横浜ベイサイドマリーナで今年もタモリが熱狂!「タモリカップ2015」ジャパンファイナルツアー横浜大会をレポート!
ココがキニナル!
東北大会が嵐のコンサートで中止になったことで話題になったタモリカップが今年も9月12日に横浜大会が開催されるようなので取材をお願いします。(コビン・ケスナーさん・秋沙さん)
はまれぽ調査結果!
昨年をはるかに凌ぐ熱気は雲を吹き飛ばし奇跡の快晴となった。そして朝8時から飲み続けたタモさんのコンガの演奏は今夜も最高だった
ライター:永田 ミナミ
風がなけりゃ、ねえ船長
さて、パレードを終えたヨットはレースが始まるまで海の上で待つ
189艇の海上パレードが終わったのは午前10時30分ごろ。第1グループのスタート予定時刻は午前11時ということなので、少し時間がある。花井さんが「スタートラインの場所は風向きなどを見ながら直前に決定する」と教えてくれた。
つまり、それまでは風の向くまま気の向くままゆっくり海を楽しむ時間
すれ違うヨットと陽気に挨拶を交わしたり
最後のメンテナンスをしたりしながらスタートの時を待つ
やがて午前10時50分にスタート10分前の信号が鳴り響き、55分に5分前の信号が鳴らされたのだが、ここで風が弱いためのスタート延期となった。
そう、昨年は天候が良くなかったぶん勢いのある風が吹いていたが、今年は快晴に恵まれたがそれほど強い風は吹いていないのだった。
一般に夜間から朝にかけては海より陸の温度が低いので、陸から海へと「陸風」が吹くが、日が昇って暖められた陸が海より温度が高くなると、今度は海から陸へ「海風」が吹く。今は海風に変わる前で、いわゆる朝凪の状態じゃないかと、またもや花井さんが教えてくれた。
なんて心強い同乗者を得たことだろう、などと喜んでいたら
しばらく時間があると思うのでお弁当でも食べますかと土屋さんが言ってくれたので
船上でのランチタイムに。写真左の男性が頼もしき花井さんである
そして、花井さんと話しながらハンバーグを頬張っていると頬を撫でる風
「風、出てきましたね」と花井さんが言うと、土屋さんの無線にスタート時刻を知らせる連絡が入った。ちょうどお弁当を食べ終わるところだったわれわれは、最後のひと口を頬張ってスタートラインに向かうことにした。
いよいよスタート
スタートラインはオレンジ色の旗を立てた本部艇と信号艇の間と土屋さんに教えてもらい、疾走するボートの上から探した。
では探している間に、大会パンフレットにある「森田名誉会長のワンポイントアドバイス」を紹介しておこう。
今大会はヨットレースとしては日本最大の参加艇数がエントリーしています。そこで、参加する皆さんに一言申し上げます。
このレースは、日本一楽しいヨットレース、あのタモリカップであることをお忘れなく!
たとえ優勝してもそれほどエラいもんじゃありません。間違って優勝などしようものなら、みんなから笑われるかもしれません。
勝負の中にも”譲り合いの精神”と”助け合い”そして”笑顔”を忘れずにレースを楽しんでください。
いいことを言うな、と思っていたら土屋さんがスタートライン付近で速度を落とした
そして本部艇を発見
このどこまでも続くヨットのはるか向こうにいる信号艇はもはや見えない
と、改めて189艇のすごさを感じているとスタートの信号が鳴り響き、ついにスタートの信号が鳴り、快晴の横浜の海をヨットが動きはじめた。タモさんの言葉を借りれば「風だけを頼りに疾走するヨット」のスタートは、風と波の音だけが聞こえる静かなスタートだった。
波を切ってゆっくりと海の上を滑っていくヨットレースのスタートシーンをどうぞ(YouTubeにリンクしています)
上の動画を見ると分かるが、スタートしたあとにスタートラインに向かっていくヨットが何艇もある。これはスタートが3グループに分かれているためであり、先ほどの壮観なスタートシーンはまだ全体の一部でしかなかったのだ。
その後、ヨットは風を読みながらそれぞれの方向に進んでいった
ヨットレース、そしてタモリカップの楽しみ方
では無事にスタートも切られたので、昨年も説明したがヨットレースがどのように進んでいくか、少し説明しておくことに。
ヨットレースは真横から直角に風を受ける(アビーム)ときに最もスピードが出る。向かい風(アップウインド)に対しても45度くらいまでは進むことができる(クローズ)。もちろん追い風(ダウンウインド)でも進むことができる(ランニング)が、真後ろから風を受けると失速してしまう(デッドラン)。
そして風向きを読んで左右に切り返しながら進んでいく(タッキング)のだ
続いてコースについてだが、ヨットレースでは基本的に三角形か台形のコースを反時計回りにまわり、事前に「帆走指示書」で指定される。
今回はこんな感じの直角三角形のコースでルート2の辺を2回走ってゴールである
コース図の黄色い円筒形はこの黄色い浮標(ブイ)なので、ここでターン
上の写真でヨットの左舷に膨らんでいるのは追い風のときに張る「スピン(スピネーカー)」という帆で、ターンの際に素早く操らなければならない。
ターンが終わったヨットは素早くスピンを降ろしていく
それではそんな素早いマスト捌きが見どころの華麗なターンをどうぞ(YouTubeにリンクしています)
そしてまたそれぞれに風を読んでタッキングを繰り返しながら
色とりどりの帆に風を受けて次のターニングポイントを目指すのだ
ちなみにヨットにはスピンがあるものとないものがあり、あるヨットのほうが速いが、タモリカップ横浜大会のパンフレットでは「大会主旨を正しく理解している船」「大会主旨を相当理解している船」「大会主旨通りに走れる船」の3つのクラスは「レース公示」ではそれぞれ「(スピンなし)」とされている。
そう、タモリカップは最も速いクラスが「大会主旨を確実に理解していないと思われる船」となる。「たとえ優勝してもそれほどエラいもんじゃ」ない「日本一楽しいヨットレース」なのだから。
タモリカップ参加資格にはクラス分けに「クレームを言わない人」が適用されている
いろいろなヨットレースを観てきた花井さんも「こんなに参加者がみんな楽しんでいるレースは初めて」と言っていた。
いやはや本当にみなさん楽しそうである
そして楽しいレースもやがてゴールしなければならないときがやってくる
ゴールしたらバーベキューを待つだけ
土屋さんがゴール地点にボートをまわしてくれるとゴールが見えてきた。
このオレンジ色の旗を立てた2艇の間を通過すればゴールである
ゴール付近では各艇が鎬を削っていたが
1艇だけ少し方向が違うぞと思ったら
ゴールラインを通過していった
ヨッ トの名前は「Lucky Lady VIII」。お、あれは海上パレードのときにブーメランパンツでマストにのぼるというパフォーマンスを見せたヨットではないか。そういえば花井さんもスタート前から「Lucky Lady VIII」は速いと言っていた。裸芸を披露しつつ、ずば抜けて速いとは何ともいかした艇である。
その後も続々とゴールしていくヨットたち
こちらは「SAKURA」のみなさん。お疲れさまでした
ゴールしたらピンクの浮標に沿って帆船「みらいへ」のほうに向かい帰港する
最初の「Lucky Lady VIII」がゴールしたのはスタートから1時間ほど経った午後0時時30分ごろだが、スタート時間の差や速さの違いなどもあって、レースは午後3時ごろまで続く。速くなくたっていいのがタモリカップのいいところである。
海の上で過ごす時間を長く楽しむというのもタモリカップ的レース展開と言えるだろう
ではみなさん、日本一楽しいヨットレースをたっぷり楽しんでください、と手を振り
ずっと見ていられそうな気もしたがひと足先に陸に戻ることに
港内に入るとゴールしたヨットが帆をたたんでゆっくりと進んでいた
そして、徐行するボートから表彰式&バーベキューの会場が見えた
というわけで上陸したところで、今年も土屋さんと記念撮影
Manoa号も本当にありがとう。もしかしたら来年も会おうね
夕日が沈んだら宴のはじまり
さて、陸に戻った午後1時30分ごろはこんな感じだったマリーナは
午後5時を過ぎるとこのにぎわい
エントランス前となるとこの人いきれ。さあ、パーティーの始まりである
会場に入ると昨年を上回る活気と熱気が渦巻いていた
おや、あれは何だろう
何、今年はタモさん監修の煮卵が乗った「たまごかけごはん」登場とは見逃せない
そして大人気である
タモさんの「絶対半熟でしょう」という意見をもとに、味付けしたものをタモさんに試食してもらいOKが出た煮卵は、福島県白河市の「都路(みやこじ)のたまご」の卵である。さっそく食べたいところだがまだ会場に入ったばかり。全体の様子を見る前に行列にならぶのもあれなので、あとで必ず食べに来ると約束し、さらに奥へと進んでいった。
グッズ売り場ではTシャツはすでに売り切れ、タオル(各2000円)や帽子(1500円)もあとわずか