吉田町にオープンした「アーキシップ ライブラリー＆カフェ」

画材屋やBARなどが立ち並ぶ吉田町。そこに、ひと際オシャレな空間が広がるお店がある。私も何度か通り掛かったことがありその存在は知っていたが、入って良いものか躊躇していた店だ。
　

店の名は「アーキシップ ライブラリー＆カフェ」

アーキという名前から想像できるとおり、建築（architect）関連の書籍が並ぶライブラリーである。
2階には飯田善彦氏の建築事務所があり、1階をカフェスペースとして提供している。
　

店主である飯田善彦さん

元々は馬車道で事務所を構えていたという飯田さん。しかし、震災を機に建築家として街と関わることについて考えるようになったのだという。
その後、オープンな場所を設けた場所に移転する構想が高まって、ヨコハマ創造都市センターに相談。そこで紹介を受けたのが現在の場所で、昨年10月には事務所を移転し、その後今年4月に1階のライブラリー＆カフェをオープンしている。
　

ガラス張りでオープンなスペースが魅力的

店内に蔵書された約3000冊の書籍は、一部寄付されたものを除き飯田さんご自身が使っているもの。そのため一部を除いて販売しておらず、この場で読書を楽しむためのものばかりだ。
　

壁一面に本が並んでいた

並ぶ本の多くは建築関連の専門書や雑誌であるので、なかなか一般の人は「難しい…」と思ってしまうかもしれない。ただ、そんな人には…

横浜のまちづくり本がオススメだ！

まちづくりや、街の歴史も建築学に含まれるので、郷土関連の本も多い。建築のことは難しいが、横浜のことなら興味を持てる！という人は是非こうした本を読んでもらいたい。
　

珈琲や抹茶などのドリンクはクッキー付きで500円

オープンして間もないが、通りがかる人が気になって入ってくれる事が多いというこの店。
しかし飯田さんは「建築を学んでいる学生にもたくさん来て欲しい」と話しており、学生は200円でドリンクが飲める。専門誌の多いブックカフェなので、やや大人向きだとは思うが気軽に足を踏み入れると良いだろう。

中央図書館のすぐ近く「風信」

最後に紹介するのは、横浜中央図書館のすぐ近くに店を構える「風信（ふうしん）」。
　

裏路地にあり、まさに隠れ家的な魅力がある

本が運ぶ情報を「風の知らせ」と連想し、そこから風信という名を付けたそうだ。
元々は出版社で働いていたというご主人。定年後は古本屋か喫茶店を開きたいと考え、結局両方やろうと思って店を開いたのが6年前のこと。

ロゴのネズミがトレードマーク

ご自身で古書や本の卸しなどから仕入れているという本は約3000冊。旅や自然、伝統、小説、音楽などその範囲は多岐にわたり、絵本だけでも150冊は取り揃っている。なお、現在は店内に並ぶ本の数が多くなったため、買い取りは行なっていないそうだ。
　

本がところ狭しと並んでいる
　

今週のおすすめという棚もあった

本の出版を仕事にしてきたご主人のチョイスで集められた本の数々。特に読みたい本が決まっていないという人は是非ここに来て、寄りすぐりの一冊を発見するのも面白いだろう。
　

オススメの軽食セット（1000円）が美味しい！
　

軽食セットについてくるホットコーヒー

大きな牛肉とキノコの煮込み、パン、その他ドリンクが付く軽食セット。ビールで煮込まれた牛肉は、ホロリと柔らかく美味しかった。
　

素朴なご主人も好印象！

店が中央図書館の近くにあるので、図書館帰りに立ち寄る人が非常に多いのだそうだ。店を出す際も、図書館の近くなら、本好きの人が集まりやすいのでは？というご主人の構想も見事にはまっている。
人の出入りの多い図書館を出て、一人落ち着いて本を読みたい方にはオススメの店だと言えよう。

取材を終えて

本屋さんや図書館と違い、ブックカフェで並ぶ本には店主の個性が露出している。
それだけに、並んだ本を見ていると店主との距離が少し縮まったような気分になれる。ネットでクリックすれば本が買える時代になったが、こうしたブックカフェで好きな本を探し、本を通じて店と仲良くなるような関わり方ができれば、新たな出会いや発見があるのかもしれない。


―終わり―


◆アートギャラリー「と」
横浜市中区石川町3-108-5
定休/土・日・祝
12:00-18:00
http://jiza1.jp/to/

◆アーキシップ　ライブラリー＆カフェ
横浜市中区吉田町4-9
定休/月・日・祝
火-金）13:00-18:00
土）12:00-18:00
http://libraryandcafe.wordpress.com/

◆風信
横浜市中区野毛町3-142
定休/月・火
12:00—19:00（金･土は21:00まで）
http://home.netyou.jp/33/fushin/