歴史的景観のある北鎌倉「洞門山(どうもんやま)」幻の開発計画とは?
ココがキニナル!
鎌倉駅から見える歴史的景観、北鎌倉の洞門山で住宅開発計画があるそうです。開発されると景観が破壊されるため反対運動が起きています。キニナルので取材をお願いします。(にゃんさん)
はまれぽ調査結果!
洞門山の住宅開発計画は、住民の反対により2010(平成22)年12月で廃止された。現在、地層が見えるようネットを張り保全されている。
ライター:橘 アリー
現在の洞門山の様子は?
住宅開発計画があった場所を地図で確認すると・・・
オレンジで囲んだところ。右下が「北鎌倉駅」※クリックして拡大
洞門山の線路側の地層の様子
この地質は、凝灰岩(ぎょうかいがん:火山灰が堆積したもの)という、非常に硬い岩盤層であるようだ。洞門山に沿って歩くと、永い年月に思いを馳せることができる。
そして、洞門山には珍しいトンネルがある
トンネルの線路側入口は、何となく中国風の赤い門があり
門には「好好洞」「会席料理」などの文字が書かれている。
地域の方に伺ったところ、このトンネルは「好好洞(こうこうどう)」トンネルと呼ばれ、このトンネルを潜っていった先に、以前10年くらい前に和食の会席料理店「好好亭」があったそうだ。
素掘りのトンネルである
このトンネルが掘られたのは戦時中のころのようだ。「好好亭」は元々別荘であり、そこから東京の学校へ通う娘さんのために父親(後の「好好亭」のご主人)が掘ったそうだ。
山側から見ると、このような様子
ちなみに「好好亭」があったのは、立ち入り禁止の看板がある辺り
トンネルの出口は素朴な様子である
このトンネル出口から左側の高台が、住宅開発計画があったところ。
トンネル出口すぐ横、高台の下の空き地は売地となっている
その先も、高台の下は空き地となっている
壁面はネットでしっかりと保護されている
こちら側の地層は、特に見応えのあるようには感じられない。
散歩中の方々も、線路側の地層はキレイだが、こちら側はそうでもない、と言っていた。
そして、近隣の方によると、昔は周辺に藤の花なども咲いていて、この辺りの眺めもキレイだったが、住宅開発計画ができる以前にも少し山が削られて、今のような、ちょっと殺風景な風景になってしまったそうだ。
その先の壁面は草が生えて自然な様子になっている
そして、この階段の右側辺りまでが住宅開発計画があった場所
階段を上った右側は行き止まり。“立ち入り禁止”の注意喚起があった
なお、階段の左側には庚申塔(こうしんとう)などがあり
庚申塔の後ろには八雲神社がある
洞門山の西側は見晴らしがいい
洞門山周辺の家の庭には、季節のキレイな花が咲いていた
すぐ近くに住まれている方々が、積極的に署名活動を行い開発は免れたが、今の状態は、ネットで保全されているが昔のように桜など季節の花が咲くこともなく雑然とした雰囲気で、ちょっと中途半端は感じがするという。
そして、“地層が美しいので外から眺めてください”というのは線路側の様子だけで、それは市がとってつけた意見のようにも思える、という厳しいご意見もあった。
鎌倉市内にお住まいの方もお話を聞かせてくれた。
ナガイさん
ナガイさんは、洞門山にある「好好洞」は、北鎌倉の象徴のようなもので住民には親しみがあり、無くしてほしくないものの1つであるとのこと。
洞門山の住宅開発計画が進んでいたら、もしかしたら「好好洞」も影響を受けていたかも知れない。
取材を終えて
開発計画が起こったことで、これまでは名前が無かった小高い山に、洞門山という通称となる呼び名ができた。この先、この小高い山が保全され続けると、洞門山という名前は、いつしか正式に呼ばれる名前になっていくかも知れない。
線路沿いの洞門山。心和む光景である
そして、もうひとつ。
「好好洞」の近くには「緑の洞門」と呼ばれるトンネルがあった。
「好好洞」の前を過ぎ、線路沿いをしばらく行った場所にあるが・・・
こちらは現在、通行止めになっている
「緑の洞門」も「好好洞」と同じように地域の方々にとって、北鎌倉の象徴のような存在とのこと。しかし、安全性の確保の理由で取り壊されるという話もあるようだ。
通行止めになる前の「緑の洞門」の様子(看板の写真より)
この「緑の洞門」の行方も、キニナルところである。
―終わり―
@@さん
2020年02月05日 01時02分
ちょうどこの間行ってきたところです。このころとあんまり変わっていない様でした。八雲神社が面白かった。
こうこうしさん
2016年08月09日 18時01分
好こうてい元駐車場地下車庫住宅開発中です。もはや、赤門裏からの景色は破壊されたばかりでなく、赤門の安全にも疑問符がつきます。安全については公園課に連絡しています。
雲葉 @since1992さん
2016年05月13日 12時17分
この投稿者さんはどこへ行ってしまったんでしょう?