屋根のない2階建てバス「KEIKYU OPEN TOP BUS」から見た景色は?
ココがキニナル!
京急が三浦半島で2階建ての「KEIKYU OPEN TOP BUS」を運行開始します。是非乗ってきてください/「みさきまぐろきっぷ」が大リニューアル。どう変わる?(黒霧島さん/inemugiさん)
はまれぽ調査結果!
リニューアルで「みさきまぐろきっぷ」が利用できる地域、施設、飲食店数が増加。さらに屋根のない2階建てバス「KEIKYU OPEN TOP BUS」の運行が始まった
ライター:やまだ ひさえ
三浦市を見下ろすバスの旅
「KEIKYU OPEN TOP BUS」は1日3便。午前10時30分、午後2時30分、午後3時発だ。1便と2便は、三崎口駅から城ヶ島までの片道コース、3便のみ三崎口駅から城ヶ島を経由し、三崎港を抜け、三崎口駅に戻る周遊コースになっている。
第1便に乗車するガイドの飯島さん(左)とドライバーの菱沼(ひしぬま)さん
記念すべき運行初便の乗客たち
乗車口はバス中央部にあり、すぐに階段になっている
出発の様子を見ていたご近所さん
「地元の人間は乗れないからな」と残念そうにつぶやいていた。
席は受け付け時に指定される
関係者のお見送りを受け、第1便が出発
記念すべき初日第1便の乗客は29名。定員を大きく下回っての出発だが、これは午前9時台に京成線と京急線で相次いで人身事故が起こり、ダイヤが乱れていたことが影響したと思われる。
運休の影響はそのあとも続いた
ダイヤの乱れに加え、「KEIKYU OPEN TOP BUS」の周知不足が加わり、第1便出発後に「三崎マグロ駅」に着いた「まぐろきっぷ」利用者たちは、第2便の出発を待たず路線バスで三崎に向かう人が多かった。せっかく三崎においしいマグロを食べにきたのだから早く移動したいという気持ちは分かる。
待つこと2時間。第2便の出発時刻になった。第2便は筆者も同乗、川崎から来たという猪本多佳子(いのもと・たかこ)さんにお話を聞くことができた。
左から2便のドライバー大住(おおすみ)さん、猪本さん
「みさきまぐろきっぷのリニューアルを知り、有給をとってOPEN TOP BUSに乗りにきました」という猪本さん。電車の遅れで待ってからの乗車だ。
最前列をゲット
「三崎マグロ駅」の看板を真横に見ながら出発
駅出発直後の車窓の風景
普段、見上げている街路樹が真横に、畑が眼下に見える。
バスはこの後、通常は路線バスに乗務、三浦の道を知り尽くしている菱沼さん、大住さんのドライバーの2人が「ここを走るんですか」と驚き、生まれも育ちも三浦市という筆者が信じられないと思った道に進んでいく。
「松輪入口(まつわいりぐち)」でバスは左の道に入る
路線バスは曲がらず通りすぎて行く
近年は三浦霊園への抜け道として利用されることが多いが、元々、農道としての色合いが濃く、ここを大型バスが走ると聞けば地元民なら「えっ?」と疑問の声をあげるような道だ。
しかし、このルートを強く推したのは京急の鉄道本部長の道平さん。道平さんが個人的に気に入っているドライブコースだそうだが、ルート確保にのあたり整備の苦労があった。
車高の高いバスに合わせ木の枝が伐採されている
運行の邪魔になりそうな木の枝の高さを1本1本測り、自治体、住民の協力を得て伐採。ルートを確保した。苦労して完成させたルートなだけに、素晴らしい眺望が開ける。
車窓左手には畑越しに相模湾
お天気が良ければ富士山を見ることもできる。
道が狭いので対向車が来たら一旦停止
道路を見下ろす。OPEN TOP BUSならでは醍醐味だ
車窓右手には東京湾
房総半島まで望めるには車高が高いバスならではだ。
ベテランドライバー2人が「難しい」と声をそろえる「松輪入口」からのルートのなかで、もっとも神経を使うのが、岩堂山(いわどうやま)を抜ける坂道だ。
右側のS字状にカーブした道をあがっていく
開けた屋根越しの岩堂山
岩堂山は標高88.4メートル。市内でもっとも高い山だが、県内では一番低い山だ。
バスは進み、宮川(みやがわ)公園の風車も見えてくる
冬はダイコン、春はキャベツと季節よって表情を変える畑の中を進む
片道ルートの終着、城ヶ島が見えてきた。
城ヶ島のバス停
「気持ちよかったです」と感想を話してくれながら下車した猪本さん。さらに千葉から観光で来て、初めて2階建てバスに乗ったという男性も「気持ちよかった」と話してくれた。
周遊コースは、城ヶ島で折り返し、城ヶ島大橋を渡り三崎の町へと進むのだが、実は、筆者は運行開始前日に行われたプレス向けの周遊コースの試乗会にも参加している。
城ヶ島大橋から見渡す三崎の町
車高の関係で路線バスや自家用車では見ることのできない景色。3.5メートルの高さに座席があるOPEN TOP BUSならでは贅沢な眺めだ。
電線が近い
路線バスの屋根も下に見える
三崎港を走るOPEN TOP BUS
車窓の風景を動画でお楽しみください。
三崎港を過ぎたOPEN TOP BUSは、三浦市の西海岸、相模湾にそって進んでいく。
絶景が続く三浦市の西海岸
油壺マリーナでは停泊中のヨットを堪能できる
頭上のこの看板が「油壺入口」の目印
路線バスと同じルートをたどり三崎マグ“ロ”駅に向かう
最後までガイドに徹している
所用時間は片道コースで30分、周遊コースで60分だが、車窓から街を見下ろすというこれまでにない体験と、軽妙な語り口のベテランガイドさんの案内で、あっという間に過ぎたという思いが強いバスの旅だった。
取材を終えて
取材を行った10月初旬は、屋根の無いバスでも寒さを感じることはなかったが、冬場には上着を1枚、また日傘を含めた傘の使用は禁止されているので、日差しが強いときは帽子などを用意したほうがいいかもしれない。
KEIKYU OPEN TOP BUSは、みさきまぐろきっぷにセットになっている「三崎おもひで券」がなければ、現状では乗車できない。「地元の子どもたちにも乗れる機会を」と記念式典の祝辞の中で語った吉田・三浦市長の想いは実現するだろうか。
―終わりー
KEIKYU OPEN TOP BUS営業所
場所/京急「三崎口」駅構内
営業時間/10:00~16:30※雨天・荒天は運休
三崎水産物地方卸売市場食堂
住所/三浦市三崎5丁目245番地7 三浦市三崎水産物地方卸売市場 2階
電話番号/046-880-1620
営業時間/6:00~17:00(月曜日~金曜日)、6:00~20:00(土曜日)、5:00~20:00(日曜日)※10:00-11:00は仕込み準備の為クローズ
定休日/水曜日
HP:https://sites.google.com/site/misakidining/
IKさん
2017年10月16日 15時22分
車体フロントデザインを見ると、30年位前の車体だと思われます。同世代のバスはもう滅多に見ません。はとバスさんだったから丁寧にメンテナンスされて今まで残っていたのでしょう。今後は塩害対策をして長く走れればいいですネ。
黒霧島さん
2017年10月15日 19時08分
ご乗車感謝!!三浦半島観光客のテコ入れもあるのでしょう 横浜市内も走ってくれないかなぁ
ポスポスさん
2017年10月15日 10時03分
乗ってみたい気はするけど三浦半島の狭い道をわざわざ二階建てバス走らせる意味があまりよくわからない。バスの高さに合わせて沿道の木の枝まで切るなんて………。