急きょ開催決定! 鎌倉花火大会が中止になった理由はなんだったの?
ココがキニナル!
鎌倉花火大会の中止が決まったそうです。補助金が出ない等の事情があるようですが、何らかの方法で開催できないのか気になります。(ハムエッグさん)
はまれぽ調査結果!
観光協会が実行委員会を退会したため、資金集めや事務処理が困難になり中止になったが、市などが業務を担い開催することが4月21日に発表された
ライター:福原 麻実
先日、今年で69回目を迎えるはずだった、鎌倉花火大会の中止が発表された。
2017年7月19日に鎌倉海岸で開催予定だった
鎌倉花火大会は、毎年7月に鎌倉海岸で開催される、大規模な花火大会である。昨年の2016(平成28)年は15万人もの人でにぎわったという。
いったいどのような理由で、開催の3ヶ月も前である4月に、花火大会の中止が決まったのだろうか? 今後はどうなるのか? 答えを求めて、まずは鎌倉市に問い合わせたところ、観光商工課が該当部署だそう。
取材は花火大会中止の発表があった3日後4月13日
花火大会中止の理由は?
お話を聞かせてくださったのは、同課の廣川正(ひろかわ・ただし)担当課長と中澤準(なかざわ・じゅん)主事のお二人。
いろいろ聞かせてくださった廣川担当課長(写真左)
毎年恒例だった花火大会が中止になったのは、一言で言えば費用の問題だったようだ。しかしその費用がまかなえなくなった理由が、やや複雑だった。
花火大会の実質的な運営を行っていたのは鎌倉市ではなく公益社団法人鎌倉市観光協会(以下観光協会)である。観光協会が花火大会のスポンサー集めや、開催のための事務手続きを行っていた。その観光協会が鎌倉花火大会の実行委員から退会することとなり、資金集めをはじめとした準備を担う団体がいなくなったため、中止せざるを得なくなったそうだ。
なぜ、観光協会は実行委員会から退会したのか?
まず、観光協会には鎌倉市から活動の資金として約4700万円の補助金が交付されており、事務所の賃借料や人件費に充てられていた。
鎌倉駅そばの江ノ電ビルに観光協会の事務所がある
しかし、観光協会が職員の雇い止めを行っていたことがわかり、鎌倉市議会(以下市議会)は前年度の予算がどう使われていたのかを確認するために、観光協会に対して議事録の提出を求めた。
それに対し、観光協会の返答は「議事録をすべて提出すると、自由な議論や意見交換に支障が出る。必要なのが議事録のどの部分かを指示していただければその部分だけ提出する」というものだった。
観光協会は議会の要望に応えなかった
市議会はそれを拒否し、改めて議事録をすべて提出するように求めた。しかし、その後も議事録が提出されることがなかったため、市は補助金の全額をカットした。その結果、観光協会は充分な人員を確保できずに花火大会の実行委員会から退会してしまったという。
花火大会のスポンサー集めなどを行っていた観光協会が、それを行わなくなると、当然ながら資金は集まらず・・・花火大会中止となってしまったのだ。
正直、観光協会が速やかに議事録を提出し、雇い止めに正当な理由が認められ、ほかにも不自然な点がなければそれで済んだのではないだろうか? と思わずにはいられない。
「オトナの事情」でこんなにきれいな花火が見られないなんて・・・(提供:鎌倉市)