開幕投手指名も! 横浜DeNAベイスターズ、2017年新人合同自主トレ初日の様子をレポート!
ココがキニナル!
毎年恒例となっている横浜DeNAベイスターズの新人合同自主トレ。横須賀市の総合練習場の初日の雰囲気がキニナル!(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
ラミレス監督がドラフト1位の濱口遥大投手ら、投手数人の1軍キャンプ帯同を示唆。石田健大投手を開幕投手に指名!
ライター:田中 大輔
雨ニモマケズ
続いて行われたキャッチボールでは、やはりドラフト1位左腕に注目が集まった。
濱口投手は自主トレ初日とは思えない力強いフォームでの投球を見せ、報道陣の視線を一人占め。本人は「きょうは6割から7割くらい」と話し、「フォームのバランスはできていた。ここから強度を増して、キャンプでブルぺンに入れるように逆算していく」と続けた。
初日とは思えないほどの力感で投げ込む濱口投手
濱口投手以外にも、この日ラミレス監督から1軍キャンプに入る可能性を感じる投手として名前が挙がった水野投手や、ドラフト6位の尾仲祐哉(おなか・ゆうや)投手らもそれぞれのペースで調整を進めている様子が見てとれた。
水野(写真上)、尾仲(同下)の両投手にも即戦力の期待がかかる
順調にメニューをこなしていた選手たちだが、思わぬトラブルが。キャッチボール中に雨が強さを増し、練習は一時中断となってしまったのだ。
当初はこの後、内野ノックなどの練習メニューが用意されていたが、天気には勝てないということで選手たちは室内練習場へ移動。雨が弱まるのを待ち、急遽グラウンドで3000メートル走が行われることとなった。
この3000メートル走は昨年と一昨年の合同自主トレ初日にも行われていて、昨年は今永昇太(いまなが・しょうた)投手が、一昨年は山下幸輝(やました・こうき)選手がトップを勝ち取っている。
昨年の3000メートル走でトップだった今永投手
その後、両選手とも1軍キャンプでスタートし、開幕から1軍でプレーした選手だから、1位になっておくと験(げん)がいいかもしれない。
選手たちが「キツかった」と口をそろえた3000メートル走
走り始めてみると、1週目は水野が飛び出し注目を浴びたが、残念ながら周回を重ねるごとに後退。練習後、水野は「先導しようかと思ったんですけど・・・。2週目からは自分のペースで走りました」と苦笑いで振り返った。
序盤は集団を引っ張った水野投手。見せ場は作った
そんななか、3000メートル走を引っ張ったのは、尾仲投手。キリっとした表情を崩さず、下位勢を周回遅れにしながら圧巻の走りを見せた。
軽やかなフォームで独走してみせた尾仲投手
注目の濱口投手も上位でゴール。走り終えたほかの選手たちが座って休む中で、濱口投手とドラフト6位の狩野行寿(かりの・ゆきかず)選手だけは立ち上がったまま。
最下位だった育成ドラフト1位の笠井崇正(かさい・たかまさ)投手をはじめ、まだ走り続けている選手を大きな声で鼓舞し続ける姿が印象的だった。
ほかの選手に檄を飛ばす濱口投手
狩野選手も濱口投手とともに大きな声を出し続けた
これについて濱口投手は、「どうせやるなら、声を掛け合ってやった方が気持ちが乗って来る。大学時代もそういうチームだったので、そこは変えずにやっていきたい」と、雰囲気作りにも高い意識をのぞかせていた。
開幕投手の発表も!?
練習後、報道陣の取材に応えた濱口投手は、「プロとして本格的な野球人生の第一歩を踏み出せた」と初日を振り返った。
まずは2月1日から沖縄・宜野湾で行われる1軍キャンプに呼ばれることを視野に、「ドラフト1位で入ったからには、即戦力として宜野湾に連れていってもらえるように」と力を込めて語ってくれた。
宜野湾どころか、開幕ローテーションの期待もかかる濱口投手
同じく記者に囲まれた水野投手は、「練習ひとつひとつに意図があると感じた」と感想を話し、濱口投手同様「1軍キャンプが目標」と意気込む。
「濱口には負けたくない」と話した水野投手
また、ラミレス監督も練習の合間に取材に応じ、ルーキーたちの姿について「入団会見以来の再会だった。天気は悪かったが、気合いが入っていた」と評価。
「何人かは1軍キャンプに連れていきたい。ほかの選手は2軍でしっかり練習を」と話し、1軍キャンプ候補としては濱口、水野、尾仲に加え、ドラフト8位入団の進藤拓也(しんどう・たくや)ら投手陣の名前を挙げていた。
中継ぎとして期待がかかる進藤投手も宜野湾を目指す
さて、ラミレス監督はこの取材のタイミングで、かねてから宣言していた通り今季の開幕投手を発表した。
監督は「2017年、横浜DeNAベイスターズの開幕投手は石田(健大〈いしだ・けんた〉)です」と、3年目を迎える左腕を大役に指名。昨季チーム2位となる9勝(4敗)を挙げた石田を「エース」と評し、昨季を上回って「10勝以上できると確信している」と太鼓判を押した。
「エース」という言葉を使って石田投手を表現した監督
本人には6日の夜に食事をした際に伝えたそうで、「私の考えを理解してくれて、気合いが入っている。しっかり準備してくれるはず」と改めて期待を口にした。
話を伝えたときの石田は、「すごく喜んでくれた。感極まって、少し涙を浮かべていたようにも見えた」そうだ。
2年前の新人合同自主トレでの石田投手
石田は過去2シーズンで36試合に先発しているが、完投はゼロ。
心配する向きもないわけではないが、これについて監督は「イニングよりも、どこで使うか。絶対に勝たないといけない試合で投げてもらう。それがエース」と話していた。
取材を終えて
ちょうど2年前に同じ場所で同じようにプロとしてのキャリアをスタートさせた石田投手が開幕投手に抜擢(ばってき)されたことは、この日デビューを果たしたルーキーたちにも大きな刺激になったはずだ。
また、石田投手と同期の山﨑康晃(やまさき・やすあき)投手や、昨年の今永投手もしかり、若い選手にもチャンスの多いチームであることは周知の通り。それが新人選手たちにはモチベーションになるし、ファンには期待にもなる。
今季のチームスローガン「THIS IS MY ERA.」(俺の時代だ)を高らかに宣言する新星が登場するか。2月のキャンプイン、そして開幕がまたひとつ楽しみになってきた。
―終わり―