日本に1台しかない! 横浜の街を案内するロンドンタクシーがいるって本当?
ココがキニナル!
浅間下交差点を横断していたら、ロンドンタクシーが信号待ちで止まっていました。ユニークなタクシーに乗ってみたいので、体験レポートを。他にもユニークなタクシーがあれば調査願います。(トールさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜の街を走るロンドンタクシーは全国で1台しかない。そのほかユニークなタクシーは過去にハローキティやゆっくり走るタートルタクシーがあった
ライター:細野 誠治
横浜ドライブ、横浜ライブ
一般的な“流し”のタクシーとして運行しているロンドンタクシー。また、横浜の各名所を巡る“観光タクシー”としても運行をしている。
今日は、お話を聞きつつ、ごく簡単に“観光チックな横浜”を巡ってもらおう。
貸し切りは4450円から
運転席と客席はアクリル樹脂で遮られており、天井にはマイクとスピーカーが
中原氏とロンドンタクシーの出会いは今から遡ること4年ほど前。タクシー業界紙に掲載されていたロンドンタクシーの車両広告を見てのひと目惚れだったそうだ。
当時、中原氏はタクシー会社に所属をしている一介のタクシードライバー。タクシーの運転手になったときから、個人タクシーの運転手を夢見てきたという
(個人営業になるためにはタクシー会社に10年以上の勤務が必要で、その上に無事故無違反という非常に大きなハードルが課せられている)。
走ると注目の的! 同乗した編集部・小島が手を振ると返ってきてVIP気分に
タクシーはみなとみらいから海岸通へ。神奈川県庁舎が見えてきた。
「県庁の設計をしたのは小尾嘉郎(おびかろう)さんで、これは職員の方から聞いたんですけど、彼のお墓の形はですね、県庁舎と同じデザインなんだそうですよ」
へぇ~~~。(オレと担当の小島くん)
すると中原氏の口から神奈川県庁舎(キング)、横浜税関庁舎(クイーン)、横浜開港記念館(ジャック)の塔の高さがスラスラと出てくる。
実は中原氏は「かながわ検定横浜ライセンス」一級を取得している。しかも第1号!横浜のスポットについてさまざまなデータや歴史が頭のなかに入っている。
大さん橋を冷やかして中華街へ
観光で乗車されたお客さまのためにと知識を蓄積していった中原氏は「横浜シティガイド協会会員」のガイドでもある。
ハマっ子ライターとしていろいろ「知ってる」方ではあるつもりでいたけど、この知識量は別格。脱帽せざるを得ない。
(というわけで、はまれぽ編集部は全員、一級取ってくるように!)
「前にいた会社が、観光ガイドに力を入れているところで、そこで勉強をしていくウチに、(横浜シティガイド)協会を立ち上げた嶋田昌子さんに出会って、弟子入りをしたんです」
ライセンスは一級
「絵になるから好き」というホテルニューグランド前で休憩
あっという間に撮影会になる。担当の小島くんはカメラマン役に
筆者の「好きな横浜スポットは?」との問いに、「山下公園とか港が見える丘公園」と答えた中原氏。
「じゃあ次は山手の丘に行ってみましょうか」
元町を抜けて山を登る。勾配がキツいのに乗っていて負担がない。
車重は2.5トン、サスペンションは英国車を含む欧州車特有の、日本のものより硬めなもの。安定していてスイスイ走る。
乗っていて体に負担がない
「公園近くは停める場所がなくて・・・」ということで、フェリス女学院大学の脇を抜け山手イタリア山庭園へ。
こちらも、やっぱり絵になる
ブラフ18番館に、外交官の家
横浜について、成り立ちから分かり易くガイドしてもらう
ちょっと休憩。イタリア山から横浜を眺める。
「海が遠くなったなぁ・・・」と中原氏
休みがてら、生い立ちを聞いてみた。
弘明寺生まれの中原氏。実家はお茶を扱うお店を営んでいたそうだ。現在も有名デパートなどにお茶を卸したりしているものの、時代の流れとともに規模を縮小。「今はネットもあるしね」と中原氏。
家業を手伝いつつ、勤め人やコンビニエンスストアのオーナーを経てタクシー業界に飛び込んだという。
「小さいころから乗り物が好きだったんです。京急から始まって車や飛行機も・・・」(趣味はフライトシミュレーター<航空機などの飛行の操縦訓練、搭乗体験をするために飛行状況を模擬することできる装置>だとか)
運転や操縦が好き。そして横浜も
人に使われるのではなく、一国一城の主になりたいと、タクシー会社に務め始めたころから個人タクシーの運転手を目指していたそうだ。
そして前述の通り、横浜の知識や観光ガイドという仕事に、のめり込んでいった。
どうやって横浜の知識を吸収していったんです?
「それももう。最初は有隣堂にある“郷土コーナー”の本を片っ端から。それと協会の勉強会を受けてですね」
タクシーの運転手は多忙だ。駅のタクシーの車列で客を待つ10~20分の合間などを使って猛勉強をした成果が、今に繋がっている。
しかも現在は「英語でのガイド」もできるようにと車内や空き時間を使って英会話を習得中! 努力の人だ・・・。
運転席で勉強
かながわ検定横浜ライセンス一級を獲得、ガイドでもある。そして話好き、世話好きが功を奏し、個人タクシー協会の理事にまで推挙された。
好きなものがあって、邁進できる人なんだな。
続いて横浜外国人墓地へ
どの場所に、どんな人が埋葬をされているのかもしっかり頭に入っている
そろそろ夕方。暗くなる前にロンドンタクシーが映える場所に連れていってもらう。
山手カトリック教会へ
撮影開始
すぐに人が。「ウチのワンちゃんと一緒に撮らせて下さい!」と
テールも。始め、なかなかタクシーだと思ってもらえなかったそうで・・・
取材を終えて
「タマ~にいる、本当にスゴい人」
今回の取材で、そんな方に出会ったのだと思う。
(投稿いただいたトールさま、お手柄です!)
横浜歴イコール年齢、にもかかわらず横浜観光を満喫してしまった。巡ったところは普段、よく知っている生活道路なのに新鮮だった。
ハマっ子ライターなのに、中原氏に教えてもらう部分も多々あり、驚きすらあった。
地方から訪れた観光客を相手に日々、案内と軽妙なトークをしている中原氏の仕事は、ハマっ子として鼻が高いし、少しだけ観光客に嫉妬するくらいの知識量を誇る。
横浜を走るロンドンタクシーは、地方から来た方はもちろん、ハマっ子が乗っても絶対に感心するはず。
もし見かけたら、ぜひ!
ご乗車をお待ちしています
―終わり―
ロンドンタクシー:中原一浩
横浜個人タクシー協同組合所属 無線682号車
住所/横浜市南区南太田4-4-10
電話/045-714-1313/090-4172-7309
URL/http://www.yokohama-taxi.com
角さん
2014年10月07日 19時46分
乗用車って乗り降りにする時に足腰に負担がかかる。特にタクシーに使われているようなセダンタイプは。それに対してこのロンドンタイプは乗り降りが楽そう。
ginelaylaさん
2014年10月06日 11時23分
昔からロンドンタクシーの良さは存じておりましたが、それに比べると日本のタクシーは、使い捨て感が強く、お粗末ですな。日本の技術でもっと経済的かつ軽量な車を簡単に作れる筈です。日産、トヨタもタクシー専用車を提供しておりますが、ロンドンタクシーには足元にも及びません。オリンピックまでに、誇れる日本のタクシーを作りましょう。
ホトリコさん
2014年10月05日 16時24分
以前から漫画やゲーム、アニメはいずれは卒業するもの…なんてコメントしておきながら、…実はおじゃる丸とけいおん!にはハマっておりまして、けいおん!劇場版にも登場していたあのロンドンタクシーが日本で、しかも横浜で乗れるなんて!これは早速乗るしかありませんね!