西区花咲町に複合型住宅が誕生する理由は?
ココがキニナル!
横浜市西区花咲町に地域の課題を解決する「持続可能な住宅」ができるらしいけど、いったいどんなもの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
2017年秋に高齢化に伴う医療・介護サービスや、待機児童解消の機能を持つ複合型住宅が完成。近隣の住民は賛成の声が多いが、小売店は関心が低い
ライター:はまれぽ編集部
課題は山積
では、西区が抱える課題は具体的にどのようなものだろうか。
鈴木課長によると、西区は総人口に占める65歳以上の高齢者の比率を示す「老年人口比率」は13.8%で、特に計画地に隣接する戸部町・戸部本町・御所山町では高齢化が進んでいるという。
人通りもまばらな計画地の裏手
一方、近年のみなとみらい地区における大規模マンションの建設によって子育て世代の流入が増加傾向にあるそう。このため、2018年4月から10年の期間限定ではあるが、みなとみらい57街区に小学校が新たに建設される予定になっている。
「期間限定の小学校」建設予定地
これらの事情を総合的に判断し、現在建設中の建物は1~3階を計100床の有料老人ホームとして使用。1階には通所リハビリテーションを含むデイケアサービス、物販店舗のほかに地域交流スペースも配置。診療所も1・2階に計2施設分のスペースを確保した。
さまざまな用途を想定している
4階以上は2LDKと3LDKの住居で、計199戸を分譲する。4階に60人規模の保育所、4~5階に遊技場とコミュニティ広場も設ける。一戸当たりの販売価格は未定。
建物周辺のイメージ(提供:横浜市住宅供給公社)
また、西区はこの建物を「新旧市街地の人・空間をつなげる」場所と位置付けており、将来的には新横浜通りを挟んで戸部方面とみなとみらい地区をつなぐ歩道橋の建設なども予定している。
歩道橋の建設も視野に入れている
建設に当たって、公社は既に土地を取得済み。鈴木課長は「市の基本的な考えに沿って計画を進めてくれている」と公社の方向性を評価。吉川課長も「採算重視の民間業者であれば、このような建設計画は難しいと思う。未来につながる住宅地モデルにしていきたい」と話している。
住民の反応は?
新しい建物について、地域住民はどう思っているのかを聞いた。
近所に住む89歳の女性は「もしスーパーができれば買い物も便利になるし、なにより、いつ体が悪くなるか分からないので、診療所が増えることはうれしい。完成が待ち遠しい」と話す。また、2人の子どもがいる20代女性も「保育施設が近所にあって、そこに預けられるようであればすごく助かる」と期待をしている。
「物販店舗」にはスーパーを望む声が多い
一方、戦前から戸部で商売を営んでいるという小売店は「こっち(戸部側)からみなとみらいに行くことはあっても、あっち(みなとみらい)の人はこっちに来ない。住民が増えても影響はないと思うし、期待はしていない。むしろ花火が見にくくなるのが残念」と話していた。
取材を終えて
「持続可能」というと堅苦しいイメージがある。住民の望む声を100%かなえることは厳しいかもしれないが、誰もが納得できる建物であってほしいと思う。
建設状況については、動向があれば随時レポートしていきたい。
―終わり―
ushinさん
2015年08月01日 23時14分
日本各地で過疎(都会の商業地域も含め)により、歴史ある小学校が廃校となったなんて話はよく聞くが、ライブハウスや特設シアターが期間限定で無くなっても別にどうってことなくても、自分の母校がはじめから無くなる前提で通うってのもどんなもんだろう・・・?