しょぼい駅「神奈川駅」。名付けられたその真相は!?
ココがキニナル!
なぜ「神奈川」駅はあんなにショボいの?県名が入ってる駅なのに・・・なぜ「神奈川」と名付けたのでしょうか。(aimar21さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
旧国鉄神奈川駅に隣接した京浜電鉄「神奈川停車場」がルーツ。横浜駅に近く乗降客数が少ないですが、「小粒でもピリリと辛い」駅です!
ライター:鈴木 亮介
初代神奈川駅は1905(明治38)年開業
京浜急行広報課によると、初代神奈川駅が誕生したのは1905(明治38)年のこと。
「神奈川停車場前」として開業し、20年以上にわたって営業を続けたが、1930(昭和5)年3月29日に旧反町駅などと統廃合し、「青木橋駅」が開業したことで、一度姿を消す。
しかし、利用者に馴染みのない名前であったことから、わずか8日後の4月6日に「京浜神奈川駅」と改名。二代目神奈川駅の誕生だ。
その後、付近にあった東急東横線神奈川駅が廃止したことにより、1956(昭和31)年に「神奈川駅」と改名し、現在に至る。
ちなみに青木橋は日本初の鉄道跨線橋だという
下の写真は臨海セミナー横浜本校脇の道路と京急・JRの線路を撮影したものだが、この付近に初代神奈川駅が建っていた。現在では何の痕跡も残っていない。
かつてこの辺りに初代神奈川駅があった
ではそもそも何故「神奈川停車場前」が出来たのか。
そのルーツをさかのぼっていくと、意外な事実が判明した。
実は日本で二番目に古い「神奈川駅」。しかしその末路は・・・
「神奈川停車場前」の名の由来は、実は旧国鉄東海道線に「神奈川駅」があったことによる。
当時の資料を大宮の鉄道博物館内のライブラリーで発見した。
資料の撮影は一切NGという条件付きで取材に応じていただいた
明治5年の旧暦5月7日、品川-横浜間で日本初の鉄道運行が開始されたが、直後の旧暦6月5日に、2つの途中駅が開設された。それが、川崎駅と神奈川駅であった。設置理由としては東海道五十三次の宿場の一つとして神奈川宿が栄えていたことが挙げられる。駅名の由来ももちろん、神奈川宿から来ている。
しかしその後は開港地・横浜が瞬く間に繁栄し、神奈川宿は衰退。1924(大正13)年の時点で横浜駅の年間乗降客数が695万人だったのに対し、神奈川駅は57万人だというから、その差は歴然である。
廃止直前の神奈川駅(画像:横浜開港資料館所蔵)
横浜駅の移設で神奈川駅と近接したことや、生糸輸送の横浜線(旧・横浜鉄道)の中継地として東神奈川駅が発展したことも重なって、1928(昭和3)年10月15日に旧国鉄・神奈川駅は廃止。
気になる今後・・・神奈川駅も廃止?
実際地元の人達は神奈川駅をどう見ているのか。
宮前商店街で店主を対象に聞き取りを行ったところ、神奈川駅は不要という意見が多数を占めた。
駅の真ん前で営業する飲食店のオーナーいわく「神奈川駅?いつも自転車通勤なので、利用したことないですね」と話す。
相変わらず閑散とする宮前商店街
では今後、京急・神奈川駅はどうなるのか。
改めて京急電鉄広報課の飯島氏に話を聞いたところ、現在の神奈川駅の1日あたりの乗降客数は5363名(平成22年度)で、京急全72駅中69位だという。断崖絶壁に立地するため、エレベーター設置などバリアフリー化が難しく、またホーム延伸もできないため今後特急などの優等列車が停車する可能性もないという。
それでも京急では神奈川駅を廃止する予定はないと断言する。
朝夕は予備校生を中心に一定の利用客がいることと、関東の駅100選に選ばれるほど外観・歴史ともに味のある駅だということがその理由だ。飯島氏いわく、「小粒でもピリリと辛い、そんな駅です」とのこと。
崖っぷち? な神奈川駅だが、「小粒でもピリリと辛い」
取材を終えて
”しょぼい”と言われながらも神奈川宿の歴史を着実に残している神奈川駅。
現在は予備校などの利用者で何とか持っているものの、休日の利用者などを考えたら今後廃止される可能性もないとは言い切れない。個人的には、こういう味のある駅はいつまでも残っていてほしいと思う。そのためにも、地元商店や市場、寺院が一体となって、歴史散歩に訪れる観光客を誘致するなど、活性化に力を入れてほしいものだ。
―終わり―
新横浜市民さん
2019年02月25日 14時18分
リニア新幹線の開通で、橋本駅が新神奈川駅に改名したら混乱しそう。頑なに神奈川駅として続いて欲しい。
もくさん
2018年01月22日 10時49分
ハマに生まれ育って半世紀以上、おかげさまで長年の疑問が晴れました(笑)感謝です。
たんぼモグモグさん
2018年01月20日 02時31分
この駅は青木橋駅の改名なのですよね。廃止されたばかりの隣駅の名を譲り受けて(1930年)。