帆船日本丸が20年ぶりに大改修!日本丸の船底とドライドックの様子を大公開!
ココがキニナル!
帆船「日本丸」が20年ぶりの大修理で、水を抜いて船底が見られるそうです。1月にある船底見学ツアーのレポをお願いします。(nobaxさん)
はまれぽ調査結果!
壁面は明治~大正の築造技術の変遷を残し、普段は水中に隠れている舵やプロペラ、船底を支える盤木など貴重な姿を特別に公開。ドライドックの様子が見られるのは2019年3月末まで!
ライター:はまれぽ編集部
港町横浜のシンボルとも言える「帆船日本丸(にっぽんまる)」が、約20年ぶりに大規模改修を開始した。
1930(昭和5)年1月29日建造、船齢89年を迎える帆船日本丸
横浜市は2017(平成29年)9月15日国の重要文化財に指定されたことを受け、今後も横浜港のシンボルとして次世代に引き継ぐための大改修が必要と判断。2018(平成30)年11月より改修工事に先立ち、1号ドックの水を抜いて約20年ぶりにドライドック(乾船渠/かんせんきょ)の状態となった。
2018年12月末の様子
現在は排水作業が終了
市は2019(平成31)年1月13日と14日の二日間、貴重なドライドック内の様子や帆船日本丸の船底を見ることができる市民見学会を開催。はまれぽでは市民見学会の様子を取材させていただいたので、その一部を皆さんにもお届けしたい。
上から見た様子(画像提供:@kaaminibsさん)
いざ、ドライドックへ!
約6倍の競争率で当選した皆さんとともに、ドライドックへ。
階段で深さ11メートルまで下る
中に入ると微かに磯の香りが鼻をかすめ、1号ドックと日本丸の大きさを全身に感じる。全体的に貝殻やフジツボなどが目立ち、ここが普段「陸」ではないことに気付かされた。
みな一様にして日本丸を見上げている
市民見学会を案内してくれたのは、帆船日本丸の船長、飯田敏夫(いいだ・としお)さん。
飯田さんは「船長」のヘルメットを装着
「1号ドックは1896(明治29)年に起工した船の修繕用のドックで、建造当初は全長170メートル弱のドックでした。その後、大きな船が増えてきたため1918(大正7)年に約34メートル増築し、160メートル規模の船を修繕できるようになりました。そのため、明治から大正にかけてのドック築造技術の移り変わりを見ることができます。足元や壁面を見てください」と飯田船長。
船尾方面は長方形の石を使用
船首方面は正方形の石を使用
「明治期に作られた部分の構造は石造で、神奈川県真鶴産の小松石(安山岩)を2万個調達したといわれています。それでも足りなかったので追加発注をかけて造られました。大正期に増築した部分については、煉瓦造及びコンクリート造となっており、小さい石の方が運搬しやすく、値段も安価だったのではと推測します」
写真の青丸部分に見える煉瓦を境目に増築されている
写真左側が明治期に建造された部分で、右側が大正期に増築された部分。飯田船長は「増築部分は地盤が岩盤のため地質が良好なので煉瓦を使用したのではと考えています」という。
増築した船首側の壁面は煉瓦造。垂直に煉瓦が積まれている
逆ハの字形になっている階段は中盤からコンクリートで作りなおされ、下まで行けないようになっていた。
途中からコンクリートで作りなおされた階段
クレーンなどがない時代、材料をドック内に滑り下ろしていたスロープもある。
下ろす側も受け取る側も緊張しそう・・・
1号ドックに関しては「建造した当初のままの状態」で保存するため、石積みなどには基本的に修繕の手を加えないそう。ドライドックの期間中にぜひ、石の大きさや配置、構造の変化から明治~大正の時代の流れを感じてみてほしい。
次に1号ドックゲートが全容を現すのは何年も先