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帷子川にはどんな魚がいるの?

ココがキニナル!

この時期、鶴ヶ峰から中原街道までの川沿いの遊歩道を歩いていると、沢山の小さな魚の群れを目にしますが、魚の種類がよく分かりません。調査よろしくお願いします。(youki4663さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

小さな魚の群れはオイカワかアブラハヤである可能性が高い。また、他にアユ・トウヨシノボリ・ギバチなど多くの魚が確認されている。

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ライター:松崎 辰彦

帷子川にはさまざまな魚がいる



お話を伺ったのは担当係長の竹田隆彦氏と医学博士の樋口文夫氏。お二人とも横浜の河川の生物に関して、長年にわたり調査研究を続けている。
帷子川の魚に関して伺うと、樋口氏が説明してくれた。

「帷子川ではこれまでにアユ、オイカワ、ギバチ、トウヨシノボリなどといった魚が確認されています。とくに今のような7月、8月は繁殖期が過ぎて幼魚が現れ、海からも魚が遡上してきますから、いろいろな種類が見られると思います」
 


お話を伺った竹田氏と樋口氏


平成23年度調査では、帷子川では全部で18種類の魚が確認されたとのこと。アユ・オイカワ・ギバチ・トウヨシノボリ・コイ・ギンフナ・モツゴ・ドジョウ・ホトケドジョウ・ボラ・メダカ・スミウキゴリ・ウキゴリ・ビリンゴ・マハゼ・ゴクラクハゼ・シマヨシノボリ・ヌマチチブである。
 

帷子川に生息する魚たち(写真提供・横浜市環境科学研究所)
アユ
 
オイカワ
 
ギバチ トウヨシノボリ

 
一見、何もいないように見えたのは、やはり眼が慣れていないせいだったのか。藻が多く、わかりづらかったことはたしかだが、よく観察すれば、何か見えたかもしれない。脇道から川底も見通せるのだから、水とてきれいなはずである。
しかし今はきれいな帷子川も、かつては受難の時代があったのである。




環境意識の高まりが魚を呼び戻した



都市の河川の多くが経験した汚染を、帷子川も過去に経験した。
戦後の人口増加に伴い生活排水も増加し、それが帷子川にも流れ込み、川の生物の命を脅かした。

微生物が、生活排水に含まれる有機物を分解する際、水中の酸素を大量に消費することにより、魚など他の生物は酸欠状態となり棲めなくなってしまう。
帷子川も、そうした状態に追い込まれた。

さらにはまれぽの記事
横浜の名産品「スカーフ」、その由来と今の生産規模は?にもあるように、帷子川には多くの捺染(染色)工場が立ち並び、その排水によって川の水が汚染されもした。

そんな帷子川の水質が復活したのは1990年代に入ってからのこと。下水道普及率が著しく向上すると共に環境保護思想も高まり、
横浜の河川は自然を意識して再生されるのか?』にもあるように、河川工事も従来の無機的なコンクリート張りの改修から、川の中に緑を広げる低水路と呼ばれる自然を尊重した改修になるなど、生物環境を考慮した工法が採用されるようになった。

下水道普及と工法の変化が、
両面から河川の生物環境を改善したのだった。
 


川の中にも緑を保持する


こうした変化は、帷子川の魚にも反映された。環境科学研究所では3年に一度河川の生物の調査を行っているが、1993年には帷子川でアユが初めて確認された。アユは「生物指標」として用いられる魚であり、アユが住んでいる川は「きれい」な川であるとされる。
その頃から帷子川にいる魚は種類を増やし、最新の調査では先に挙げた18種類が確認されている。

 


帷子川の調査風景(写真提供・横浜市環境科学研究所)


そんな帷子川の上流では、水深が浅い箇所もあり、そうした箇所は水温が上昇しやすいので、魚にとって少々棲みづらいかもしれないという。ただ全体的に勾配が急で水の流れが早いので、その点ではアユなどには快適な環境であるといえるらしい。



川べりの散歩で命と触れ合える



樋口氏は言う。
「川を観察しながら、脇道を歩かれるだけでも楽しいかと思います。ただ帷子川は脇道と川の面が離れている所が多いので、よく見えないかもしれません」
 


帷子川は水面と脇道の距離が離れていて水中が見づらい


たしかに帷子川は、中を覗こうとしても離れて見えない箇所が多い。そのために、樋口氏は双眼鏡などを用意することを勧める。
「あと偏光サングラスなどもあると便利です。水面の光の反射が遮られ水中がよく見えるようになります」
こうした観察道具は、各人で工夫するとよいだろう。

 


アユの多い場所。流れが急で、岩盤のあるところにいるという
(写真提供・横浜市環境科学研究所)


多くの生命を宿している帷子川。魚を観察しながら歩くのも、自然と触れることにほかならない。



取材を終えて



「帷子川と大岡川は横浜市内に源流を持ち、全体の中でいろいろな様相を呈している川です」
樋口氏が説明した。川は命の宝庫であり、私たちにとっては大きな憩いの場である。川べりを散策して、そこに住む生物を観察することは、何にも増して心が癒されることだろう。今後もよりよい環境保全を望みたい。


─終わり─


横浜市環境創造局政策調整部環境科学研究所 
住所:〒235-0012 横浜市磯子区滝頭1-2-15
電話:045-752-2605
FAX:045-752-2609
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/kenkyu/
Eメール:ks-kanken@city.yokohama.jp
 

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  • 1980年代、相鉄線で帷子川を見るのが嫌で仕方がなかったんですよね。本当に汚くて。西谷の新幹線の向こう側は蛇行していて樹木の足元を赤土の崖が見えて雰囲気はよかったのに、流れる川があれではなぁ、とがっくりしてました。でも今ではあの箇所もまっすぐに工事され、それと共に印象も随分変わりましたね。今では二俣川まで鮎が遡上しているそうですし、一度散歩に行ってみようと思います。長生きはするもんですなぁ。

  • 小学生の頃は日本一汚いとまで噂されていて、近づくだけで川が見えない所でも悪臭が漂っていました。反面、社会見学の時は歩ける距離に沢山工場がありました。メカ好きではありますが、それ以上に生き物好きなので、勿論、今の帷子川とその支流が大好きです。

  • 調査する時期にもよるかもしれませんが、川辺公園から河口でコトヒキ、ウナギ、スズキ、ナマズ、マルタ、アユカケ、マブナ、鶴ヶ峰付近でヤマメ、ニジマス、アブラボテ、良くわからないタナゴ(タイリクではありません。)を過去に釣ったことがあります。川辺公園では9~10月にコトヒキが大量に遡上してきます。(1cm~2cm)スズキは8~9月川辺公園で。ナマズは5月(ルアーもしくはどじょうで釣れます。)ウナギは6月~10月(遡上してきたアユを切り身で仕掛ければ確認は容易いです。特に西谷近辺であれば簡単に見れます。)その他の書いた魚は滅多に釣れませんがたま~に釣れます。

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