横浜市の災害時の対応や避難場所はどうなってるの?
ココがキニナル!
横浜市や神奈川県の災害時の対応はどうなってるんだろ?災害毎の避難場所とか準備状況がキニナル!(MDXさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市の避難場所は、小学校を中心として全部で453拠点。市の人口約370万人に対して、100万食の食料などが備蓄されています。
ライター:河野 哲弥
避難場所(地域防災拠点) は、市内に453拠点
次は避難場所について。
横浜市では、各小中学校を中心に「地域防災拠点」を453拠点用意している。その数は各区の人口や学校の規模などによって定められているので単純に多寡では計れないのだが、少ないところでは西区の12拠点、多いところでは青葉区の39拠点となる。
詳細は各区役所のホームページから参照することができる。
今回の取材のために、各所から抜粋してもらった資料
各「地域防災拠点」には食料や水、生活用品、救護・救助用品などを備蓄している。
現在横浜市の人口は約370万人だが、過去の災害から最大でおよそ50万人の避難者が出ると予想されているそうだ。
そこで食料については、いずれ支援物資などが届くまで1人当たり2食分、つまり約100万食を確保している。
他の項目についても、少し冗長になるかもしれないが、肝心なことなので記しておこう。
ひとつの「地域防災拠点」にストックされている物資
「食料・水」
~クラッカー2,000食、粉ミルク・ほ乳瓶19セット、おかゆ440食、スープ220食、水缶詰2,000缶。
「生活用品」
~高齢者用紙おむつ210枚、乳幼児用紙おむつ・紙パンツ1,350枚、生理用品425個、トイレットペーパー192巻、移動式炊飯器(拠点の小学校)1台、ガスかまどセット(拠点の中学校)1セット、毛布240枚、断熱シート240枚、くみとり式仮説トイレ2基、トイレパック3,000セット。
「教護用品」
~リヤカー2台、グランドシート10枚、ろ水機1台、給水用水槽1個、松葉杖5組、保温用シート50枚。
「救助用品」
~発電機5台、投光器5台、担架10本、ポール(応急担架用)10本、つるはし5本、大ハンマー5本、スコップ5本、ロープ5本、てこ棒5本、大バール5本、ワイヤーカッター5本、大なた5本、のこぎり5本、金属梯子1本、掛矢2個、ヘルメット10個。
以上。
日頃の準備には、私たち個人の心構えも含まれる
質問にあった準備には、官公庁によるものだけでなく、私たちの準備も含まれるだろう。
例えば、各区のサイトを参照して自宅や職場に近い「地域防災拠点」を知っておくこと、その避難経路を調べておくこと、そして、自治体などで実施される避難訓練に参加することなども該当する。
市が推奨するのは、ご家族や近隣の人たちと地図を見ながら話し合う「図上訓練」や、散歩のついでなどに避難経路を確認して歩く「まち歩き」など。特に「まち歩き」では、地図が古くなっていて道が存在していな箇所や、図上では知り得なかった危険物などが発見できるかもしれない。
夜間、停電などで明かりがない状態での避難も想定しておいてほしい。必ずしも最短距離がベストの避難経路ではない可能性がある。パニックになったときに備えて、間違えにくい経路を見極めておきたい。
最低限、水の用意だけでも心がけよう
また、一日に成人一人に必要とされる水は3リットルなのだそうだ。食料がなくても数日は何とかなるが、水の有無は生死にかかわることも覚えておこう。仮に4人家族だと、市販の2リットル入りペットボトルで6本の備えが必要になる。
ここからは勝山さん個人のノウハウなのだが、定期的に新しいペットボトルを買い換え、古いものは洗い物や体を拭く水としてストックしているそうだ。危機管理課長が自ら実践しているこの方法、マネしておいて決して損はないだろう。
最後になるが、今回取材をした横浜市消防局危機管理室では、地震や津波、その他緊急時の防災情報をメールで知らせてくれる、横浜市防災情報サービス「防災情報eメール」というサービスを行っている。この機にぜひ活用してもらいたい。
災害情報をメールで知らせてくれる「防災情報eメール」
今回は「地震による災害」に焦点を当てたが、「都市災害」や「風水害」はまた別の機会に紹介しよう。
また、読者の中には、実際横浜にはどのくらいの津波が押し寄せるのか、また過去の被害はどれくらいなのかを憂慮する方もいらっしゃるだろう。今回は紙面の都合上、その詳細は別の記事でお送りしようと思う。
関東大震災や、市がガイドラインの作成でモデルとした「元禄型関東地震」はどのようなものだったのだろうか。
さして、横浜で津波の被害が最も危惧される地域はどこなのだろうか。その辺をじっくりと取りあげてみたい。
―終わり―