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鶴見区馬場の「埋蔵文化財の発掘調査」って何が埋まってるの?

ココがキニナル!

鶴見区に、「歴史的埋蔵物発掘工事中」のエリアがありました。何が埋まってるんでしょうか、気になります。(がこさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

5年後開通予定の首都高速・横浜環状北線の工事にともなう発掘です。旧石器時代、縄文・古墳・平安・江戸時代の遺跡が出ています!

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ライター:吉岡 まちこ

「埋蔵文化財の発掘調査」って何?

今回キニナル投稿があったのは、この看板を見てのこと。
場所は、鶴見区馬場7丁目。横浜線の菊名駅と大口駅の間、綱島街道の「法隆寺交差点」の近くだ。
 


こういう看板、どこかしらで見かけたことがあるのでは?


建築や造成をする時、そこに何か歴史的な物が埋まっていないか、必ず一回は調べなくてはいけない地域がある。
そういった埋蔵文化財がありそうな場所の分布は、県や市の教育委員会が把握している。

今回質問にあった土地は、「菊名貝塚」という埋蔵文化財包蔵地に近いので調査の対象になった次第。
 


この白いフェンスの内側が、その発掘調査の現場
 

フェンスの間から見える発掘の様子は、こんな感じ


1月22日(日)、近隣住民が対象の「発掘現場見学会」が開催された。
11月からお願いしていた現場取材の夢がやっとかなう!と思ったけれど、当日はあいにくの雨…。
なんちゃって考古学研究会メンバーだった私は、近年最も楽しみにしていた(大袈裟ですが本当!)取材だっただけに、ものすごく残念。

室内で出土品とパネルが展示され、発掘にかかわっている調査団からの説明が行なわれた。
 

1日に5回行なわれた見学会は毎回盛況。近隣の方の関心の強さがうかがわれる




掘り始めると、まず江戸時代の道路が出てきた!



本格的な発掘調査が始まったのは去年7月。遺跡の名前は「馬場綿内谷(ばばわたうちやと)遺跡」だ。
調査をしているのは「公益財団法人・かながわ考古学財団」の方々。
 


お話しいただいた、かながわ考古学財団の主査・発掘歴20年以上の小川岳人さん


木の茂る丘だった場所にパワーショベルが入り、伐採後、まず地表を20~50cmほど剥ぐ。
真っ先に出てきたのは、なんとアメリカ製の焼夷弾。
5
cm大から最大50cmのものまでが、これまでに150個も見つかっているらしい。

そのあとジョレンという、土を薄く掻く用具を使って、遺跡がありそうな場所の地表を人力で剥いでいく。
すると地表に黒っぽいシミが……。

過去に穴が掘られた場所、つまり住居の柱等を立てるために掘り下げられた箇所には後世の土が入り、まわりと色が違って見えるというわけ。
 


浮かび上がる7m四方のシミ。ここに遺跡があることがわかる
(写真提供/かながわ考古学財団)


上の写真は約1300年程の古墳時代の住居跡の例だが、こういう要領で調査したところ、まず浅い地層に江戸時代の道路が出てきたそうだ。
 


尾根づたいに江戸時代の道が。大八車が通れるようにか幅3mもあった!
(写真提供/かながわ考古学財団)


「明治13年の地図にも載っている、綱島街道と馬場村を結ぶ大事な道だったと思います」と小川さんは言う。実は基礎工事までちゃんとされていて、ずいぶん立派な道だったようだ。