人事委員会による市職員の給与決定は適切なのか?
ココがキニナル!
横浜市職員の給料を決めているのは、人事委員会とのことですが、この人事委員会は適切なのでしょうか?
はまれぽ調査結果!
人事委員会を推薦するのも横浜市職員であり、お手盛りだと感じざるを得ない。
ライター:吉田 忍
国税局発表の平均給与と比べて、市職員給与がかなり高くなっているのはなぜ?
次に、国税局発表の企業規模別平均給与の資料では、従業員数5,000人以上の事業所で492万円。
それに対し、横浜市職員給与の660万という数字の差について訊ねてみた。
5,000人以上の大企業でも、平均給与は492万円
それについては、国税局のデータには非正規雇用(派遣、パート、アルバイト)の給与も含まれているせいで平均が低くなっており、人事委員会では「正規雇用者との比較」をしているため国税局のデータからこれほど乖離しているのだという説明を受けた。
民間企業の非正規雇用を含めると平均給与額がこれほど下がるというのも大きな問題のひとつであるが、これはまた別。
調査対象となっている企業は、50名以上の事業所などの基準を超えている所であり、かなりの大企業で、かつ、現在もその規模を維持しているということは、業績も良いと考えられる。大きな損失を出して、経営状況が悪くなると、調査対象から脱落することとなるからだ。
資本金10億円以上の企業での平均給与は約562万円
民間企業は、経費削減のため、非正規雇用者を増やさざるを得ない状況にある。
しかし、それでサービスの低下を招いては経営不振に陥るので、経費削減を行いつつもサービスの維持に努力している。
横浜市はどうか? 日本一高い市民税を徴収しているにもかかわらず、経費削減という名目でサービスを低下させていないか? ゴミ収集の回数は少なく、市バスは路線が次々に廃止されるなど、市民にしわ寄せがいく形の経費削減が目立つのは気のせいだろうか。
横浜市は5兆円の債務をかかえている。業績が悪く、本来ならば、比較企業に及ぶべくもない、とっくに倒産している会社レベルの財政状況なのだ。給与水準が優良民間企業と同じでなければならない理由はどこにあるのだろうか?
第三者である人事委員会とは?
第三者の人事委員3名というのは、どう選出されるのだろう。
人事委員は行政OB、弁護士などから選ばれることが多い。弁護士に関しては、人事委員会が給与等のほかに、不利益処分を受けた職員からの不服申し立て等の審査も行うといった法律的な知識を求められる案件を多く取り扱うためだ。そして、人事委員の選任については、横浜市役所人事組織課という部署が選んだ候補を市長が承認し、市議会にはかって任命される。
ここでも、人事委員を実際に承認任命するのは市長であり市議会だが、候補を推薦するのは横浜市役所の職員である。
人事委員3人のどなたかにインタビューをしたい旨を申し出ると、「中立を保たなければならない立場の方々なので、取材は遠慮いただきたい」とのこと。喰い下がってみたが、やんわりと、しかしきっぱり断られた。
人事委員の選任は、横浜市役所人事組織化が行っている
まとめ
インタビューにおいては、中立公正な調査がなされている印象を受けた。
しかし、利益受託者である市職員が調査、報告書を作成し、第三者である人事委員会の3名を推薦するのも横浜市職員であるという点に関して、かなりお手盛りだと感じざるを得ない。原発を推進する経済産業省の中に、原発の安全性を査察する原子力安全・保安院があることでズブズブのお手盛りになって、お粗末な安全対策しか行われず、福島第一原発の大事故を招いたことがどうしても脳裏をよぎる。
また、調査対象となる大企業と同じレベルの給与でなければならないという点についても疑問が浮かぶ。
横浜市は、市長の給与も日本一である。そして、その全ては最終的に議会で採決されるもの。ならば、次は市会議員の見解を聞く次第だ。
― 終わり―
MKさん
2013年04月07日 18時59分
市の職員は大企業の職員ほどもらってませんよね?おかしかったかしら。あと、会計には疎いので間違った考えかもしれませんが、市の借入残高5兆円はすべてが単純な借金じゃないのでは?行政は道路や下水道とかのインフラを整備し、以後何十年も使われる。将来そのインフラを利用するであろう未来の受益者から、見合った対価を徴収する手段が市債。売れるかわからない商品開発に投資した赤字とは違うでしょ?(税収の見込みが甘くて無駄に浪費した事業とかはありそうですが。)これは借金?経営面で批判するなら、そこまで検討した上でのものであってほしい。しかし。役所の場合、そもそもの業務目的が収益を上げること=生産ではないのだから、どんなに働いても収益は上がらない。だから、経営状態と給与額こそ非礼しないのでは?むしろ個々人の能力や業績の対価として適正な金額を支給すべきでしょう。でないと役所が、本当に無能の集団になってしまいますよ。
Andyさん
2013年01月22日 20時38分
横浜市は大きい、企業なら大企業だ。大企業の給料は高い、だから横浜市職員の給料も高くっていう論理はおかしい。何年前の価値観を持ち出しているんだろう・・組織の規模と業績は必ずしも比例しないでしょうが。横浜市、5兆円もの借入金残高があるわけですよ。これを考慮してもなお現在の職員給与水準、加えて日本一高いという市長・市議会議員の報酬。当事者はどこか間違っていると思わないのだろうか。一義的には、彼らを選挙で選んだ市民に責任がある。
MKさん
2012年08月19日 21時40分
だって、横浜市って超大企業でしょ?しかも相当多様な業種を束ねたコングロマリット。同じ位の民間大企業の企画系の部署とかだったらもっと高額もらっているんじゃないかしら。それを、50名以上の事業所って中小規模も含めて勘定しているんだから、十分良心的じゃない?反面、民間だったらそんなにもらえない業種の部署でも同じくらいもらっているってのはまあ、問題なのかもしれないけれど。それに、民間だって、利益の上がらないサービスはガンガン切ってくよね。そもそもが収益を上げられる業態はほとんど無いんだから、単純に業績換算で話ができるわけでもないと思う。