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イセザキ・モールのラーメン店「来々軒」の前にいた人なのかロボットなのかわからない謎のキャラ「ライライマン」の正体は?

ココがキニナル!

来々軒というお店に、かつて「ライライマン」というキャラクターがいて、ロボットだったり、生身の人だったりしたような。誕生秘話や、演じた人、今はどうしているのかがキニナル。(miyukidさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

ライライマンを演じていたのは、社長の知り合いの売れないお笑い芸人。現在は消息不明。ライライマン失踪後に後を継いだ二代目が、ロボ。

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ライター:人見 静馬

生ライライマンの正体

社長がいうには元々ライライマンは、社長と同じく北海道出身で知り合いの、売れない芸人「Y・K氏」ありきの話だったのだという。いや、ありき、とはやや大袈裟かもしれないが、元々社長が大阪の「くいだおれ人形」をモデルにキャラクターを考えていたところに適任の男がいたと、そういうことらしい。ともかく卵が先か鶏が先かのような話で、ライライマンとその芸人「Y・K氏」は切り離して語ることができない関係なのだ。

こうして21年前、今はなきイセザキ・モールの「来々軒」に誕生したライライマンは、週5日1日4時間、机の上に置いたラーメン鉢をすするというパントマイムで通行人に店をアピールしていたのだという。時はまだバブル景気の名残が尾を引いている時節である。幾許(いくばく)かをこうした人件費に割いても問題はなかったのだろう。なるほど、売れない芸人のアルバイトのようなものと考えれば、悪くはない。

して、生ライライマンの時給はいかほどだったのだろうか。そう聞くと、社長は事もなげに答えた。
固定給で30万円。
は? 30万円? 思わず声をそろえる筆者と編集部・山岸。
 


こんな窮屈なポーズをズッとしていた訳でもあるまいに


30万円となると、時給で計算すると3750円。人が通った時にパントマイムをして3750円。用意された椅子とテーブルに座って3750円。喋らずに3750円。

社長、幾らなんでもご厚意が過ぎるかと・・・。まぁ、それも含めて時代だったのですな。
それで、ここまでの待遇を受けたとあれば社長に頭が上がらないはずである。辞めたとあっても関係が続いてしかるべき。
だが。

生ライライマンは現在消息不明らしい。本稿内でイニシャル表記にさせてもらっているのも、ご本人からお名前の掲載許可を得ることが不可能な為なのである。
 


Y・K氏が出演していたという演劇のチラシ。左上がY・K氏


何でも、店頭パントマイムを任せてから1年ほどしてライライマンの方から辞めさせて欲しいとの申し出があり、それっきりなのだという。ITも発展しておらず、SNSなどという発想もない時代。一度縁が切れてしまえばその後の所在の把握は難しい。社長の寂しそうな顔の理由はこれだったのである。あまりに義理がない話ではないだろうか。
今どこで何をしているのか、ぜひとも一報欲しいものである。

ともあれ経緯としては、生ライライマンの失踪を受けてロボライライマンが制作され、以降店舗が閉められるその日まで働き続けたということらしい。生とロボが入れ替わり立ち代わり演じていた訳ではなく、初代と二代目だったのである。

ちなみに、ロボライライマンがいた伊勢佐木町2丁目「来々軒」は今から8年ほど前に閉店。開業から30年ほど経った現在の店舗に置く場所がないので粗大ゴミに捨ててしまったそう。何から何まで豪快な社長である。
 


不義理にも憤ることなく、元気なら連絡がほしいという社長


取材後、社長のご厚意でラーメンをごちそうになった。
 


待ちきれない
 

筆者は味噌オロチョン
 

編集部・山岸は味噌


「辛さ表」に従い通常の辛さという4倍を頼んだのだが、マイルドな味の為に辛さがさほど目立たない。筆者はこれくらいが好みであるが、辛さを重視される方はより上を注文されることをお奨めする。あくまでもお奨めであって、自己責任ということを忘れないでいただきたいが。
 


女性客にはうれしいオマケ付き


しかし、取材に来ただけの人間にまでごちそうするとは、つくづく腹の太い社長である。



取材を終えて

取材中、社長はライライマンをロボにした方が、効率が良かったと笑っていらっしゃった。しかしそれは、何も最初に気付かなかったことではないだろう。絶対に最初から分かっていたことのはずである。だが、社長はライライマンを知り合いの芸人に任せた。それは同郷のよしみで芸人を養ってやろうという意味も勿論あっただろうが、筆者には社長のサービス精神の現れであったように思えてならない。くいだおれが人形ならこちらは人間だ――店頭でパントマイムをすれば面白いはずだ――そういった子どものような発想をもった方なのだ。いつまでたってもそういられるというのは、とても羨ましい話である。
 


現在は台湾料理屋になっている


店舗があった場所は、今は立て直しされて別店舗が入っている。だが、ここを通る人々の記憶には確実にライライマンが残っている。それは偏(ひとえ)にくいだおれ人形を人間にやらせてみようという、社長の稚気に富んだ思いつきあってのことだろうと思う。最初からロボだったら、こうまで強烈に皆の記憶には残っていないはずである。
 

―終わり―
 
北海道ラーメン 来々軒本店
住所/横浜市中区末広町2-3-13
電話/TEL045-252-9495
 

この記事どうだった?

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  •  確かにテレビに出てましたね。 熱湯の浴槽に一定時間入ると賞金が出るというようなコーナーでした。社長?と一緒に出ていて「社長に借金があるのでこの仕事をしている。賞金で返済したい。」というような話だったと記憶してます。結果はもちろん失敗でした。

  • 昔テレビで見た記憶があるのだけど・・・。気のせいかな?

  • マタマタ面白い記事拝読しました、社長のような人物昔はあちこちに居らシャッタ様に思う、止めた方、自分の職責を果たし無い事を自覚した為ではないでしょうか?当時は義理に合わない扱いには、自身で身を引く、美学があった時代、その辺に思いをはせながら読みました、有難う。

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