外食文化研究所のおせちは2012年も出るのか?
ココがキニナル!
今年の年始に世間を賑わせた外食文化研究所は、またおせちを出すのでしょうか?
はまれぽ調査結果!
その予定はありません。グルーポン・ジャパンでも、おせちの取り扱いはしないそうです
ライター:河野 哲弥
あれから一年が経とうという今、改めて事件を振り返る
思い返してみれば、数々の波乱があった2011年。
その幕開けは、外食文化研究所の運営するバードカフェの「おせち問題」からはじまったと言っても、過言ではないだろう。
そもそもこの「おせち」。正月の三が日は火の神様にも休んで頂くため、保存の利くような料理を作り置きしておく、日本の年始の習慣である。ところが、広告の表記と現物に顕著な違いのある「おせち」が売り出されたため、世間の話題の方に火がついた。
一般のおせち料理イメージ
2011年の年末を迎えた今、改めて事件の概要を振り返ると共に、各関連企業のその後を追ってみよう。一年という長い時間を利用し、忘れ去られることをただ待っているのか。
それとも、事件を教訓とした企業努力を行っているのだろうか。
どのような企業が関わっていたのか
事件をいま一度振り返ってみよう。
問題のおせちを取り扱っていたのは、渋谷区にあるグルーポン・ジャパン。アメリカに本社を置く同社は、2010年の6月に日本へ進出。事前購入型のクーポンという仕組みを利用し、格安な値段で商品を購入できるサービスが人気を呼んだ。
中には9割引というクーポンもある、同社のサイト
しかし、お得感のある一方で、「なぜこんなに安いのだろう、何か特殊な事情があるのではないか」という疑問を抱えていた方も多いのではないだろうか。この事件は、そうした疑問への答えが間接的に見えてしまったという意味で、一躍話題となったのである。
「広告内容と商品に違いがありすぎる」、「食材が傷んでいる」などの苦情を受けた同社は1月5日、謝罪を発表するとともに、ユーザーへの保証を開始した。
一方、おせちを製造・販売していたのは、外食文化研究所が運営していた、西区の「バードカフェ」。市や農林水産省は、その運営元である外食文化研究所(現・西区)へ事情聴取を行った。なお、当時代表取締役だった水口憲治氏は、2011年1月1日付けで辞任している。
中央の黒い建物が、バードカフェの入っていたビル
事情聴取の結果判明したのは、記載されていたものとは違う食材を一部で使用し、または架空の価格を通常価格と表記するなど、景品表示法が定める規定に抵触していることだった。
これを受けた外食文化研究所は4月28日、日本経済新聞社会面に「謹告」という形で、謝罪文を掲載した。
掲載された謹告の一部
その続き
以後「はまれぽ」では総力を挙げてこの問題を追及し、事件発生当時の代表取締役である水口憲治氏に、直撃インタビューを試みた。(その時の記事参照)
その結果分かったのは、当事者の水口氏は事件を真摯に受け止め、その責任は全て自分にあると感じていることだった。また今後については、「私は飲食業の人間ですので、飲食店での誠心誠意込めたサービスを見ていただいて、許していただくしかないと考えています」と語っていた。
一方のグルーポン・ジャパンには、水口氏に対して「口止め」のような示唆をしている様子が伺えた。そこで事実確認を取るために取材を申し込んでみたが、返事がないままはぐらかされてしまうという結果に終わった。