ワガママなお母さんが切り盛りする? 神奈川区の「我がまんまお母゛やん」に突撃!
ココがキニナル!
内路交差点近くの「我がまんまお母やん」。どんなお母やんが切り盛りするのか、常連でなくても入れるか、名前の由来などもキニナル(moiziさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「我がまんまお母゛(が)やん」の開店は40年以上前。名付け親の先代が亡くなり、由来は不明だが、常連でなくても気軽に入れる温かい接客が魅力
ライター:秋山 千花
今も昔も変わらないのはお母゛やんの温もり
ここでキニナル店名について聞いてみる。
「お母さんも喜んでくれると思って名前の変更はしませんでした」とのことだが、残念ながら店名の由来など詳しいことはわからないとのこと。「お母゛やん」が、なぜ濁点つきなのかも詳細は不明。
さらに「お母゛やんの出身地の方言とかですかねぇ?」と突っ込んでみたのだが、「確か埼玉の出身って聞いたことがありますけど、方言かどうかまでは・・・」と結局わからずじまい。
濁点の謎はお母゛やんだけが知っている!?
さらにもうひとつ「植草さんは我がままな人だったんですか?」の問いには「う~ん、我がままと言えば我がままなのかなぁ」との曖昧な回答。
気に入らない客は出入り禁止にしてしまうという、一見我がままに思えるエピソードもあったようだが、聞けば気に入らない客とは、ほかの客に迷惑をかける困った客のことで、我がままというよりはむしろ一本筋の通ったしっかり者のお母さんといった印象。
「お母さんには、よく仕事のグチを聞いてもらいました」と当時を懐かしむ有香さんの表情からも、お母゛やんの温かさと厳しさが伝わってくる。
では、そんな元祖お母゛やんの想いを受け継ぐ有香さんの「我がまんまお母゛やん」はいったいどんな店なのだろうか?
そうだ、厳つい頭のあの人に聞いてみよう!
「何? 取材?」と興味津々の常連客・イロさん(自称70代)いわく、「この店が面白いのは23時過ぎから」とのこと。
現在は休みなく毎日18時半から営業している同店だが、取材にお邪魔した20時台はまだまだ宵の口。週末は明け方近くまで大盛り上りなのだとか。
スタッフも気立てのよい女性ばかりで、イロさんを虜にする有香さんのほか、「ライスで乾杯する」きみちゃんや、怒った顔もかわいいのりちゃんが手伝いに入る。
この日の担当はのりちゃん。自然体の接客で居心地がよい
気さくな女性スタッフがいる店だからこそ、やはり客層の中心は常連の殿方たち。「常連客が多い=新参者や女性独りでは入りにくい店」という印象を抱きがちだが・・・?
すでに一杯ひっかけてきたご様子の常連・3人組
常連3人組改め「バツイチトリオ」の皆さんの話によると「ここの客はみんな大人。変な絡み方をする人もいないから大丈夫だよ」とのこと。元お客さんの有香さんも「女性のお客さんにも来てほしい」と歓迎モード。
カウンターの端に座って独りで飲むとこんな景色が見えます
ここで「調査ですから何か注文しましょうよ!」と、ウキウキ・ルンルンの松山氏。ただビールが飲みたいだけじゃないのか? という疑惑は拭えないが、とりあえず「生一丁!」
チャージ料はお通し代込で1000円。生ビールは一杯500円
飲み物はほかにも焼酎やワイン、ウイスキーなど、さまざま。値段もウイスキーロック500円からと、非常にリーズナブル。もちろんボトルキープも可能だ。
「いやぁ~、仕事中のビールは最高っすねぇ」とご機嫌の松山氏はさておき、イカ下足と里芋の煮っころがしは男心をくすぐりそうな家庭的なお味。
「まだまだ勉強中の身で、元のお母さんのようにはいかなくて」と控えめで、食事メニューは少なめ。
スナックかな・・・?
元祖お母゛やん時代からの人気メニュー「揚げチーズ」は600円
「お客さんにもよく言われるんですよ、何の店なのって」とちょっと困った顔の有香さん。要望があれば定食や裏メニューも出てくるのだとか。「我がままを聞いてくれるいい店だよ」と常連さんたち。「有香ちゃんの料理はどれも美味しい」と評判も上々だ。
「ならば!」とすぐに調子に乗るのが、「我がまんま編集者」こと松山氏。厚かましくも「裏メニューをください!」と注文する彼に嫌な顔ひとつ見せず有香さんが作ってくれたのがこちら。
できたてほやほや、熱々の茶碗蒸し(400円)
「あるもので作ったから」とちょっと照れながら差し出された茶碗蒸し。具材はしめじと鶏肉、ぎんなんに三つ葉とシンプルながら、お出汁がじゅわっとにじみ出るジューシーかつふわとろな味わいは充分「表」メニュー級。大都会横浜で一人暮らしをする隣の席の若造も「これ、うまいっすよ!」と大絶賛。