市バス27系統にはなぜ2つ終点があるの?
ココがキニナル!
鶴見区を走る市バスの27系統には終点のはずの安善町のさらに50mくらい先に「終点」という場所があります。なんのために、またどういった経緯で2か所の終点が存在するのでしょうか。(雲葉さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
“幻の終点”は以前の運行変遷のなごり。地域の方の便宜を図るため、サービスの一環として慣習的に使われていた。
ライター:枚田 貴人
“幻”の画像に、唖然! 営業所内も大興奮!
ようやく“幻”とのご対面だ。筆者はおそるおそるデスクに近づき、パソコンをのぞきこんだ。
するとそこに映っていたのは…、なんと…! さっき降りた停留所じゃないか!
グーグルマップのストリートビューで見た“幻の終点”
絶句した。自分が気づかず、幻の終点で降りていたなんて!僕が降りた停留所は安善町じゃなかったのか!
「こ、これが幻の…!?」「そうです」「じゃあ、本当の終点はどこにあるんですか!?」「これです」と、にべもなくグーグストリートビューで『安善町・終点』と書かれた何の変哲もないポールを見せてくれた。
幻の終点より手前に、本当の終点『安善町』のポールが見える
あっけにとられた。「こんなトリックが…」思いこみとは怖いものだ。最後にバスが止まり、降りたところが“正しい終点”だと思ってしまっていたのだ。
そして所長に尋ねられた。「降りる時にチャイムは押しましたか?」「……押してません」チャイムを押さないと止まってくれない終点があるなんて…。とんだトラップだよ…。
歴史を洗い出せ!
なぜ「終点の先にさらに終点があるのか」を伺うと、所長は部下に古い書類を掘り起こすよう指示を出し、「実は詳しい経緯は分かってないんですが…」と前置きし、「昭和シェルでUターンさせてもらってますでしょ?あの辺りは工業地帯で、通勤で利用される。終点の安善町の先の工場で働く方も多い。わざわざ長く歩かせるのなら、Uターンするギリギリのところまでお送りしましょう、という地域のお客様の便宜を図るために始まったのではないかと推測します」と話してくれた。
いつ頃から始まったのか訊くと、「60年代頃ですかね…」と不安げな所長。そのあいだも職員の方々は書類を探ったり、27系統の歴史を語り合っていた。“幻の終点”は市バス職員にも興味深い謎だったようだ。
鶴見営業所をあとにし、再びバスに乗りに行こうと決めた
安善町で降りるのだ!
大盛り上がりの鶴見営業所をあとにし、筆者は鶴見駅まで引き返し、もう一度バスに乗った。今度は終点の安善町で降りてみよう。バスに揺られること20分。車内アナウンスが聞こえてきた。「次は安善町、安善町~」すかさずチャイムを鳴らす。するとさっきよりも手前の真新しいポールで降ろされた。そこにはしっかり『安善町・終点』の看板が…。いや、さっき、この次で降りたんですけど…。ここ終点なんですか?
正しい終点『安善町』。ここから電柱5本先が“幻の終点”
取材を終えて
たしかに“幻の終点”は存在した。
しかし、それは利用されている乗客が馴染みすぎて気にもかけないダブルスタンダードだった。
『終点・安善町』で降りる人もいれば、普通にその先の『降車専用』(幻の終点)で降りる人もいるようだ。
まさかの展開!すごいぞ鶴見営業所!
取材から数日後、鈴木所長から電話がかかってきた。「終点ダブルスタンダード」の経緯がわかったという。その昔停留所は『安善町二丁目』『安善町』『安善町岸壁(終点)』の順だった。しかし『安善町岸壁』が廃止され『安善町二丁目』が現在の終点『安善町』なった。そこで昔の『安善町』が“幻の終点”として使われるようになったらしい。残念ながらその改定がいつの出来事かは昔の資料にも残っていないという。
そして驚くニュースがひとつ。今回はまれぽがこの謎を調査したことで、この「終点ダブルスタンダード」を整理し直すことを営業所として決定したという。今の『安善町』が新しく『安善町二丁目』に生まれ変わり、ちょっと寂しめの“幻の終点”『降車専用』が晴れて正式に『安善町』として終点になるようだ。鶴見営業所の迅速な判断と誠意ある対応に敬意を表したい。
―終わり―
にゃーにゃーさん
2013年03月20日 11時51分
神奈中 井土ヶ谷発横浜パークタウン行きの終点にも従前の降車場に加え第2降車場が近年できました。地元の運動の結果です。ただし朝は第2降車場は出発のバス停のところにあり,朝は2方面(井土ヶ谷,東戸塚)に出るバスが2台駐車していることも多いとの理由で,バスは第1降車場止まりとなります。そこで朝は「横浜パークタウン 第1降車場行き」の表示を出してバスは走っています。
かげろ~さん
2013年03月05日 05時33分
根岸から磯子に向かって堀割川を渡る前、八幡橋幼稚園手前の八幡橋停留所と、八幡橋渡って国道16号に合流した先のバブコック日立(現・ヤマダ電機やニトリ)前にも八幡橋停留所がありまして、58系統・99系統は両方に停車したと思います。元々、八幡橋幼稚園側の停留所は根岸方向から磯子や滝頭車庫前(現・市電保存館前)方向に行くバス用の、バブコック前の停留所は滝頭方向から国道16号経由で磯子駅方向に向かうバス用の停留所なのですが、58系統と99系統は両方を通るので、堀割川両岸の利用客の便宜を図って止まっていたのでしょう。21・22・55系統(滝頭車庫行)は右折車線に入って横須賀信金(現・湘南信金)前の交差点で禅馬方向に曲がるので、バブコック側の停留所には停まれませんでした。
かげろーさん
2013年03月05日 05時32分
根岸から磯子に向かって堀割川を渡る前、八幡橋幼稚園手前の八幡橋停留所と、八幡橋渡って国道16号に合流した先のバブコック日立(現・ヤマダ電機やニトリ)前にも八幡橋停留所がありまして、58系統・99系統は両方に停車したと思います。元々、八幡橋幼稚園側の停留所は根岸方向から磯子や滝頭車庫前(現・市電保存館前)方向に行くバス用の、バブコック前の停留所は滝頭方向から国道16号経由で磯子駅方向に向かうバス用の停留所なのですが、58系統と99系統は両方を通るので、堀割川両岸の利用客の便宜を図って止まっていたのでしょう。21・22・55系統(滝頭車庫行)は右折車線に入って横須賀信金(現・湘南信金)前の交差点で禅馬方向に曲がるので、バブコック側の停留所には停まれませんでした。