横浜市内に趣のある銭湯はどこにある?第3弾
ココがキニナル!
西区戸部町4丁目にある銭湯「松島館」がキニナリます。銭湯裏側には大量の薪が積まれている所を見かけるのですが、ひょっとして今でも薪を燃やしてお湯を沸かしているのでしょうか?(ひろりん。さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
銭湯特集の第3弾は、まきで沸かすことにこだわった銭湯3軒を紹介。建物、水、植栽と、それぞれに特徴のある、個性豊かな銭湯が勢ぞろい
ライター:河野 哲弥
暑い夏こそ、熱いお湯でリフレッシュ
横浜市内にある個性的な銭湯を、同じテーマで紹介しているこの特集。
※過去の記事はコチラ
横浜市内に趣のある銭湯はどこにある?
横浜市内に趣のある銭湯はどこにある?第2弾
今回は、「まきで沸かしている」ことを条件にピックアップし、取材を申し込んでみた。投稿にあった「松島館」は残念ながら応じていただけなかったものの、かなり個性的な銭湯3軒から了承を得ることができた。
ご飯もまきで炊くという、「福美湯」の例
まきで沸かしたお湯は、一度入ると病みつきになる人も多いという。何がそこまで違うのだろうか、その理由なども伺ってみることにしよう。
戦前から続く建物は文化遺産級?中区「間門湯」
最寄りはJR山手駅もしくは根岸駅、ともに徒歩20分ほどの距離にあるのが、昭和の香りを色濃く残した「間門湯(まかどゆ)」。戦時中、この周辺は戦火で焼け野原になったものの、かつて建物の海側にあった山が目隠しとなり、無事空襲を免れたのだという。
屋根の一部が直交する代表的な銭湯建築「入母屋造り」
天井の左右が丸くなっている「船底造り」
建物自体は1939(昭和14)年からあったそうだが、現経営者の澤井さんがこの銭湯を引き継いだのは、1961(昭和36)年とのこと。名前も、以前のまま使用しているそうだ。
約半世紀にわたり番台に座り続ける澤井和子さん
小銭を受け取るたびに削られ続け、くぼみがついてしまった番台
サウナやジャグジーなど近代的な設備はない。しかし、典型的な銭湯建築、細かなタッチのタイル絵、今では希少となった銭湯絵師による富士、湯船に向かった番台など、銭湯の標準様式がすべて凝縮した博物館的な存在だ。
触れるもののほとんどに歴史があり、説明しつくすことなど不可能
お孫さんと思いきや、和子さん自らの作風だという
肝心のお湯は、夏なら43度前後、冬は熱めの45度前後と、季節によって温度を調節している。まきにこだわる理由について伺ってみると、「スープもコトコト煮るとおいしくなるでしょ、まきでじわじわ沸かすと、お湯もやわらかくなるんじゃないかしら」と和子さんは話す。
風呂釜を担当するのは、息子さんの役目
まきは、主に港などで使うこん包用の部材などを引き取って使用している。熱めのお湯でも、「肌に刺さるようなとがった感じがなく、寝るまで湯冷めしない」と常連には好評なのだとか。
すすや燃えかすなどの掃除が大変らしいが、暑い夏でもさっぱりした汗を流したいという利用客のために、これからも頑張っていきたいそうだ。