発のために公民連携の募集をしているので、一緒にできることを考えていくことができないか」と話しがあったという。
なぜ崎陽軒なのかという質問を消防局に聞くと「崎陽軒は横浜に根差し、市民に愛されている企業だから」とのこと。
1928(昭和3)年誕生の崎陽軒のシウマイは横浜市民のソールフード
横浜市消防局では、もともと崎陽軒がお粥や中華総菜などのレトルト商品を販売しており、それを保存食として利用している方も多いと聞いていたそう。双方で話を進めるなかで、災害時の食糧備蓄としてRS法を知った崎陽軒が接点を感じた。
自宅で店の味を再現できる商品も多数
「横浜の方々にとってシウマイは身近な食べ物。それを災害時に活用していただくのは、非常に意義のあることなので、ぜひコラボさせていただこうと決めました」と西村さん。
横浜市消防局では「パッケージのデザインについては、救助隊発祥の地である横浜の特殊車両として、市民の認知度も高い特別高度救助部隊『スーパーレンジャー』を採用した」と話してくれた。
こちらが本物!
ところで、崎陽軒と言えばシウマイ。なぜカレーだったのだろう。若干違和感があるのだが・・・。
なぜにカレー?
カレーを選んだ理由については「カレーは老若男女に愛される食べ物なので、災害時にも向いていると考えました。『横濱かりぃ』にはシウマイも入っているので、横浜らしさも感じていただけると思います」とのこと。
3箱という点は、まずは「消防車型のBOXを保存食用の収納ケースとして活用できるものに」という方向性があったので、その形や大きさを考えて入れやすい個数、また、食べた分を補充しながら備えるというRS法の考えに合った数にということで決めたという。
箱を開けると、非常食として活用するためのコメントが
ちなみに、崎陽軒のレトルト商品は全て同じ大きさなので、お粥など別の食品と入れ替えることも可能だという。
横浜ウォーカーとコラボした理由ついては「RS法を広い世代に認知していただき、防災意識を高めてほしいと考えました。崎陽軒は比較的、年配層の購入者が多い会社です。ここに横浜ウォーカーさんの力を借りて、10~20代といった若い世代の方にも広めることができればという狙いがありました」と話してくれた。
今回の商品は「横浜消防出初式2017」に合わせて、2017(平成29)年1月8日に販売が開始された。
出初式当日、赤レンガ倉庫前でも販売された
当日はあいにくの悪天候だったが、消防ファンや子ども連れの家族などが、多く購入していったそうだ。本商品は、横浜市内の崎陽軒全63店舗で購入が可能。限定3000セットの発売で、売り切れ次第終了となる。
さまざまな箇所にRS法を分かりやすく伝える工夫が
「崎陽軒の商品に限らず、世の中にはたくさんのレトルト食品がありますので、好みに合う、食べ慣れたものを選んでいただいて、災害時の備蓄食糧として活用してほしいですね。皆さんが好きなものを準備し、災害に備えるきっかけ作りになれば」と西村さんは話し、RS法が広く認知され、防災意識が向上することへの期待を込めた。