横浜市営地下鉄でも走行中に携帯の電波が入るようになる!?
ココがキニナル!
都内の地下鉄は電波が入るようにする予定があるけれど、横浜市営地下鉄にはないの?携帯禁止席、地下鉄でも携帯をつながるようにしようという時代に逆行した方針。何のために作ったの?(Ichiさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市営地下鉄でも、走行中に携帯の電波が入るようになります。携帯電話電源オフエリアは、総務省のガイドラインにそったものです。
ライター:吉澤 由美子
携帯電話の出している電波が心臓ペースメーカーなどの医療機器を誤作動させる恐れがある。
2003年11月から「車内の優先席付近では電源オフにすること。それ以外ではマナー・モードに設定し、通話は禁止」というルールが多くの鉄道会社で採用されており、NTT docomo、au、SoftBankなど、携帯電話各社でもマナーページで「優先席近くでの電源オフ」をアナウンスしている。
横浜市営地下鉄は、ブルーラインとグリーンラインの2路線
横浜市営地下鉄は特に優先席を設けず全席優先を行っているが、各車両に1ヶ所、つり革や床の色が違う場所があり、そこを『携帯電話の電源オフエリア』としている。
横浜市営地下鉄では、今夏、全席優先はそのままに『最優先席(仮称)」ができることが決定しており、その場所はこの携帯電話電源オフエリアになる予定。
携帯電話の電源オフエリアに貼られているステッカー
※画像提供:横浜市交通局
ところで、この3月で「mova」と呼ばれるNTTの第2世代携帯電話サービスが終了となった。
電波の効率がよくなっている現在主流の第3世代に比べ、電波出力の高かったmovaサービスが終了したことで、電車内での携帯電話電源オフエリアの扱いについて、注目が集まっている。
停波したmova携帯電話。久しぶりに手にするとモッサリ分厚くて驚く
また、横浜市営地下鉄では、今年の8月までに順次WiMAXの駅・トンネル区間エリア化が進められていく(参考:横浜市交通局発表のPDF)。
携帯電話電源オフエリアは、こうした時代にあってどんな必要性があるのか。
そこで、横浜市営地下鉄の携帯電話電源オフエリアや、心臓ペースメーカーなどの植込み型医療機器と携帯電話について、現在の状況を調べてみた。
総務省のガイドライン「植込み型医療機器と携帯電話の間は22cm以上離す」
公共交通機関に携帯電話の電源をオフにするエリアがあるのは、1997年に出された総務省のガイドラインに沿ったもの。
「植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」として、このガイドラインをわかりやすく解説したリーフレットPDFが総務省のホームページに掲載されている。
装着者に対する注意とともに、携帯電話端末所持者に対する注意が記されている
http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/medical/naka1-2.pdf
そこに、「植込み型医療機器の装着者は、携帯電話端末の使用及び携帯に当たっては、携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から22cm程度以上離すこと」とあり、「携帯電話端末及びPHS端末の所持者は、植込み型医療機器の装着者と近接した状態となる可能性がある場所(満員電車など)では、その携帯電話端末等の電源を切るよう配慮することが望ましい」となっている。
「植込み型医療機器と携帯電話の間は22cm以上離す」というこのガイドラインは、「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」がその根拠になっている。
これは、学識経験者、関係省庁、関係業界団体等から構成された不要電波問題対策協議会(現在の電波環境協議会)が詳細な実証実験を行って策定したもの。
実証実験の中で、携帯電話端末が植込み型医療機器に影響を与えた最大影響距離が15cmだったことから、安全係数をかけて22cmという指針となった。