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バッチャンの名にかけて! 「駄菓子屋のひ孫ライター」細野が保土ケ谷のほのぼの駄菓子屋を訪ねる!

ココがキニナル!

保土ケ谷区坂本小学校近くの駄菓子屋さんは、アレンジでいろいろな食べ方を教えてくれます。ほのぼのします。チョコバナナおすすめ。(むっちーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

地域に溶け込み、子供たちから支持されている「ウエムラ」。オリジナルメニューは店主と子どもたちが一緒になって考え、作られた逸品。

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ライター:細野 誠治

今の子供って、どう?



「本質は変わらないけど、アレルギーを持ってる子は増えたね(ウエムラでは初めての子にはアレルギーの有無を聞く)。後は時間かな。塾とか習い事。遊ぶ時間は減ってると思うよ。暗くなると帰り道が心配だし、5~6時には閉めちゃうよ」

休みの日でも、その時間にしか来られない子が訪れると、お店を開けるという。 「せっかく来てくれたんだし、シャッター上げるだけだよ」と言うが、なかなか出来ることじゃないよ。

子どもが主役。優しい。

さて、ようやく落ち着いてきた店内。時間と共に少しずつ、店に来る子どもの年齢も上がっていく。
初めは子どもの多さに圧倒されたが、上村さんに言わせると“今日は暇な方”だそう。「大体いつも1日に100人くらい。多いと200人かな」

遠くに引っ越してしまった子も、休みに訪れるとか。旧友たちやオッちゃんとの再会風景、目に浮かぶ。
 


停められた自転車と子どもたち。駄菓子屋さんの日常


子どもたちの波が一段落したところで、ゆっくりと写真を収める筆者。懐かしいものと、筆者の知らない商品もあった。
 


一番人気の「ガリボリラーメン」20円。ウエムラではホンの少しお湯を入れて食べる
 

ヨーグルに、糸引き飴(一回20円)。変わってない!
 

きなこ棒(10円)、にんじん(30円)
 

イチオシはイタリアンペペロンチーノ(70円)。
お湯を注いで食べればピリ辛ラーメン、捨てればペペロンチーノになる


日が傾いてきた。アスファルトの影が伸びてきている。ここからは、近くの中学生たちの腹ごしらえタイムだ。
オッちゃんは、彼ら彼女らと話しこんでいる。友だちのこと、学校や宿題、部活のこと。 女の子は恋愛相談かな。切なく胸を叩く心が見えるようだよ。
 


忘れ物のボール。持ち主を待っていた


子どもは気楽なんかじゃないよな。コミュニティーはシビアで、必死に立つ場所を探さなきゃいけないし。駄菓子屋さんってきっと、大人が酒や嗜好品を求めるのと同じなんじゃない? あって良かったと思えるかも知れない場所でさ。



店じまいと、これから



「僕はね、いつ辞めてもいい商売がしたかったの。そうしたら、肩の力が抜けていいんじゃないかって」

「儲けなくたっていいじゃない。損をしなければさ」

子どもの目線。それより、もっと近しいからこそ、肩の力を抜いても繁盛店なのかも。
「リタイヤした方は駄菓子屋さんをやればいいんですよ。歳とってから堅苦しい起業するより、余程いいですよ」
微笑む上村さん。子どもの数が減っていて、難しい局面は多いと思う。でも、こういう駄菓子屋が増えてくれたら嬉しい。
 


無くなったら寂しいよ


この先、ウエムラはどうするんだろう?
「消費税が上がるかも知れないでしょ。厳しいかも知れないけど、子どもたちから貰う訳にはいかないよね。どうなるか分からないけど、閉めざるを得なくなったら―」

店にいた女子中学生の子から小さな悲鳴が上がった。筆者の完全な泥縄だった。反省。
上村さんが笑う。「・・・大丈夫、頑張って続けるよ」

「もしそんなことになったら、みんなで、駅前で署名とかデモ行進するよ」
女の子の真剣な目が、上村さんを見ている。

駄菓子屋さんを動かしているのは、子ども。その通りだ。

さぁ、そろそろ閉店の時間だ。子どもたちの食べこぼしを雀がついばんでいる。
 


ラーメンうまうま♪
 

日課の近隣の掃除。筆者もお手伝い
 

シャッター閉めてお仕舞い


「じゃあ、またね」と言った上村さんの言葉で、子どものころの、家路に向かう切なさが脳裏に蘇ってきた。



取材を終えて



いいお店だった。子どものころは別として、いつの間にか筆者の頭のなかにある駄菓子屋さんは、寂れたイメージだった。今回、それが覆された。
もちろん、店主の上村さんの努力の賜物なのだが、近くの大人も訪れる、地域の、生活の一部にすっかりと溶け込んでいる店だった。 

子どもたちの社交場は、まだちゃんとあった。

今日、出会った子どもたちとは十数年後、駄菓子屋という同じ原体験を肴に、美味しいお酒が飲めるような気がする。

そして最後に、筆者の曾祖母も上村さんのように、子どもたちに囲まれて幸せな時間を過ごしていたのでは・・・と思うと、鼻の奥が少しだけツンとしてきてしまう。

もう一度。いいお店でした。


―終わり―

 
駄菓子屋ウエムラ
相鉄線 上星川駅下車 横浜市立坂本小学校そば。
電話/045-335-3147
不定休
13:00ごろから17:30ごろまで。または、15:00ごろから18:00ごろまで。
 

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  • 心暖まる素敵な取材をありがとうございました!(*^^*)

  • 投稿したむっちーです。近所、他にも駄菓子屋さんってあるのですが、今年子供と初めて訪れたときに、なんか違うな、ほのぼのするなと感じました。それは、上村さんの優しさと駄菓子を通じて、子供達と真剣に向き合う姿勢からあるのかなと思いました。チョコバナナの実食そして、とてもいい取材をありがとうございました。

  • 本当に良いお店ですね。ちかくにこういうお店があれば良いなぁと思います。子供たちにとっても、きっと大人になったとき「良い思い出」になることでしょう。

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