横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.42 人と繋がる「二俣川銀座商店街」で人情リレー! 地元民おすすめ激安グルメに舌鼓
ココがキニナル!
横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.42 人と繋がる「二俣川銀座商店街」で人情リレー! 地元民おすすめ激安グルメに舌鼓
はまれぽ調査結果!
「ゆうや」でスピード定食、「温故知新」でチーズケーキをいただく。残金僅かのところを土下座して「ぼうず」でビールと餃子を堪能した。
ライター:三輪 大輔
まだまだ魅力がいっぱいの二俣川フォルテ
「温故知新」さんは「ゆうや」さんから歩いて3分ほどの場所にある。
テラス席も用意された木のぬくもりが温かな外観
店主は宇佐美尚雄(うさみ・たかお)さんである。店をオープンしたのは2000(平成12)年8月なので、もうすぐ16年目を迎えるそうだ。
はまれぽのうちわと共に写る宇佐美さん
「温故知新」の店内は、どこかレトロな喫茶店を思わせる温かい雰囲気になっている。
窓から降り注ぐ光が、優しく店内を照らしている
そして店内で目を引くのが、入り口付近に設置されたマガジンラックだ。宇佐美さんが厳選した10~20年ほど前の雑誌が並べられている。
本棚の中では「oasis」は解散していないし、サッカー選手の中田英寿も現役です
メニューは「ゆうや」さんの布留川さんに聞いていた通り、リーズナブルなラインアップになっている。
店の前に置かれている看板
中でも「温故知新レアチーズケーキ」(200円・税込)、「ブルーベリーケーキ」(200円・税込)などのリーズナブルな価格のスイーツは宇佐美さんの手作りであるという。
実は宇佐美さんは、以前サラリーマンだった。しかし自分で店をやりたくて、40代前半で会社を退職。その後、調理士の専門学校に通い、ケーキやコーヒーの教室にも足を運んだそうだ。
そこで宇佐美さん渾身の「温故知新レアチーズケーキ」を注文することに。
すべすべした真っ白なチーズケーキ! 美味しそう!
早速、出てきた「温故知新レアチーズケーキ」を食べてみると・・・プルンとした弾力がお口の中ではじけて、おいしい! スッキリとした味わいだから、男でもドンドン食べることができる。
うまし!
午後10時30分まで営業している「温故知新」には、商店街の方がミーティングで使ったり、仕事終わりに立ち寄ったりするお客さんが多いそうだ。ゆっくりと過ごせる喫茶店は重宝しますもんね。
宇佐美さん、ありがとうございました!
良い場所にステッカーを貼らせていただきました!
こうして残金は300円となった。
昼ごはんとデザートでお腹が一杯になったので、少し二俣川のディープな世界を覗いてみたい。そこで次に二俣川フォルテにある面白いお店について、宇佐美さんに尋ねてみた。
しかし、その面白いと勧められたお店を尋ねてみたが・・・なんとその日は取材NG!
こうしてテレフォンショッキング的に、店から店を紹介してもらう流れが途切れてしまった。
楽しげなお店だったのだけれど・・・残念!
ただ、先程から回っていて感じたことがある。夜に営業する店以外でシャッターが降りている店舗はないし、人通りも多いのだ。なかなか活気がある商店街のような気がする。
そこで商店街の中でも、ひときわ古い店で街の歴史を尋ねてみることに。二俣川駅から神奈川県運転免許試験場へと抜ける道路沿いにある「豊屋寝装店(ゆたかやしんそうてん)」に入ってみた。
神奈川県運転免許試験場に行く途中で見た方もいるはず
「うちが店を開いたのは1965(昭和40)年だから、今年で創業50年。この辺りでは一番古いお店になるかもしれないね」と答えてくれたのは、店のオカミさんである。この日、2回目の顔出しNGであるが、うっつんが「おかあさん、肌がきれいですね~」と取材を忘れて口説きにかかるほどのべっぴんさんだ。
寝具だけでなく、パジャマなども豊富に並んでいる
「うちができたときは、商店街のある場所も空き地だったのよ。神奈川県立がんセンターや神奈川県運転免許試験場があったから、昔から人は多くいたわね。今、ドン・キホーテになっているところに、名店街というのがあったの。そこに個人商店が並んでいて、ずいぶんにぎわっていたね。20年くらい前に再開発が行われて、今のような街になったのよ」
ドン・キホーテのある場所には個人商店が並んでいた
「豊屋寝装店」も創業当時は通りの反対側で営業をしていたが、二俣川駅周辺の再開発に伴って、1996(平成8)年に現在の場所に移転したそうだ。
図面を書いて街の歴史を説明してくれる
昔から人が集まりやすい環境で、商店街も場所を移動しながら発展してきたのか。街の歴史が分かったところで、オカミさんに二俣川フォルテの面白いスポットについて尋ねてみた。すると近くに囲碁教室があるという。ということで、次に囲碁教室に行ってみることにした。
しかし・・・お店を出ようとすると当然の豪雨に見舞われる。「か、傘がない・・・」と立ち往生してしまった筆者たちに、オカミさんが「使っていない傘があるから持っていって!」と声をかけてくれた。
改めて、二俣川の方の温かさに触れることができた。ご厚意に甘えて、傘を拝借します。本当にありがとうございました。
貴重な話だけでなく、傘までも・・・本当にありがとうございます!
激しい雨の中、次の目的地である囲碁教室の「二俣川囲碁センター」に向かった。出迎えてくれたのは大知(おおち)さんである。二俣川囲碁センターは二俣川で開業して40年ほどになる。大知さんは6代目の店長で、囲碁歴は12歳のころからだという。
御年64歳の大知さん
「囲碁教室」という名前の通り、小学生などを対象としたスクールを行っているが、普段は常連の方々が多く詰めかけて対局が組まれているそうだ。
「囲碁は奥深いゲームで、面白いよ。初心者でも大体3回打つとルールが分かってくるかな。囲碁をやると自分で考えるクセはつくね」
囲碁の料金は、1日800円である。囲碁初心者である筆者も、囲碁にチャレンジしてみようと思ったが、お金が足りない・・・しかし800円で何時間でもいられるのは、かなりお得である。
囲碁に熱中する常連の方々
最後に二俣川にも30年ほど住んでいるという大知さんにおススメの店について尋ねてみた。「良い飲食店が多いよね」という大地さんの口から「ゆうや」さんや、この日取材ができなかったが多くの店主から支持を集めた「かつふみ」さんの名前が挙がる。そして最後に「ぼうず」さんという居酒屋の名前があった。
そこで1000ぶらの最後に「ぼうず」さんに行ってみることにした。
大知さん、ありがとうございました!
「ぼうず」さんは、囲碁教室から歩いてすぐの場所にある。しかもこの日は生ビールが大サービスの価格で390円だ。確かに安い! 普段なら、迷うことなく入店し飲んだくれることであろう。しかしこの日、残金は既に300円である。
390円で生ビールが飲めるなんて・・・お得だ!
入るべきかどうか躊躇する筆者の肩を、誰かが優しく叩く。振り返ると、そこにはうっつんの顔があった。しかも親指を立てながら、笑っているではないか!
・・・頼もしい。
勇ましく入店していくうっつんに全てを委ねて、「ぼうず」さんに入ることにした。
人が繋がる街・二俣川フォルテ
出迎えてくれたのは店主の水石(みずいし)さんである。
とてもフランクな「ぼうず」の店主・水石さん
「ぼうず」さんは、2015年8月で開店10年周年を迎える。水谷さんが今は別の場所でラーメン店をやっているオーナーから、店を引き継いだそうだ。コンセプトは中華居酒屋で、看板メニューは「自家製餃子(280円・6個入り)」である。
ここで「できれば300円でビールを・・・」と切り出すうっつん。「行け、頼んだぞ!」と思っていると「彼も、頭を下げていることですし・・・」と筆者の方を向く・・・おいっ!
こうなったらビールだけでなく、餃子も併せてお願いしよう。「お願いごとは、大きいものから出すのが鉄則だ」と以前読んだ営業のハウツー本に書いてあったし。土下座で済むのなら、この頭下げてみせよう。
300円でビールと餃子を、お 願 い し ま す !
この誠意が通じたのか、本来はありえないことだがお店のご厚意で300円分のビールと餃子をいただくことに・・・水石さんがフランクな方で本当に良かった! ありがとうございます。
300円分のビールと餃子。ジョッキと比べると丁度半分くらいの量だ
早速、看板メニューの餃子を食べてみた。すると程よく油がしみ込んだ皮の中に、餡がぎっしりと詰まっていて、お酒が進む味に仕上がっている。これは、美味しい!
「飲み物は、ほかでも同じものが飲めたりするじゃない」と水石さんは言うと、店のメニューのこだわりについて聞かせてくれた。「だけど料理は違うよね。だからこそ、うちでしか味わえない料理を出すことにこだわっているよ。メニューにはラーメンもあって今度、『ガチめん』にも出場するんだよね」
飲みの〆のラーメンとして人気がある「ぼうずラーメン」(620円)
醤油ベースで、とんこつ・鳥ガラ・煮干しなどを煮込んだという濃厚なスープが美味しそうだ。
麺の縮れ具合もスープとの絡みを良くするため、こだわっているポイント
最後に水石さんが二俣川フォルテについて、このように言っていた。
「横のつながりが強い商店街だね。おススメの店はたくさんあるし、夜も面白い街だよ。温かい人が多いところが気に入っているかな」
筆者も、その人の温かさとお店同士の繋がりの強さで、魅力的なお店にたくさん出会うことができた。そして残金0円となり、1000ぶら終了!
取材を終えて
今回、最高のお店を求めてリレー形式で二俣川フォルテを回ってみたが、全て魅力的なお店であった。しかも取材中には、焼肉食堂・うるは・真魂(まごころ)などのキニナルお店の名前が続々と挙がり、まだまだ魅力的なお店があると感じた。
底知れぬ楽しさが溢れる商店街。それが二俣川フォルテだ。
ご協力いただいた商店街の方々、改めてありがとうございました!
二俣川駅で出会ったバンド仲間であるという高校生たちもフランクでした
―終わり―
取材協力
友書房
住所/横浜市旭区二俣川1-45
ゆうや
住所/横浜市旭区二俣川1-45 深沢ビル2F
電話/045-364-4151
温故知新
住所/横浜市旭区二俣川1-45
電話/045-361-8850
豊屋寝装店
住所/横浜市旭区二俣川1-46-21
電話/045-363-5266
二俣川囲碁センター
住所/横浜市旭区二俣川1-45-76
電話/045-364-8440
営業時間/12:00~20:00
中華居酒屋 ぼうず
住所/横浜市旭区二俣川1-48
電話/045-391-5054
営業時間/17:00~翌01:00
のんべえさん
2016年02月01日 00時47分
小学3年時に埼玉から横浜に引っ越してきて、二俣川銀座はにぎやかで楽しいとこだ!と子ども心に思ったものです。あれから早くも36年経ちました。今後は夜のお店に行こうと思います。
shunさん
2015年07月07日 11時27分
夜の二俣川銀座もなかなかディープな街だと思うので、今度是非取材してみてください。
座敷わらしさん
2015年07月03日 10時14分
元旭区民です。二俣川銀座ってなにもないような質素な感じがするんですが。意外といい店があるんですね、知らなかったなぁ〜。友書房とは別に昔、CDや本のリサイクルショップがあってよくパソコン関係の本などがあったんで行ってました。今は無くなってしまいましたが。友書房は文学系がたくさんあって探しきれないくらい。