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「PTAに丸投げ」の真相は? 通学路のブロック塀の安全性はどうなる

「PTAに丸投げ」の真相は? 通学路のブロック塀の安全性はどうなる

ココがキニナル!

古いブロック塀の調査が始まったようなのですが、教育委員会が各小学校のPTAに調査を丸投げしているという噂が。教育委員会の見解を尋ねてください(jetstarさん、ちゃたろうさん)

はまれぽ調査結果!

横浜市教育委員会では、各学校で通学路の「危険な可能性のある」塀の調査を実施。PTAや地域が参加することもあるが、最後は専門職員等が調査を行うという

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ライター:はまれぽ編集部

2018(平成30)年6月18日に大阪府で起きた大地震によって引き起こされた、ブロック塀の倒壊による小学4年生の女子児童死亡事故。
この事件を受けて2018年7月4日、横浜市は「建築基準法に合致しない可能性があるブロック塀」を有する市立学校や公共建築物を発表した。

これらの施設ではすでに危険な可能性のある場所に子どもや利用者が近づくことがないよう、対応を実施しているという。
 


ブロック塀だけではなく、「投てき板」も対象(横浜市資料より)

 
一方、今回調査が行われたのはあくまでも公共施設のみ。民間施設や住宅のブロック塀は現在調査が進められている真っ最中だ。特に、子供たちが使う通学路に関しては、横浜市教育委員会が各学校に調査を指示している。

キニナル投稿にあるように、横浜市の対応に関しては「調査をPTAに丸投げしている」との情報がSNSなどで拡散中。保護者などが無償で駆り出されることや、専門的な知識がない人が調査することへの不安の声が多いようだ。
こうした状況は事実なのだろうか。横浜市教育委員会にお話をうかがった。



子どもたちの安全を守れるか?

横浜市教育委員会が大阪府の地震発生から2日後の6月20日以降、各学校に対して通学路に危険なブロック塀がないか確認するよう要請しているのは間違いがないようだ。
 


通学路の安全性は?

 
横浜市教育委員会に問い合わせると、「市教委が各学校に対して要請しているのは、高さが1メートル20cm以上のブロック塀で、著しく傾いたりヒビが入ったりしている危険なものがないか。また、高さが2メートル20cm以上で、建築基準法に違反するものがないか。調査する人は学校の教員やPTA、地域の方々に協力してもらうなど、学校によってさまざまです」という。
 


頑丈そうに見えるものでも、安全が第一(写真は神奈川区総合庁舎)

 
市教委が管轄する市立学校は509校。校内のブロック塀などの確認だけではなく、通学路のブロック塀まで調査するとなるととても手が回らない。そこで、学校だけではなくPTAや地域の方々も参加して子どもたちの通学路の安全を協議する「スクールゾーン対策協議会」に調査をお願いしている場合もあるようだ。
 


学校ごとに設置された協議会が活動する場合も(市立小HPより)

 
実際には、1メートル20cmは「ブロック6段」、2メートル20cmは「ブロック11段」が目安になるといい、確認は目視で行うことができる。
該当の塀がある場合には「関係局で情報を共有し、市から改めて専門職員等を派遣して安全確認を行います。また、報告写真などで明らかに危険だと判断できるケースは、すでに情報共有を行っています」との回答だ。

専門的な調査はやはり専門職員等が行う必要があり、これは先駆けて発表された公共施設のブロック塀と同じ。素人に調査を丸投げしているというよりも、まずは多くの人の協力を得て調べなければ専門家が動くことができない、というのが実情と言えそうだ。
 


危険がどこにひそんでいるかわからない(写真はイメージです)

 
市教委は各学校に対して7月20日までの報告を求めており、その上で専門調査を実施する予定。だが、その時期については「調査は建築局などと連携して行いますが、どれほどの数が報告されるか分からない。全体の数が見えてから、対応を決めていくことになります」と話している。

公共施設の調査でも多くの場所にブロック塀が見つかっていることもあり、市としては優先順位を決めながら対応する必要がありそうだ。
 


ブロック塀などが見つかった小学校。子どもたちが元気に遊ぶ声が響く

 

ブロック塀チェックのポイントは?



一方で、実際には通学路などの民間の敷地にあるブロック塀の安全性を確保する責任は所有者にあり、仮に建築基準法違反のものがあっても市はあくまでも改善指導する立場だ。

国土交通省では大阪府の事故を受けて、自宅のブロック塀の安全点検を行うためのチェックポイントをまとめた資料を配布。横浜市では6月22日からチェックポイントに基づいた自己点検を呼びかけている。
 


横浜市が周知しているチェックポイント(出典:国交省、
クリックで拡大

 
いわゆるブロック塀を積み増したような「2メートル20cm以上」の高さの塀は、横浜市内の公共施設では見つかっていない。問題となりそうなのは、1メートル20センチ以上で著しいヒビや傾きがある場合だ。

特に、建築基準法の改正前に建てられた古い塀などは、基準を満たしていない場合があるという。
 


こうした「控え壁」の有無も要チェック
 

耐震性に問題があった場合の補修や撤去などの改善も、所有者の裁量で行う必要がある。

横浜市では、幅員が一定以上の「街の避難経路」に面するなど条件を満たした危険なブロック塀に関しては、撤去費用(10分の9、最大50万円)や、フェンスの設置費用(2分の1、最大50万円)を補助するなど、いくつかの助成制度を設けている。

だが、条件を満たさなければ補助を受けることはできず、これまでの申請はわずか。助成対象外ならば、所有者が全額を自費で対処することになる。

今後の調査で民間のブロック塀の危険性が大きいことが分かれば、市として新たな制度の新設など、対応を迫られる可能性もある。



取材を終えて

今回の問題を受けてブロック塀を注意して眺めると、特に住宅街では「これってどうなの?」と感じる塀がいくつか見つかった。
 


素人目にはやっぱり判断はつかない
 

「危険かもしれない」との認識で、広く注意することは安全のためにも重要なこと。だがそれは、本当に危険なのかどうかという専門的な調査や、その後の対策につながることが大前提だ。

ブロック塀の撤去費用は規模によってことなるが、住宅レベルでも数十万円掛かることもあり、安全の確保の経費は決して安くない。所有者の権利の問題もあり、一朝一夕には進まない事情もある。

それでも、事は命の問題。せめて子どもたちが使う通学路上の危険だけは、できるだけ早く把握・対策を行ってもらいたい。


ー終わりー

 

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  • この件は、教育委員会の言い分ではなく、実際に学校側がPTAにどういう風に伝えたのかが問題なのでは?「もし、通学路に危なそうな塀があったら報告してください」なら問題はない。でも、「教育委員会から『通学路に危なそうな塀がないかどうか、期日までに調べて報告しろ』と言われたから、PTAで調べてください」とかやった学校があるのではないかと思う。

  • ブロック塀の問題はこどもだけのことではありませんから、学校施設については教育委員会、通学路を含む学校以外はPTAや町内会で取り組んでいくのが適当なのではないかと思います。

  • はまれぽ調査結果って教育委員会が言ってる事をそのまま書いているだけではないでしょうか?以前のイジメ問題でも教育委員会の無能ぶりがよく分かっただけに、ブロック塀問題でも信用できません。おそらくイジメ問題の時と同じく、誰かが犠牲になって責任の押し付け合いをしながらやっと本格的な対応をすることになるのではないでしょうか?

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