“もう一つの歴史”に触れる街。はま旅Vol.84「蒔田編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第84回は、新たな地下鉄出入り口も誕生した「蒔田編」。最初の地下鉄搬入口、忠臣蔵じゃない吉良氏・・・もう一つの歴史に触れてみた!
ライター:ほしば あずみ
蒔田の吉良氏で地域活性
勝国寺からほど近い場所に旅館を発見。訪ねてみると、この「旅館松島」は創業1884(明治17)年、128年続いているという。現在の女将さんで3代目。前身は真金町にあった「松島楼」という遊郭だという。
庭にはニシキゴイが泳ぎ・・・
広間におもてなしの準備が進む和風旅館
女将の島田さん(中央)と従業員のみなさん
横浜スタジアムで試合をする中学校軟式野球部の部員たちなどには「泊まると勝てる縁起の良い旅館」として知られているそうだ。
女将の島田さんは地域のまちづくりでも精力的に活動している。女将さんが中心となった「蒔田の吉良の時代行列」は2010年から始まり、今年2回目を実施。北条早雲や、その孫娘で吉良氏に嫁いだ崎姫ら歴史上の人物に扮した地域の小中学校の校長先生や生徒たち約140人が町を練り歩いたという。
今年8月の時代行列の様子(写真提供:旅館松島)
「吉良氏は忠臣蔵の悪役のイメージがありますが、元々は江戸城で礼法を司る家。例えば今も結婚式で交わす三々九度の儀は、吉良流の礼法なんですよ。江戸時代蒔田氏を名乗っていた蒔田の吉良氏は、赤穂浪士討ち入り(1702年)の事件で本家吉良氏がお家断絶になった後、幕府から吉良の名を許され、吉良流礼法も継いだんです。そんな地元の歴史をたくさんの人に知ってもらい、地域の活性化につなげたいと時代行列をはじめました」
聞いているだけで元気になる女将さんの話は尽きなかったが、旅館にも宿泊客が続々到着し、忙しい時間になってきた。
毎年広間でみんな一緒に寝るのを楽しみに泊りにくる仲良しの子どもたち
辺りも暗くなりはじめたので、再び駅前へ。まだ訪ねていなかった2番口を目指すと・・・
2番口の目の前に出現した看板
「お疲れさまです 右へ3歩!! 立ち飲み」の看板。気が付くと、ほぼ反射的に右に3歩進んで入店していた。
蒔田の立ち飲み屋「場る」は駅2番口真横に店を構えて6年目。狭い間口に奥に伸びる小さな空間では、既に常連客がくつろいでいた。
気さくだが決して出しゃばらない店主の河奥和美さん
お客さんはほとんど地元の人だが店はオープンな雰囲気で居心地が良い。壁いっぱいに張られた河奥さんお手製のおしながきのイラストも味がある。
イラストに力が入り開店時間ギリギリまで粘ってしまった事もあるそう
天然ブリの刺身(380円)と純米酒(350円)をいただいた
「蒔田は観光地とは違うから、わざわざ訪ねてくるという事はないですよね。でも駅から少し離れるとお好み焼き屋さんが密集しているエリアがあったり、知ると色々面白いですよ」と河奥さん。
旅を終えて
知るといろいろ面白い。それは確かに1日歩いてみて実感できた。
蒔田の吉良氏もこれまで知らなかったが、探るほどに新たな歴史の一面が発見できそうで興味が尽きない。
今回歩けなかった方面にも面白い事が隠れているに違いない蒔田。今度は、お好み焼き密集エリアを探しに訪ねてみたい。
「場る」の生ビール(ジョッキ400円)と名物揚げ串(1本100円)で〆
■今回のはま旅「蒔田」周辺
・「杉山神社」横浜市南区宮元町3-48
・「Chai」横浜市南区宮元町3-50 1F(11:00~15:00/17:00~22:30)
・「漬物清兵衛」横浜市南区宮元町3-58-1 1F
・「横浜英和学院(蒔田城跡)」横浜市南区蒔田町124
・「龍祥院勝国寺(吉良家供養塔)」
・「旅館松島」横浜市南区蒔田町863
・「場る」横浜市南区宮元町3-57(定休日:水曜)
―終わり―
ヒカリさん
2014年04月17日 13時39分
今後も継続して蒔田城の事、ウオッチしてください。
猫山にゃーんさん
2012年11月10日 15時02分
何故に着物?でも色っぽいからOK d(^_^o)。
poipoiさん
2012年11月09日 12時35分
蒔田に昨年越してきたんですが、まだ行った事ない場所も紹介されてて参考になりました。