市内に点在?横浜の特別な地名?打越の由来とは?
ココがキニナル!
横浜のいたる所に「打越」という地名がありますが、何か由来があるのでしょうか。「打越」の意味を調べてもどう地名に繋がったかわかりませんし、私は九州出身です見かけたことがありません(たにけいさん)
はまれぽ調査結果!
市内に8ヶ所確認された打越は、横浜だけでなく日本中にある地名だった。その由来は、中区打越など地形から付けられたものが多いようだ
ライター:田中 大輔
今回のキニナル地名は、市内にいくつもあるという「打越(うちこし)」。
ひとつの都市に同じ地名があるということになにか意味があるのだろうか。また、特別な由来のある名前なのだろうか。
横浜に打越という町名は1つだけ?
打越と聞いて、パッと思い付くのは石川町駅近くにある町名だ。
駅から川沿いに元町商店街と反対側に向かって進み、車橋南交差点を左に。坂を上った先にあるのが打越だ。
坂を上っていくと、打越。この奥に橋がかかっている
全体が住宅街になっていて、目立つものと言えば打越橋くらい。
心霊スポットとも言われるが、そんなことより橋の美しさに注目すべし
橋がかかっている場所は、切通し。
つまり、元々は両側の崖がつながっていたということで、真ん中を削って道路を敷いたため、両側をつなぐ目的で橋がかけられたというわけだ。
この辺りの崖もそうだが、全体的に起伏の激しい場所で、住宅街の中にも坂や階段が多く見られた。
こういった小さな階段がいたるところに見られる
さて、肝心の地名について。
「横浜の町名」などの本で調べてみても、実は打越という町名はこの1ヶ所だけなのだ。
でも、キニナルには横浜のいたるところにある地名だと書かれている。
まずは、ココ以外の打越を探すべく図書館に向かった。
実はいっぱいあった打越という字
今回の調査で使ったのは、市民局から発刊されている「横浜市町区域要覧」という行政資料。この本には、市内のすべての町名と字名が収録されているのだ。
町名は中区にしかないことが分かっているから、お目当ては字名だ。
18区の字名を順番に見ていくと・・・
「打越」を含む地名は、市内にこれだけある
思った以上に出てきた、打越という字。
中区打越を含めると、全部で5ヶ所。打越町や上・下打越も入れれば8ヶ所も存在することになる。
ただし、1963(昭和38)年以降、横浜市内では南区の蒔田町と弘明寺町を除いて、字名は住所の表記上は廃止されている。
字名が使われるのは登記簿くらいだそうで、手紙の宛先や日常的な書類などでは登場しない。後は地元の人たちが日常会話で使うくらいなのだろう。
そのため、市民局や各区役所に問い合わせてみても、どこからどこまでがなんという字なのかは把握していないようだ。
使われることの少なくなった字名とはいえ、市内に8ヶ所も同じ地名があるというのは確かに不思議。なにか横浜の土地にまつわる特別な由来があるのだろうか。