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南区にある一見廃墟のような自由すぎる外見の民家に突撃!

ココがキニナル!

南区に一見怖そうな民家があります。まるでクモの巣のようで恐ろしいです。中からたまに人が出てきたのを見かけたことがあるので、できれば住人の方にお話を聞いてきてください(ふんわりハミングさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

家の外周がロープで結ばれているのは、耐震などの補強の効果と、家を変わった外観にして人目に付くようにしたいというファッション的な意味がある。

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ライター:小方 サダオ

住人が人目に付く家にしたいもう一つの理由



山下さんが家を目立つようにしているのは、自己表現のためでもあるが、理由はそれだけではないという。他人の目を引き、人を呼ぶためでもあるそうだ。

「この家に誰かいっしょに住んでもらいたいから目立つようにしているんだ。たまに家の補強の知識のある、住み込みの大工さんみたいな人を募集するために、街へ出て人を探している。遊び半分の気持ちでいいから、誰かの目にとまってこの家に来てほしいんだ。できれば住み込みのボランティアの大工さんみたいな人に来てもらいたいんだよね。でも家賃は少しくらいは欲しいかな?」とのこと。
 


庭の上に張られたロープには傘や洗濯用ハンガーが引っかけられている
 

植木鉢は目立つために配置されている
 

玄関につけられたボランティア募集の貼り紙
 

「ぼしゅうちゅう」と書かれた板
 

「弟もいっしょに住んでるんだけどほとんど出かけてるし、2階は洋間と8畳間があって誰も使っていないんだ。父は40年前に、母は7~8年前に亡くなった。今まで母の年金で生活してたんだけど、企業年金も少しもらっているし弟は働いてるから生活保護は受けられないしね。誰かに入ってほしいって切羽詰まっているからね。ほんとこんな取材はありがたいよ」とのこと。
 


ご近所に配ったという、母親の訃報を伝える貼り紙が貼られている※名前モザイク
 

また部屋の中にある車椅子について伺うと「足が悪かった母親のための車椅子だよ。大工さん兼管理人で、自分が動けなくなった時にヘルパーもやってくれるような人に来てもらいたいよね。そのために車椅子は取ってあるんだ」と答えてくれた。
 


部屋の中に置かれた車椅子
 

足が悪かった母親のものだった、という
 

家を目立たせることに貢献していそうな、壁のグラフィティに関して伺うと「壁のグラフィティは、描き手を街で探していたら、桜木町駅の柱の壁とかに描いていた専門の人を見つけられたんだ。そこで頼んで描いてもらった」とのこと。
 


グラフィティは専門家に書いてもらった、という
 

壁はラクガキOK、とのこと(あくまで本人談)
 

一見家の外周のロープなどのせいで、異様で近寄り難い雰囲気を感じる人も多そうだが、山下さんは特にこだわりの強い人ではなく、色んな人を受け入れたい気持ちが強い、オープンな人のようだ。

この家にやって来てほしい人について伺うと「とにかく家にいろんな人が出入りしてもらいたいんだよね。そのために目立とうとして自分なりにこういうことをやってるけど、人から何か提案があったら聞くつもりだよ」と答えてくれた。
 


「あのよのわたしふね ヒガンオボン」
 

庭の各所に山下さん作のアート作品(?)が置かれている
 

門に置かれた独特な飾りつけ
 

「デザイナー建築」などのように、建築とアートは結びついていると言える。そこで「アーティストで建築家みたいな人に来てもらいたいですね」と提案すると「それはぴったりだね。とにかく自由に家に入ってもらっていいからさ。仕事のない大工さんみたいな人にやりたい放題増築してもらったりしてもいいんだ」と答えてくれた。
 


門を修繕中の山下さん
 



ご近所とのトラブル



しかし家を変わった外観にしているせいなどで、近所の住人との間で問題になることがあるそうだ。

「たまに敷地内に犬のフンを投げ込まれたり、嫌がらせをされるんだ。長いこと住んでるからね、近所との付き合いは難しいよ」
 


家の前を通る人に嫌がらせをされることもあるという
 

独特の外観から近所の人から問題視されることもあるらしい
 

「人と変わったことやってると難しいよね。町内会の人とか『変なことやるな!』なんて文句言ってくるんだよね。ラクガキも目立つようにやってるんだけど『消せ!』なんてね」
 


壁のグラフィティをよく思わない人もいる
 

「ここまでらくがきOK よろしく ここからわらくがきだめ おこられる」
 

「でもこれでも近所トラブルはないように気を付けてるんだよ」と答えてくれた。
 


ご近所トラブルには気を付けている、と言う山下さん
  



取材を終えて



「木の柱で補強だなんて素人考えすぎる」などと笑う人もいるかもしれない。しかし金銭的に厳しい人にとっての、自作でできる家の耐震対策の一つの形と言え、住人の必死な思いが伝わる。地震が心配な昨今、耐震補強のための予算もなく、このような悩みを抱えている人も多いのではないだろうか。

家の補強という実用性と彼の独自のアート性が融合し、多くの人を呼びたい、という必死な気持ちが伴って、この「くも巣の家」の外観に具現化されたのではないだろうか。

住人は「一緒に住んでくれる人の提案を受け入れたい」というオープンな気持ちの持ち主だ。くもの糸で拘束されたような外観ながら、住人が自由な心を持つ人であることが印象的であった。

しかし山下さんは人を信じやすい人柄のせいか、だまされて人を家の中に入れてしまい、物を盗まれたりすることがあるのが心配だ。だれか良い同居者が現れてくれることを願いたい。
 


ひびの入った塀に書かれた「しんど5いじょうアブナイ キケン ヒナン」の文字
 


―終わり―
 

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  • こういう場合、孤独死の問題があります。ご近所とあまり親しくないと病気になったときなど辛いでしょう。ご近所殻のイメージもありますので、自由人といえど自由は迷惑と取られると助けてもらえなくなります。かなり重要な問題だと思います。

  •  ご本人は「まじめに考えた末」のことかもしれませんが、これで耐震性が上がるとは、どうにも思えないです。  さらにいったん火事になったら、燃えるものばかりで手がつけられなくなりますね。縦横無尽に張り巡らされたロープも避難の邪魔になるだけでしょうし。  残念ながら、全て裏目になっています。  何らかの形で、(公的な)支援が得られればいいのでしょうが、ご本人はすれを受け入れなさそうですし。

  • 昔からこういう変な人、ていましたよね。引きこもりの年寄りみたいな人、て。昭和の頃はこれでも良かったけど平成の今は逮捕とかされても当たり前だったりするからめんどくさいですよね。

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