根岸の米軍住宅で行われた「2011 Negishi Bon Odori 根岸盆踊り」はどんな感じ?
ココがキニナル!
根岸の米軍住宅で行われた「2011 Negishi Bon Odori 根岸盆踊り」はどんな感じ?
はまれぽ調査結果!
普段入れない基地の中は小さなアメリカ。巨大なアメリカンフードと地元の踊りや太鼓が楽しめるミックスカルチャーの楽しいお祭でした。
ライター:吉田 忍
根岸森林公園の裏には、フェンスに囲まれた約43万平方メートルの敷地内に385戸の米軍住宅があって、米軍人や軍属及びその家族が居住している。
私たちが普段は入れないこの場所だが、年に2回だけ足を踏み入れるチャンスがある。
それは、春に行われるフレンドシップデーと、夏の終わりに開催される根岸盆踊り。
アメリカ国旗の下にwelcomeのバナー。日本国旗ももちろんある
今回行った根岸盆踊りは、もう46回目の地元に愛されているお祭。毎年3~4千人の訪問者があるとのこと。
案内してくださったのは、米海軍横須賀基地横浜支所の渉外専門官、小松里恵子さん。
忙しい中、このお祭や根岸米軍住宅について教えてくださった小松さん
オフリミットのフェンスの中は、小さなアメリカ
8月27日(土)、根岸盆踊りのオープンゲートは15:00。
オープンとともに待ち構えていた100人ほどが、次々に荷物検査と金属探知機のゲートをくぐって入場していく。
ゲートの中からは、旧根岸競馬場のVIP席だった建物「一等馬見所」も間近に見える
会場は、コミュニティセンターの建物をはさんで、ステージや食べ物の屋台ブースが並ぶメイン会場と、子どもたちのためのアトラクションがそろったゲームゾーンにわかれている。
会場マップに書かれた『Negishi Bon Odori』ロゴは、「o」が提灯の形
コミュニティセンターは、スーパーマーケットや映画館、ボーリング場の「Negishi Bowling Alley」などが入っている建物。
「Negishi Bowling Alley」は6レーン。隣にはビリヤードやゲーム機が並ぶゲームコーナー
関税の関係でスーパーマーケットの入店は不可。映画館もお休みだけれど、ボーリングはプレイ可能。
メイン会場のステージでは、「第七艦隊ファーイーストエディション」が演奏中。
ネイビーの白いセーラー服はドナルドダックを彷彿させる
開場から30分ほど経ったところで開会式が始まる。
まずは日米国歌の演奏。パワーのある素晴らしい「君が代」と「星条旗よ永遠なれ」
米海軍横須賀基地の司令官デービッド・オーウェン大佐は、東日本大震災からのさらなる回復を願うことなどを伝えたのち、市民との交流の楽しさを語り、「後でぜひボンダンスにチャレンジしてみたい」とスピーチ。
司令官デービッド・オーウェン大佐。ベイスターズの試合を見るのが最近の楽しみだとか
毎年恒例の樽酒鏡割りがあって開会式が終了すると、屋台のブースが一気に活気づく。
メイン会場には30程度のブースがひしめく
屋台にはアメリカンフードがズラリ!!美味しそうなメニューに思わずゴクリ。 次ページ ≫
これぞアメリカンフード 基地名物の食べ物がズラリ
日米の交流を目的としたお祭なので、1/3程度は日本の屋台だが、人気なのはやはりアメリカンフード。
しっかり煙を染み込ませたスモーキーフレーバーが味の決め手。ずっとこのくらい煙っている
基地名物のBBQ(バーベキュー)やハンバーガー、チリナチョス、ピザ、巨大なスモークターキーレッグに行列ができている。
シンプル過ぎるハンバーガー。野菜やチーズなどのトッピング付のものもある
カタカナがあることでかえって謎めいてしまったメニュー
『Navy Bowl』は「海軍丼」という意味。BBQやアドボといった海軍名物メニューが並ぶ
アドボは、鶏を醤油味で煮込んだフィリピン発祥の料理。
BBQやBBQチキン、アドボを乗せた「Navy Bowl」
ナチョスを売っていたブースの店員さんたち
手作りのケーキやクッキーを売っているブースもある。試食品の大きさもアメリカン
そして、外せないのがアンソニーのピザ。
これは横須賀などの基地でも開放日には1時間以上待ちの行列ができるほどの定番。
次々に焼きあがるピザを5時間以上切り続けたお兄さん
40センチくらいある巨大なサイズでペパロニピザが1200円。
アメリカではポピュラーなピザチェーン
薄くてしっかりした生地と、ハーブが香るソース、そして「Real Cheese(本物のチーズ)」が売りのピザはクセになる味。
冷凍して温め直してもおいしいとのことで、5箱くらい持ち帰る人もいる。
こちらは、コンビネーションピザで1440円。大雑把に切られたオニオンがいかにもアメリカンクオリティ
次のページではお祭りの醍醐味のひとつでもあるグッズゾーンやゲームゾーンが! ≫
グッズや和むゲームゾーン
屋台は食べ物ばかりではなく、海軍グッズもある。
オバマ大統領のTシャツ。XXXLまである
ピンズやワッペンのほかに、ネイビーこけしというレアグッズも
コミュニティセンターの反対側に回ると、入口でチケットを購入してチャレンジできる、子ども向けのさまざまなゲームコーナーがある。
ボールを投げてミルク壜を倒すゲーム「ミルクボトルプレイ」
射的とビンゴを組み合わせたものや、輪投げといったゲームは残念賞もありの優しいルール。
美月ちゃん、光一くんとお母さん。米ドルで買い物できるのも面白いとのこと
エアーハウスと呼ばれるトランポリンもいくつか用意されて、子どもたちの楽しそうな笑い声が響いている。
メイン会場に戻る途中で、均整のとれた美しい軍用犬を発見!
首輪のバックルがカッコいいサンダー号とナイスガイのボードナーさん
ベルジャン・マリノアという犬種のサンダーは、狼の血が強い美しく賢そうな瞳の犬。
ボードナーさんとは生後8ヶ月から2年間パートナーとして過ごしていて、「パトロール中にバッドガイがいると教えてくれる」らしい。
そうこうするうちにあたりはすっかり暗くなってくる。会場にも浴衣姿が多くなってきて雰囲気も高まってくる。
浴衣のお母さんとチョウチョの甚平がかわいいメラニーちゃん
「浴衣は美しいけれど、ちょっと暑いですね」と顔をあおいで見せてくれた。
純和風の盆踊りを日米のファミリーがいっしょに楽しむ
盆踊り櫓(やぐら)では、本郷お囃子連盟、相模龍王太鼓、港南阿波踊りの会などのパフォーマンスが行われ、いよいよ盆踊りの開始。
相模龍王太鼓のパフォーマンス
東京音頭、相馬盆唄、福島地方バージョンの炭坑節、そして「よこはまアラメヤ音頭」と続いていく。
港南阿波踊りの会の踊りを手本に、次々と踊りの輪が広がる
『よこはまアラメヤ音頭』は、横浜市歌を盆踊り調に編曲したもので、手旗信号の振り付け。
不思議なタイトルは、歌詞の一部「この横浜にまさるあらめや」とあるところから命名されたとか。
かわいい柄が入った甚平姿のアメリカンキッズもボンダンスを楽しんでいた
取材を終えて
会場で過ごしている時にたびたび、「ゲストとして来てくれた日本人を温かくもてなそう」という気持ちが伝わってきた。
目が合えばみんなとびきりの笑顔で答えてくれて、つたない英語で話しかけると一生懸命耳を傾けてくれる。
東日本大震災直後、災害救助や復興支援に強力なサポートをしてくれた米軍の「Operation Tomodachi(トモダチ作戦)」にはげまされた日本人は多かったはずだ。
震災直後の暗く不安な時に、「オペレーショントモダチ」という作戦名を聞いて思わず胸が熱くなったことをありありと思い出す。
沖縄など米軍基地はいろいろな問題を抱えているけれども、彼らのこのような笑顔に触れて、立場を越えて個々の人間同士は友達なんだと思った。
被災地にいち早く向かって救助や支援を行ってくれた米軍人は、被災者にもこういったとびきりの笑顔を見せてくれたのに違いない。
―終わり―
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とうさんさん
2013年03月04日 11時14分
なつかしいなあ~30年ほど前だけどバイク仲間がたくさんいたから、毎週末のように入り浸っていた。軍事基地じゃなかったから当時はゲートもなく、日本人の軍属のパトロールのおっさんが立っていただけ。バイククラブの仲間と催し物があるたびにハンバーガーとか売って活動資金を得てた。当時は顔馴染みだったから新人以外は顔パスでは入れたけど、今はごついゲートもできて、腰にはコルトガバメント45口径を携えた本物の軍人が警備している。911以来物騒になったからねぇ。あそこの住宅も当時でさえ見てくれは良くても実はボロかった。そろそろ移転時だよねぇ。
ぽんぽんさん
2012年12月07日 22時53分
根岸の住宅に2011年6月まで住んでいました。写真の中には何人か知っている顔もあり懐かしく思いました。悪いことばかりがニュースになり残ってしまいますが、ボランティアをしたり人命救助もしています。原発事故後、アメリカに戻ってしまった家族もいますが、しばらくしたらまた戻って来ています。
段保田さん
2011年10月13日 10時18分
太田市議によれば、フクシマ原発事故以来、根岸米軍住宅吉では住民の大多数が避難して今なおもぬけの殻です。そうした状況に関心も寄せずに、オペレーショントモダチ、よかった、よかったとは、危機感のない愚民ぶりを見事にさらけ出した記事です。