深刻化する「空き家問題」。住宅活用に向けた、横浜市や民間の対策は?
ココがキニナル!
横浜市内には空き家・空き家率はどのくらいあるのですか?横浜市の空き家対策が気になります。(浜っ子さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市内の空き家率は約10%で、他自治体に比べれば低い割合。しかし住宅の絶対数が多いため、活用されていない空き家は約2万戸にのぼる
ライター:はまれぽ編集部
日本が抱える根深い問題の一つ、「空き家問題」。
少子高齢化が進む中で、だれも住むことがない住居が全国的に増えている。人の管理が入らない物件は荒れ果て、危険な状態で放置されたり、伸び放題になった樹木が周辺に悪影響を与えることもある。そのような手つかずの物件が増えることは、地域経済としても良い影響はない。
老朽化が進み、隣の建物に寄り掛かるようなケースもある(写真は過去記事より)
全国的に、駅から近く手直しすれば活用が可能なのに空き家となっている住戸は約48万戸に上るとされている。
横浜市でも空家数は増加傾向にあり、2008(平成20)年から2013(平成25)年の5年間で約1.3倍に増加し、2013年時点で空き家率は約10%。そのうち別荘としての利用や賃貸・売却などの活用がない、放置された空き家は一戸建てに限っても2万戸以上あり、その後も増加傾向が続いている。
このような状況になる前に、予防や対策が必要になる(過去記事より)
国は2015(平成27)年に、こうした空き家問題の解決を図るために「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行。横浜市でも全国に先駆ける形で「空き家等対策計画」を策定し、空き家問題に関する対応窓口の設置や、空き家の活用などを促進。
計画では「空家化の予防」「空家の流通・活用促進」「管理不全な空家の防止・解消」「空家に係る跡地の活用」を4つの柱にしている。中でも管理不全で危険な状態の空き家に対しては、「特定空家」に認定して除却を促進したり、行政代執行による強制的な撤去などの強い手段も選択肢に含まれている。
市内ではまだ例がないが、横浜市は2018年9月5日に東神奈川の危険な状態の特定空き家に対して、10月12日までに解体されなければ略式代執行を行う通告を行っている。
行政代執行の費用は、所有者に請求される
一方で、市は「関係区局や専門家団体が連携し、所有者の事情に寄り添った支援を行い、自主的な改善を粘り強く促していく」というのが基本的な方針。
2018年9月から住宅を確保できない人の入居支援を目的に、空き家などを活用した家賃補助の事業をスタート。これまでも子育て世代を対象にした補助付き住宅事業を行うなど、活用できる空き家については活用していくのが一番という考えだ。
ニーズとマッチすれば空き家も有効活用できる
空き家を賃貸や売却によって活用できればベストだが、もちろん難しい場合も多い。空き家の活用については、自治体も地域も頭を悩ませる課題であることは間違いない。
そんな中で、磯子区にある空き家で新たな活用の取り組みが始まるという情報が。さっそく調査に向かうことにした。
外観はごく普通の一軒家だが・・・?